オンラインライブで披露された注目曲「Wonder」が待望のリリース
作詞を務めるTakaによる英語を用いた情熱的な歌詞と技術の高いロックサウンドで世界を魅了するONE OK ROCKが、2021年10月22日に新曲を配信リリースしました。その楽曲とは、2020年10月に開催されたオンラインライブ「ONE OK ROCK 2020 “Field of Wonder” at Stadium Live Streaming supported by au 5G LIVE」で初披露され、ファンの間で大きな話題となった『Wonder(読み方:ワンダー)』です。
80年代の洋楽を思わせるような往年のスタジアムロックをONE OK ROCKらしいアレンジで再構築したパワフルな楽曲で、リリースに合わせて公開されたリリックビデオのレトロな雰囲気も曲の世界観を引き立てています。
この曲の歌詞にはどんな想いが込められているのか、英語詞を和訳しながらそのメッセージを考察していきましょう。
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Take take all the risk
I don't wanna play
Safe safe
Gotta live bend the rules today
Break break
Got the world in the palm of my hands
≪Wonder 歌詞より抜粋≫
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この冒頭の歌詞の前半三文を直訳すると「全てのリスクを冒そう、安全な遊びなんてしたくない」となります。
主人公は危険を冒すようなスリリングなことをしたいと思っているようです。
続く一文によると、それは「だらけた今日を過ごさなくてはいけなくなる」から。
どんなことにもリスクはつきものです。
それなのにリスクを徹底的に避けた行動ばかりを選んでいると、安全は保証されますが日々は単調で味気ないものになるでしょう。
そんな「だらけた今日」をぼんやり過ごすよりも、リスクを冒してでも新しいことにチャレンジして充実した人生を生きたいという積極的な感情が表現されていると解釈できます。
そして、最後のフレーズは「手のひらで世界を手に入れた」と訳せます。
これから新しいことをしようとしている主人公がすでに世界を手に入れたと語っていることから、「何でもできそうな気がする」というような自信に満ちた心情を示しているのかもしれません。
現状を何とかして良いものに変えていきたいという気持ちが垣間見えます。
いるべき場所は夢への道の先にある
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Runaway way
On a path couple dreams I gotta
Make make
See me walk I don't talk just for the
Sake sake
Step aside because I'm making my plans
≪Wonder 歌詞より抜粋≫
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この部分の前半は、「叶えていく夢の道を一気に駆け上がる」というニュアンスの意味と捉えられます。
「See me walk」は「その歩みを見ていて」と訳せるので、主人公からリスナーへ、つまりONE OK ROCKからファンへの決意表明と受け取れるでしょう。
コロナ禍で多くの変化があり閉鎖的になった世の中で、ONE OK ROCKがアーティストとして自分たちの音楽で新しいチャレンジをしようとしていることが伝わってきますね。
その後半では「無駄話はしない」、最後の一節でも「計画を立てているからそこをどいてくれ」と歌われています。
主人公には夢があり、夢を叶えるためには無駄話をしている暇はありません。
もし彼を心配してのことだとしても、夢への道のりを遮るならただ邪魔をしているだけです。
むしろ彼を信じてその歩みを見守っていることこそが、周囲ができる最大の応援なのではないでしょうか。
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Yeah home is home and where we go
'cause life is beautiful
≪Wonder 歌詞より抜粋≫
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続くBメロ部分の歌詞の前半は「居場所は進む先にある」となります。
「home」とあることから、そこが居心地の良い自分がいるべき場所と見ていることが分かります。
彼の進む先とは、夢へと繋がる道のことです。
夢を追いかける先に自分の居場所があり、夢を追いかけるのを止めれば決して辿り着けない場所なのです。
それなら必死で走り続けようとするのも当然でしょう。
そして「人生は美しいから」と続くように、夢を叶えるためにした努力はきっと報われます。
現実はうまくいかないことが多いですが、それでも人生の美しさを信じる純粋な気持ちは持ち続けていたいですね。
どんな人生を送りたい?
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Don't you ever wonder?
If you only had one breath
Tell me would your one love
Pull you out the deep end
≪Wonder 歌詞より抜粋≫
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この歌詞は、後半にも何度も登場するサビ部分です。
タイトルにもなっている「wonder」という名詞は「不思議・驚き・奇跡」といった意味があります。
それで一文目は「不思議に思ったことはないか?」と訳せますが、続く歌詞の内容からもっと大きく捉えて「考えたことはないか?」と問いかけていると解釈できるでしょう。
二文目のフレーズは直訳すると「もし君の一息が唯一だとしたら」となります。
これは息があと一回しかできないということなので、「あと一瞬しか生きられないとしたら」と想像させ自分の人生の最後を考えたことがあるかと尋ねているようです。
次の三文目も直訳すると「君のひとつの愛はなんだ」となり、最も大事なものを考えるよう促しています。
人生の最後に胸を張って大事なものがあると言えるのはとても素敵なことで、そこにはリスクを避けた人生では得られない喜びがあります。
そんな色鮮やかな人生を送るために、君も夢に向かって進むべきだと伝えているのかもしれません。
四文目では「大変な時には引っ張ってやる」と約束してくれています。
夢を追うことは簡単ではありませんし、様々な変化を経験したコロナ禍では特に一歩踏み出すことへの不安も大きいでしょう。
そんな時に助けてくれる存在は、希望の光となって心身を支えてくれるはずです。
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Restart, go ahead, go ahead and push me too far
Walkin’ out from the door I found my own start
In my pride and you don’t understand
≪Wonder 歌詞より抜粋≫
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この部分は「仕切り直しだ!先へ進もう」という強いメッセージから始まります。
状況は変わらなくても、自分を変えることはできます。
ドアを開いて出かけていくように殻を破り「遥か彼方へ進んで行く」ことで、彼は「自分のスタート地点を見つけた」のです。
これまでがどうだったか、今の状況がどうかは関係ありません。
大切なのは勇気を持って前へ進んで行くことです。
最後に「君はまだ理解していないけど」という言葉が続き、そこからBメロとサビの歌詞が繰り返されます。
今はまだどうするべきか理解できず、前進することをためらってしまう気持ちがあるでしょう。
しかし、自分で考えるための問いかけと背中を押すポジティブなフレーズを聴いていると、前向きな感情に満たされるのではないでしょうか。
「Wonder」というタイトルの通り、行動した先に奇跡のような美しい世界が広がる様子を夢見てチャレンジしていきたいですね。
「Wonder」にロックの不思議な力を感じる
数々のヒット曲を生み出し日本を代表するアーティストとして活躍するONE OK ROCKが『Wonder』で伝えたかったことは、おそらく諦めない気持ちです。
終わりの見えないコロナ禍で世界中が閉鎖的になっている今こそ、諦めることなく前進していくことが重要なのではないでしょうか。
リリックビデオに多くの英語のコメントが寄せられているのを見ると、音楽には国や人種を越えて全ての人を支える力があることを感じられます。
ぜひ『Wonder』をリピートして、リスタートを切るための力を受け取ってください。
2005年にバンド結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。 2007年にデビューして以来、全国ライブハウスツアーや各地夏フェスを中心に積極的にライブを行う。 これまでに、武道館、野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナ···