「籠の中に鳥」
季節はいつのまにか訪れて、いつのまにか走り去っていきますね。この楽曲が生まれた後は特にそう感じる事が多くなりました。
春から夏 夏から秋 秋から冬 そしてまた春が来る。
いつもと変わらない月日の流れの中
たまに「あぁ、私はまだ同じ季節にいる」と感じた事はありませんか。
世の中がまた新しい季節を感じ始め
変わりゆく街並みや、彩られた景色に浸る中
少しだけ残り続ける季節がありませんか。
「籠の中に鳥」とはそのような人の心を
綴った楽曲になります。
記憶というのは本当に不思議で
その時の感情、空気、温度、映像、季節
沢山のものを自分達の中に鮮明に残している、
そして少しだけその記憶が他よりも濃いものであれば
より心はその記憶を呼びかけてしまうと、自分は思っています。
良い記憶であれ、悪い記憶であれ。
桜を見た春の記憶や、海で遊んだ夏の記憶
紅葉で彩られた秋の記憶、
寒さと暖かさを感じた白い冬の記憶
どれも楽しかった記憶、そう「楽しかった」記憶。
呼びかけてしまうのは決まって
今よりも少し彩られたいつかの記憶。
人間の心は、少しだけ意地悪ですよね。
「今が1番楽しい」と気づかせてくれない時もあったり
「この人が1番」だと向かい合わせてくれなかったり
それなのにあの時や、あの頃を決まって振り返ってしまいます。
自ら過去の籠に入ってしまっているみたいです。
一度自分の心に染みついたものを
頭では消したいと考えても
心では消したく無いと思っている
そんな事をこの楽曲は考えさせてくれました。
少しずつ、少しずつ
歩いていく人生で
この楽曲があなたの支えになれば幸いです。
TEXT 古閑翔平 (Gt / Programming)