Let It Be(レットイットビー)の意味とは
楽曲『Let It Be』の歌詞を読み解くために、まずはタイトル「Let It Be」の意味を解説します。
英語学習で「let」の例文としてよく紹介されるので、既に知っている方も多いかもしれませんね。
「let」は使役動詞ですが「~させる」といった強制的なニュアンスはなく、「人が~するのを許す」という意味の単語です。
「it」は日本語で「それ」となり具体的な対象を示していません。
この楽曲が多くの人々に受け入れられたのは、対象を絞っておらず、広い意味で解釈できる歌詞だからなのかもしれませんね。
「be」はbe動詞の原型で「~である」という意味を持ちます。
したがって「Let It Be」に和訳をあてると「そのままで」「あるがままに」となります。
「そのままでいい」「あるがままになさい」という優しいメッセージの歌詞と『Let It Be』のゆったりとした音楽が合わさり、聴き手の心を落ち着けてくれます。
ポール・マッカートニーと歌詞のつながり
歌詞を冒頭から和訳していきます。
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When I find myself in times of trouble
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom let it be
≪Let It Be 歌詞より抜粋≫
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この部分は「苦難の時にいると気づいた時 聖母マリアが僕のところに現れて 素晴らしい言葉をくれたんだ “あるがままになさい”って」と和訳できます。
「Let It Be」はキリスト教の聖母マリアから授けられた言葉だと捉えられるでしょう。
しかし、作詞したポール・マッカートニーが14歳の時に亡くなった実母はメアリーという名前のため、歌詞の「Mother Mary」はポールの実母とも解釈できそうです。
もしかしたら両方の意味がかかっているのかもしれませんね。
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And when the night is cloudy
There is still a light that shines on me
Shine until tomorrow let it be
≪Let It Be 歌詞より抜粋≫
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この部分は「曇った夜も 僕を照らしてくれる明かりはある 夜が明けるまで照らしてくれる あるがままに」と和訳できます。
「曇った夜」というのは苦難の時を指すのでしょう。
曇った夜がずっと続くのではなく、あるがままでいれば夜は明けるのだという前向きなメッセージが読み取れそうです。
『Let It Be』をリリースした1970年にビートルズが解散したことを考えると、作詞家自身が苦難の中にいて、「夜は明けるのだ」と自分に言い聞かせるように歌詞を書いたのかもしれませんね。
The Beatlesが出した答えとは?
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For though they may be parted
There is still a chance that they will see
There will be an answer let it be
≪Let It Be 歌詞より抜粋≫
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この部分は「彼らは離れ離れになってしまうかもしれないけれど また会うチャンスは残されている 答えはあるだろう あるがままに」と和訳できます。
離れ離れになる「彼ら」というのは、解散して離れ離れになるビートルズのメンバーを指しているのかもしれません。
この機会にビートルズのセッションやラストライブの動画が収録された映画『レット・イット・ビー』を見ながら、彼らが出した答えに思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
そうすればきっと、「Let It Be(レットイットビー)」という楽曲がより味わい深くなるでしょう。
The Beatles(ザ ビートルズ)は、20世紀を代表するイギリスの世界的ロックバンドである。メンバーは、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人である。 1957年にジョン・レノンが前身となるバンド「クオリーメン」を結成し、1960年に「ザ ・ビートル···