恋愛ソングの女王・aikoの新曲は”片思い”がテーマ
等身大の恋愛ソングが持ち味のシンガーソングライター・aiko。彼女の41枚目シングルの表題曲は『食べた愛』です。
大ファンと公言するカルビーポテトチップスのCMソングに起用されていて、同時に15年ぶりとなるCM出演も果たしました。
aikoはこの楽曲について「とても片思いをしている曲」と表現。
「好きな人に想いを言えないまま時間が過ぎるのを、切なくも愛おしいと思っている気持ちを歌にしました」とコメントしています。
軽快なメロディーに乗せたaikoらしい共感性の高い歌詞の意味を、徹底考察していきましょう。
----------------
あながち間違ってないよ むしろそれで合ってるよ
だけど言ったら終わってしまいそう
少し間のある電話 なんとなく始まった会話
意味はなくても秘密の答えはある
あなたを想う日しか体に何も残らない
折り返す夜もう少し起きてて
≪食べた愛 歌詞より抜粋≫
----------------
描かれているのは、片思い相手と電話をしているシーン。
「あながち間違ってないよ むしろそれで合ってるよ」というフレーズは、おそらく自身の恋心が明らかになりそうな状態を表していると考えられます。
それでもはっきりと言葉にしてしまえば、相手との楽しい電話も居心地の良い関係さえも終わってしまいそうで、想いを伝えることができません。
どこかぎこちなく、間が生まれてはまた会話が続いていく様子に、もどかしさと同時に幸せを感じていることが伝わってきます。
電話の会話自体は意味のないものばかりですが、その裏にあるのは好きという「秘密の答え」。
好きな人のことを想う日だけ、ドキドキと胸が高鳴って温かさと切ない痛みが心に残ります。
電話をしている内に0時を過ぎて「折り返す夜」に、この愛おしい時間が続くことを願って、もう少し起きていようとするいじらしさがかわいらしいですね。
苦しいくらいに好きだから聞けないこと
----------------
向こうで何飲んでるの?どんな服着てるの?
あたしと今喋って大丈夫?
でも聞けそうで聞けない 言えそうで言えない
≪食べた愛 歌詞より抜粋≫
----------------
高音の歌声が特徴的なサビには、片思いならではの心理がはっきりと綴られています。
電話をしながら、主人公の頭の中では様々な疑問が浮かんでいる様子。
片思い中は相手のことが気になって、何を飲んでいてどんな服を着ているのか、なんて些細なことが気になってしまうものです。
今自分のために時間を使ってくれていることが嬉しい反面「あたしと今喋って大丈夫?」と気を遣ってしまうのも、相手が好きな人だからこそ抱くもどかしさを言い表していますよね。
電話に応じてくれることに特別な意味があるのか、この時間をあなたがどう感じているのか聞いてみたい。
とはいえ聞くとその瞬間に電話が終わりそうで、やっぱり言えずにいます。
----------------
明日は何を着ようか 雨が午後から降るらしい
どうでもいいや 今何してるかな
丁度良い程の心はいらない何も残らない
あなたはたった一人しかいないの
≪食べた愛 歌詞より抜粋≫
----------------
明日の服装や天気のことを考えながらも、相手のことを想うと他の全てのことが「どうでもいいや」と思えてくるほど彼に夢中な主人公。
そんな強い想いは時に痛みや苦しみを伴いますが、「丁度良い程の心はいらない」とその苦しさも相手を想う自分の特権と考えているようです。
「あなたはたった一人しかいないの」と、相手を切実に愛する気持ちが表れています。
タイトル「食べた愛」の意味とは?
----------------
優しくしてくれるから 冷たくされても
忘れられるとは到底思えないから
切れ切れで続くよ 呆れて食べた愛
折り返す夜もう少し起きてて
些細な事で強く日々は続く
≪食べた愛 歌詞より抜粋≫
----------------
夜中の電話も付き合ってくれる優しい彼。
もし急に冷たくされてもこの想いを「忘れられるとは到底思えない」ほど、恋心は大きく育っているようです。
ここでタイトルにもなっている「食べた愛」のフレーズが出てきます。
aiko自身は恋する相手のことを考えている時、よくポテトチップスを食べているそうなので、この主人公も相手を想いながらポテトチップスを食べている光景が見えてきます。
つまりポテトチップスは、主人公にとって愛の象徴と言えそうです。
解釈が難しいですが、「食べた愛」は言いかけた自身の恋心を飲み込んだという意味かもしれません。
また「食べたい」とも聞こえるので、相手の気持ちが欲しいと求めているとも考えられるでしょう。
どちらにしても、今日もふいに途切れる会話で夜中まで続く電話に想いが強く増していきます。
それだけで日々に幸せがあふれていく片思い中の充実感に満ちた歌詞が、恋のときめきを思い出させてくれる恋愛ソングです。
「食べた愛」のピュアな恋心を味わって
『食べた愛』はaikoらしい情景が思い浮かぶリアルな歌詞で、片思いのピュアな感情が歌われています。相手の気持ちが分からないからこそ味わえる少しつらいけれど幸せな時間を噛み締めている様子に、女性だけでなく男性も共感を覚えたのではないでしょうか?
また、本人出演のMVでは過去の楽曲のMVやライブで使用された衣装も登場し、aikoファンにはたまらない楽曲となっています。
今片思い中の人もかつて片思いを経験していた人も、aikoの歌声を聴きながら恋する温かい気持ちにぜひ浸ってください。