魅力はキャッチなメロディと独自の世界観
キャッチーなメロディーと独特な世界観で、今世間を魅了しているUNISON SQUARE GARDEN。2015年にはバンドが結成した日に10周年記念ライブが行われた。
その記念すべきライブの1曲目として歌われたのが、『誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと』という歌。この歌には隠された秘密がある。
明るくハイテンポなメロディーが特徴的なナンバーで、出だしは、「愛してる、それだけ…」と、この曲のテーマとなるメロディーと歌詞がつけられています。
しかし、その部分のリリックがなぜか歌詞カードに書いていない。
歌詞が明記されないその理由
何故、しっかりと歌があるのに歌詞カードに明記されていないのか……?その理由は、この歌の後半の歌詞の中に隠れている。
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大事なことは 最初からある
血液みたいに体を流れて知ってるはずさ
きっと誰かは忘れちゃってるかもしれないな
星座レベルで語り継がれた フロンティアーの真実
君にもきっとすぐわかる だから聞いて
≪誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと 歌詞より抜粋≫
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「大事な事は、誰かが忘れているかもしれないけれど、最初からある……」
これが、もしかしたら『誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと』の歌詞がない理由なのかもしれない。冒頭の部分の歌詞が、作詞と作曲を行っている田淵智也さんがこの曲で最も伝えたかったことなのではなかろうか。
細部に秘められた工夫
他にも、例えばこんな歌詞がある。
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人間に底はない 牛乳瓶にはあるのに
昨日飲み干しても そうしても どうしても まだお釣りが来る
人間に底はない 預金通帳にはあるのに
全部吐き出しても そうしても どうしても まだ引き出せる
≪誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと 歌詞より抜粋≫
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一番と二番のリリックでは、それぞれ「底がない人間」と「底がある牛乳瓶」「底がある預金通帳」を比較している。ずっしりとして、少し考えさせられるような内容の歌詞。それが軽快な音楽にのせられ、さらに韻が踏まれている。
この曲の二番の「焦るなよ だって明後日があっても まだあるだろ明後日」という箇所も韻が踏まれているところの一つだ。
言葉の重さと面白さが絶妙に混ぜ合わされているのも、この曲に潜む細工であり、そして、この曲の最大の魅力でもあるのだ。
このように歌詞の隅から隅まで様々な細工が施されていた、この『誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと』。もしかしたら、他の曲の歌詞にも色んな魔法がかけられているかも…?
TEXT 瀬月凜香
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