原作小説の著者は「鈴木おさむ」!
大人から子供まで幅広い世代がハマるアーティスト『YOASOBI』。彼らが『夜に駆ける』で大ヒットを果たし、紅白歌合戦に出場する少し前に配信した楽曲が今回ご紹介する『ハルカ』です。
同曲の原作小説「月王子」を書いたのは放送作家として活躍する鈴木おさむ。
お笑い芸人「森三中」のメンバーである大島美幸の夫としても知られていますね。
気になる原作の物語の内容はというと、マグカップの視点から少女の成長が描かれた心温まるストーリー。
楽曲タイトルである『ハルカ』は、マグカップを買った少女・遥を表しているものと思われます。
同曲の視点も物語に登場するマグカップであると仮定し、歌詞を見てみましょう。
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思い出すのは
出会った日のこと
誰の元にも帰れないボクを
見つけ出してくれた
救い出してくれた
忘れることない君の笑顔
≪ハルカ 歌詞より抜粋≫
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冒頭で歌われているのは遥がマグカップを買った日のこと。
同物語で描かれているマグカップは長らく売れ残っていたものであることから、「誰の元にも帰れないボク」と表現されているものと考察されます。
ちなみに、小説のタイトルが「月王子」であるのはマグカップに月に乗った王子様が描かれているから。
マグカップのデザインをイメージしつつ、続く物語を追っていきましょう。
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暮らしのすきま
よふけの祈り
いつでも君と共に歩いてきたキセキ
つらいことも
うれしいことも
分かち合えるそんな
日々よ
ふりかえれば数え切れない
思い出があふれ出してくる
だれにも見えないところで
がんばってる
君のそばにいられること
それだけで
こんなにほら幸せなんだよ
想いはただ
ありがとう
≪ハルカ 歌詞より抜粋≫
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ご紹介した部分ではマグカップが遥のことを見守っている様子がわかりますね。
小説の前半では遥が高校受験や大学受験をする様子が描かれており、「よふけの祈り」や「がんばってる」という歌詞は勉強に励む姿を表しているものと思われます。
マグカップは遥が大切に使ってくれていることに深く感謝しているようですね。
成長を見守るマグカップ
大学合格後、別の街に住むことになった遥。
マグカップは実家に置いていかれると思っていたようですが、遥は新しい家に持っていくことにします。
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訪れた
よろこびの春は
旅立ちの季節
はなれた街にも
連れ出してくれたね
ひとり不安な日々に
さみしそうな君に
送るエール
ボクがついてるよ
楽しいことばかりじゃない日常に
あふれだした君の涙
それでも
前を向いて歩いて
そうやって大人になってく
君のそばにいられること
君のよろこびは
ボクのよろこびで
君の大切が幸せが
いつまでも君とありますように
≪ハルカ 歌詞より抜粋≫
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この部分では一人暮らしの寂しさに耐える姿や、失恋に涙する姿をいつも側で見守る様子が描かれています。
売れ残っていた自分を購入し長く大切にしてくれている遥に対し、マグカップはまるで家族のような思いを抱いているようです。
みなさんは長い間愛用している食器はありますか?
「もしかしたら自分の食器もこんな風に見守ってくれているのかも」と思うと、さらに愛着が湧きそうですね。
遥はなぜ泣いている?結末に注目!
原作の中で、遥は結婚し子供に恵まれます。
その様子が歌われているのが次の部分です。
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ねえ
君のそばにはもう
たくさんの愛があふれてる
だから今は
どうか泣かないで
あの日のように笑顔で
≪ハルカ 歌詞より抜粋≫
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ここで気になるのが「だから今はどうか泣かないで」というフレーズ。
遥は一体なぜ泣いているのでしょうか?
答えは楽曲内では描かれていませんが、原作では遥の涙の理由が描かれています。
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ふりかえればいくつもの
思い出がよみがえってくる
だれにも見えないところで
流した涙もほら
今の君につながってる
たくさんの愛につながってる
こみ上げてくる
想いはただ
ありがとう
いつまでも
幸せで
いつまでも
愛してるよ
≪ハルカ 歌詞より抜粋≫
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こちらは曲の最後の部分。
勘がいい人はマグカップがどうなったのか、なぜ遥が泣いているのかわかったかもしれませんね。
ネタバレになってしまうため、ここでは結末はご紹介しません。
ぜひ原作「月王子」を読んでみてくださいね。
「ハルカと月の王子さま」も要チェック!
主人公の少女・ハルカが大切に使っていたマグカップの視点から描かれた心温まる物語、そして楽曲「ハルカ」。同ストーリーは「ハルカと月の王子さま」というイラスト小説として書籍化もされています。
楽曲、MV、原作「月王子」とあわせてチェックしてみてくださいね。
鈴木おさむが描く心温まる世界観に浸ることができますよ。