Indeedとコラボして制作されたMVがYouTubeで公開中
ずっと真夜中でいいのに。が2022年2月16日にリリースする新作ミニアルバム「伸び仕草懲りて暇乞い」に収録される新曲『猫リセット』。
求人情報サイト・IndeedとのMVコラボレーション企画「真夜中の仕事でいいのに。」を通じて制作された楽曲で、この新曲MVの制作クリエイターもIndeedで募集されました。
それによりMVアニメーションの制作やタイトルデザイン担当として、二十日とがーこの2名が選考。
配信リリース日の12月2日にYouTubeで公開されたMVは監督のYPをはじめ、12名ものクリエイターが携わり、ゲームのような世界観の見応えある映像に仕上がっています。
タイトルの「猫リセット」とは、飼い猫がゲーム機のリセットボタンを押してしまうアクシデントのことです。
この楽曲ではそんなプレイヤーの意思に反して強制的にやり直しさせられる状況を、厳しい就職活動に絡めて歌っています。
主人公を就職活動中の学生と捉えて、ACAねらしい独特な歌詞の意味を考察していきましょう。
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始める数秒前のメンテ
頭は重いし 毛は逆立った
どうしてもチグハグだった からだは
どうやって 狩場へ繰り出そうか
自分の存在定期的に
猫リセットできたら潔いのにな
信じても 自信が弱った
お使い業務定期 履歴の交渉
≪猫リセット 歌詞より抜粋≫
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面接の直前、主人公は身だしなみを整えて「メンテナンス」をしています。
頭は重く憂鬱で寝癖も直らず、着慣れないスーツにどこか「チグハグ」な印象が拭えません。
「狩場」はおそらく面接会場や、面接そのものを表していると思われます。
どうやって今回の面接を乗り切ろうかと考えているのでしょう。
そして同時に、自分の存在自体を「定期的に猫リセットできたら潔いのにな」と考えてもいます。
主人公はうまくいかない面接を繰り返す度に、すっかり自信をなくしている様子。
ゲームのアバターを一から作り直すように、いっそ自分自身を新しくできたら楽なのにな、とネガティブな思考に陥っているようです。
まるで他人のお使いで動いているように面接を受けている様子が伝わってきます。
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波形を見つめてるだけで過ぎてく 歩道橋の匂い
きっとやつにはわからないからこそ 価値がある
カートの中眠る 4,5千円のヘッドフォン
≪猫リセット 歌詞より抜粋≫
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ここで出てくる「波形」とは、自己分析に使われる人生の充実度をグラフ化したライフチャートのことかもしれません。
歩道橋で一人ぼんやりとライフチャートを眺める主人公。
面接の失敗が続き、自分のグラフは高いのに他人には認められない今の状況をつらく感じていると解釈できます。
認めてくれない社会に反発する気持ちもあり、「きっとやつにはわからないからこそ価値がある」の言葉に自分の中に眠る価値を信じていることも窺えますね。
「カートの中眠る4,5千円のヘッドフォン」に例えられるように、買わないまま放置されているけれどいつかは買ってもらえる可能性を信じてその時を待っているのです。
うまくいかない現状に自分を誤魔化す主人公
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回線落ち→乗り過ごし のけぞった爪で連打した
連れてって ずれてって 生き返ることはないのに
敵でも味方でもない 互いのたちば無理して
返答に時間がかかって きりがないのにさ
≪猫リセット 歌詞より抜粋≫
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「回線落ち→乗り過ごし」の部分は、主人公の不運な状況を描いていると思われます。
肝心な時にパソコンの回線が落ちて就職活動に必要な情報がすぐに手に入らず、そうこうしている内に電車も乗り過ごしてしまったのでしょう。
重要なことがうまくいかない時は他のことまでうまくいかなくなるように、面接に苦戦する主人公は気が滅入って日常生活にまで影響が及んでいるようです。
就職活動で対峙する企業は敵ではありませんが、味方とも言えません。
チャンスが舞い込むことを期待して不採用を告げるお祈りメールに返信しようにも、味方でないと分かっているから余計に言葉に悩んで時間ばかりが過ぎていきます。
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ギターの弦費 食費 交通費
喉仏 行き場のない米と涙ぶつかる
いずれは価値になる? そう言い聞かせ眠る
君にも嘘をつこう
≪猫リセット 歌詞より抜粋≫
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早く安定した仕事を見つけたいのに思うようにいかない就職活動の現状を思い、食事をしながら涙を流している姿が想像できます。
