歌詞に込められた意味とは?
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鉄の弾が 正義の証明
貫けば 英雄に近づいた
その目を閉じて 触れてみれば
同じ形 同じ体温の悪魔
≪悪魔の子 歌詞より抜粋≫
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戦争や戦いを思わせる歌詞からはじまる『悪魔の子』。
シンガーソングライターであるヒグチアイが、アニメ 『進撃の巨人』のエンディングテーマとして書き下ろした楽曲です。
どのようなストーリーが歌われているのか、続く歌詞を見てみましょう。
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僕はダメで あいつはいいの?
そこに壁があっただけなのに
生まれてしまった 運命嘆くな
僕らはみんな 自由なんだから
鳥のように 羽があれば
どこへだって行けるけど
帰る場所が なければ
きっとどこへも行けない
ただただ生きるのは嫌だ
≪悪魔の子 歌詞より抜粋≫
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注目すべきは「生まれてしまった」という歌詞。
同曲の主人公は自由を感じているようでいて、実は「生かされている」という窮屈感を感じていることがわかります。
そして、その状況には納得しておらず、自らの意思で生きたいと思っているようです。
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世界は残酷だ それでも君を愛すよ
なにを犠牲にしても それでも君を守るよ
間違いだとしても 疑ったりしない
正しさとは 自分のこと 強く信じることだ
≪悪魔の子 歌詞より抜粋≫
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先ほどの歌詞では「帰る場所がなければどこにも行けない」と歌われていました。
つまり、帰る場所がない人に自由はないということ。
もしかすると主人公は「君」を守ることで、自らの「帰る場所」を切り開こうとしているのかもしれませんね。
主人公が抱く葛藤とは?
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鉄の雨が 降り散る情景
テレビの中 映画に見えたんだ
戦争なんて 愚かな凶暴
関係ない 知らない国の話
≪悪魔の子 歌詞より抜粋≫
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続いて歌われているのは、自分に関係のない争いは人ごとだと思う気持ち。
心の中で「戦争なんて残酷なことだ」「自分には関係ない」と思う一方で、主人公は自分の中にも誰かを憎んだり恨んだりする黒い気持ちがあることに気づきます。
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それならなんで あいつ憎んで
黒い気持ち 隠しきれない理由
説明だって できやしないんだ
僕らはなんて 矛盾ばっかなんだ
≪悪魔の子 歌詞より抜粋≫
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他人のことは客観的に見ることができますが、自分のこととなるとどうしても主観的になり見失ってしまうもの。
誰かが誰かを傷つけることは悪だと判断できても、自分が誰かを傷つけることに対しては悪だと判断できないことがあるでしょう。
その理由が誰かを守るためであれば、なおさらわからなくなってしまうもの。
もしかすると主人公は「君」を守るために誰かを傷つけてしまい、そんな自分の行動に矛盾や葛藤を感じているのかもしれません。
タイトルは何を意味している?
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この言葉も 訳されれば
本当の意味は伝わらない
信じるのは その目を開いて
触れた世界だけ
ただただ生きるのは嫌だ
≪悪魔の子 歌詞より抜粋≫
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誰かを守るための戦いに葛藤を感じていた主人公でしたが、この歌詞からは自分を信じることを決めたことがわかります。
しかし、そんな自分のことを決して許してはいない様子。
それが最後のサビの歌詞に表れています。
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世界は残酷だ それでも君を愛すよ
なにを犠牲にしても それでも君を守るよ
選んだ人の影 捨てたものの屍
気づいたんだ 自分の中 育つのは悪魔の子
正義の裏 犠牲の中 心には悪魔の子
≪悪魔の子 歌詞より抜粋≫
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誰かを守るための正義は、また別の誰かにとっては悪。
それでも自分の中の正しさを貫くことを決めた主人公は、自らを「悪魔の子」とすることで戒めの心を持とうとしているのではないでしょうか。
自分自身の考察を楽しんでみて!
『悪魔の子』というセンセーショナルなタイトルがとても印象的な楽曲ですが、どうやら深い意味が込められていたようです。といっても、この解釈が正解ではありません。
楽曲のメロディ、アニメのストーリーなど様々なものを踏まえてぜひご自身でも考察を楽しんでみてくださいね。
考察することで『悪魔の子』もアニメ 『進撃の巨人』も、より一層楽しめるかもしれませんよ。