jon-YAKITORY feat. Ado「蝸旋」ロストジャッジメントの主題歌！インパクトのある歌詞の意味を考察

木村拓哉主演ゲーム「LOST JUDGMENT：裁かれざる記憶」の主題歌が話題

▲jon-YAKITORY feat. Ado - 『蝸旋』【OfficialMusicVideo】

木村拓哉が主人公として出演していることで話題の大人気ゲーム「JUDGE EYES：死神の遺言（ジャッジアイズ）」の続編として、「LOST JUDGMENT：裁かれざる記憶（ロストジャッジメント）」が新たに発売されました。

先行公開されたオープニングムービーからすでに大きな反響を呼び、主題歌の『蝸旋（読み方：らせん）』がゲームファンの間で好評となっています。

この楽曲は、中毒性の高いボカロ曲で注目されるボカロP・jon-YAKITORYが楽曲提供し、メジャーデビュー曲『うっせぇわ』が社会現象となった人気女性シンガー・Adoが歌唱を担当。

二人のコラボはこれで五度目で、jon-YAKITORYが作り出すダークな世界観を持つ音楽とAdoの表現力の高いパワフルな歌声が今回も絶妙にマッチしています。

「ロストジャッジメント」のストーリーは不条理や正義とは何かという点がテーマになっていて、そのメッセージを詰め込んだ主題歌にも引き込まれるでしょう。

タイトルの「蝸旋」はjon-YAKITORYによる造語で、あえて「蝸牛（かたつむり）」に使われている漢字を用いています。

これは心に渦巻く様々な苦悩を背負う人たちもゆっくり前進していく必要があるということを、螺旋状の殻を背負った蝸牛によって表現されているそう。

タイトルの深い意味も踏まえながら、気になる歌詞の意味を考察していきましょう。

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なんで、どうして
この孤独は
誰にとって必要なの?
≪蝸旋 feat. Ado 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞から、主人公が深い孤独を抱えていることが分かります。

孤独は誰にとっても決して嬉しいものではありませんし、できるなら味わいたくないものです。

それなのに自分は逃れようのない孤独に苦しんでいるため、「この孤独は誰にとって必要なの？」と思いを言葉にしています。

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明日を見上げる首は
いつか誰かに
切り取られていた
大声で笑うことは
いつになれば
許されるのかな
≪蝸旋 feat. Ado 歌詞より抜粋≫
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「明日を見上げる首」はおそらく未来に希望を持っている様子を表しているのでしょう。

しかし、誰かの言動によってその希望が打ち砕かれたために「切り取られていた」と表現しています。

「大声で笑う」というのは、本当に嬉しくて楽しい時にしか起こらないはずです。

それを「いつになれば許されるのかな」とこぼしていることから、主人公は人生を楽しみたいのにそうできないよう抑圧されている状況にいると考えられます。

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もし今疲れ果てて
倒れたって誰も気付かない
今日は今日のまま
≪蝸旋 feat. Ado 歌詞より抜粋≫
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この部分も主人公の生きづらい現状を歌っていると思われます。

「もし今疲れ果てて倒れたって」助けてくれる人はなく、気づいてすらもらえないのです。

そして、社会から疎外されているようなその状況は、これからも変わらず続いていきます。

そんな人生を想像すれば、主人公の絶望感が伝わってくるのではないでしょうか。

「お前らのせいだ」の意味とは？

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お前らのせいだ
お前らのせいだ
あの記憶も
この制裁も
お前らのせいだ
お前らのせいだ
言い訳なんて
聞きたくない
後悔や絶望
苦痛も全部
クソ喰らえ
≪蝸旋 feat. Ado 歌詞より抜粋≫
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この楽曲で最も印象的でインパクトのある言葉が、サビで繰り返される「お前らのせいだ」というフレーズです。

単なる恨み節のようにも思えますが、jon-YAKITORYはこの楽曲を「誰からの視点でも解釈できるような曲にしました」とコメント。

200万回再生を突破した公式MVのコメント欄でも、ゲームをする前とクリアした後ではイメージが変わり、登場人物の誰の言葉として捉えてもぴったりハマるという声が多く寄せられています。

ゲームにも表れている通り、社会には様々な立場の人がいて1つの出来事をそれぞれの視点で見ています。

被害者が加害者に対して「お前らのせいだ」と思うのと反対に、加害者の方も被害者側に「お前らのせいだ」と感じている場合があるでしょう。

それぞれが胸の奥に苦しみを抱えているため、一概に加害者だけが悪いと断罪することはできません。

つまりこの曲の主人公は特定の一人ではなく、苦悩を背負う全ての人と言えます。

「言い訳なんて聞きたくない」「クソくらえ」という言葉には、怒りや憎しみで少しも相手を受け入れられない切羽詰まった心理状態が表れているように思えます。

そしてその感情は次の問題を引き起こし、人は地獄のような苦悩の螺旋から逃れられないのです。

苦悩する現実を変えるには

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賽の河原で待ちぼうけ
救いがあるって期待をしていた
あの日あの時ここで何ができれば
変われていたかな
≪蝸旋 feat. Ado 歌詞より抜粋≫
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「賽の河原」は亡くなった子どもが行くと言われる、冥土の三途の川の手前にある河原のこと。

子供はそこで石を積み、親を悲しませた罰を受けると言われています。

そんな「賽の河原で待ちぼうけ」とあるので、主人公の中には亡くなった人も含まれるのかもしれません。

また、実際に亡くなっていないとしても心が死んだようになっていて、救いを待っているという人もいるでしょう。

とはいえ「待ちぼうけ」をくらっていて、「あの日あの時ここで何ができれば変われていたかな」と想像しても今となっては全て過去のことです。

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夢の中で今日も
ソレはずっとこちらを見てる
ただ静かにそっと
この首に両手をかけて
この悪夢にずっと
閉じ込めて苦しめるなら
ここで殺して
今すぐここで殺して!
≪蝸旋 feat. Ado 歌詞より抜粋≫
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主人公は毎日、何者かに見つめられ首を絞められるという悪夢を見ているようです。

「ただ静かにそっと」の表現が、じわじわと精神的に追い詰められる恐ろしさを伝えています。

悪夢に苦しめられ続けた主人公は発狂し、「今すぐここで殺して！」と叫んでいます。

この苦しみが、負のスパイラルのさらなる深みへと主人公を引きずり込んでいるのではないでしょうか。

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知りもしない奴らは言う
何が正しくて誰が悪か
決めつけで底の浅い倫理広げて
≪蝸旋 feat. Ado 歌詞より抜粋≫
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事件の真相を知りもしないのに関係者を糾弾する人たちがいます。

「何が正しくて誰が悪か決めつけで」語り、悪を制裁するのが正義だと好き勝手に中傷するのに事実と違うと分かればすぐ手の平を返してしまいます。

現代のネット社会では声を上げることは簡単ですが、本当に大切なのは事実を知ることなのではないでしょうか。

きっと全ての人が偽の情報に惑わされず言葉を発する前に事実を知ろうとするなら、社会の不条理は変わっていくはずです。

この歌詞の後にも続く「お前らのせいだ」の言葉は、そうした間違った正義を振りかざす人へのメッセージも込められているように感じます。

おそらく多くの人が逃れようのない苦悩の螺旋を抱えていますが、「蝸旋」の言葉に示されているように少しずつでも前進する必要があります。

ただ救いを待ち、悪夢にうなされながら眠っているだけではいけないのです。

自分の正義とは何かを見つめ直し、歯を食いしばって歩き出すための力がこもった楽曲です。

「蝸旋」が「ロストジャッジメント」の世界を引き立てる

jon-YAKITORYとAdoのコラボ曲『蝸旋』からは、苦悩に耐えなくてはならない現状にいる切なさとそれに抗おうとする生命力が感じられました。

「ロストジャッジメント」のリアルな物語と『蝸旋』のストレートな歌詞が見事にリンクしているため、ゲームをプレイするとより歌詞の言葉が胸に刺さるでしょう。

ぜひ合わせてチェックして、重厚感のある世界観に浸ってみてくださいね。