こんなに頑張っているのに芽が出ない。
今している苦労も「いずれは価値になる?」と疑問に思いながらも、必死に言い聞かせて眠る毎日を送っています。
「君にも嘘をつこう」というフレーズは、主人公の就職を心配する友達や恋人への言葉なのかもしれません。
不安な自分を誤魔化すのと同じように、周囲にもまるで困っていないように振る舞っていると考えられます。
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もっと期待し大志
この正確じゃどうやって
考えない 勘変えないようにしたいけど
引き分け業務 繰り返してる時はさ
甘い甘い散らかって 吐いて 最後虚しかったんだ
違う違う ただ僕に合う長所 選んでいいかな
≪猫リセット 歌詞より抜粋≫
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良い企業に就職したい、周囲が羨むような仕事がしたいと「もっと期待したい」のが本音ですが、なかなか思うようにはなりません。
望む将来に向けて「大志」を抱いていても、人生はままならないもの。
不採用通知は企業が自分を選ばなかったことを知らせるものですが、それを見ながら自分もその会社を選ばなかったから「引き分け」と焦る心をなだめてきたようです。
「考えない」と同じ音で続く「勘変えないようにしたいけど」のフレーズから、どれだけ失敗しても自分の持つ勘だけは失いたくないという信念と、失ってしまいそうな不安な気持ちを感じます。
不採用が重なると誰にも必要とされていないように感じて、どんなに自分を甘やかす言葉で誤魔化しても残るのは虚しさだけ。
そんな沈んだ思いから抜け出すために「ただ僕に合う長所選んでいいかな」と、選んでもらえる企業を探すのではなく、自分の長所を活かせる仕事を見つける方へと見方を変えていきます。
僕に合う仕事を選びたい
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ぁぁ何してんだろう 暇は敵だなぁぁ
経験値 シフト出し
気遣って書いた言葉じゃさ
「誰にも会えないもんね」
なんていつになったら治まる?
偽ったって消えないんだもう
≪猫リセット 歌詞より抜粋≫
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滞る就職活動の合間に暇な時間ができると「ぁぁ何してんだろう」とネガティブなことばかり考えてしまいます。
増えた経験値と言えば、面接で提出するシフト希望を書き込むことくらいです。
採用されることを重視して「気遣って書いた言葉」ではどうにもならないことも分かっています。
いつになったら治まるかも分からないコロナ禍での就職活動は、直接会って話すことも厳しくより難しい状況です。
今更猫を被ろうとしても最初に与えた印象は消えないので、偽っても無意味であることを表しているように感じます。
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でもやっぱ 期待しないし
手順も受け答えも
生き急いでも しょうがないね
勝ち負け業務 折り合いつけるまでは
甘い甘い散らかって 掃いて 最後笑っていいから
黙ってな 鈍い僕に合う情緒 選びたいから
≪猫リセット 歌詞より抜粋≫
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主人公は夢のような仕事との巡り合わせを期待するのはやめて、堅実に就職活動を行っていくことにしたようです。
引き分けと思い込もうとしていた結果はどう見ても「勝ち負け業務」で、「折り合いをつけるまでは」ひとつひとつこなしていくしかないでしょう。
「生き急いでもしょうがないね」と焦る気持ちに区切りをつけたことが伝わってきます。
心配から口うるさく言う人もいますが、そんな人たちに向けて足掻いていた自分のことを「最後笑っていいから」今は黙って見守ってほしいと語っているようです。
自分に合う仕事が必ずあると信じて動き出す様子に前向きな気持ちが伺えます。
どんなに願っても自分自身をリセットすることはできません。
だからこそ自分と向き合って、今ある価値を引き上げてくれる仕事を見つけたいですね。
「猫リセット」は就職活動の応援ソング
ずっと真夜中でいいのに。の『猫リセット』は、就活生や転職を考えている人たちへの応援ソングと言えます。望み通りの仕事が見つからなかったり、企業側から選ばれない結果が続いたりすると、焦りや不安で自分に価値がないとまで考えてしまうことがあるでしょう。
それでも諦めず、自分で自分を信じることをやめないでいればきっと道は開けます。
そんな共感と期待が詰まった楽曲が頑張る背中を押してくれますよ。
ずっと真夜中でいいのに。は作詞・作曲・ボーカルのACAねによる、特定の形をもたない音楽バンド。 YouTubeチャンネル登録数175万人を超え、YouTubeの総再生回数は4.2億回、初投稿楽曲「秒針を噛む」は現在9,500万回再生を突破。 1st mini ALBUM『正しい偽りからの起床』は第11回CDショップ大···