注目ボカロP・才歌の新曲を徹底解釈
今ボカロファン大注目の新生ボカロP・才歌の6作目となる楽曲『ちょっとあざとい』が、2021年7月8日に配信リリースされました。
タイトルや才歌自身が制作したMV動画のイラストから、強気でずるいちょっとあざとい女の子が主人公であることが分かります。
リズミカルな音楽に乗せた、可不の愛らしい歌声とマッチする歌詞の意味を考察していきましょう。
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ちょっとあざといの見逃して
隠しきれないの
Make up Make up
きっと言えないねまた明日
曲がったご機嫌の
I need you
≪ちょっとあざとい 歌詞より抜粋≫
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主人公はメイクで素顔を隠すように本音を繕いますが、隠しきれないあざとさがにじみ出ているようです。
本当は「また明日」と声をかけたいのに言えないのは、まだ相手を好きな気持ちに正直になれないからなのでしょう。
そんな自分に機嫌を損ねながらも彼への恋心は止められません。
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いい子したいの
ずっといたいの
曖昧な反応も平気なの
ドキッと死なせて
≪ちょっとあざとい 歌詞より抜粋≫
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彼の前では「いい子」でいたいし、彼の隣に「ずっといたい」と願っています。
とはいえ「曖昧な反応」を返されても平気と言いながら、MVでは女の子が暗く演出されているのが印象的です。
そのことを踏まえると「ずっといたいの」という一言も、彼に近づきたいのに近づけないから心が「ずっと痛い」ことを表現しているとも解釈できそうです。
「ドキッと死なせて」のフレーズは「キュン死に」と似たような意味の言葉と考えられます。
もっと夢中にさせてほしい気持ちを言い表しているのでしょう。
大キライよ こっち向いて
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あのね大キライよこっち向いて
ため息が出るのはおかげさま
なんて妄想あえて純情
駆け引きもじれったいわ
期待しちゃうのもう一回
ダメだって
わかんないよ
イヤイヤだね
誤解しちゃえばいいんじゃない?
狙う視線は
ちょっとあざとい
≪ちょっとあざとい 歌詞より抜粋≫
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サビでは「大キライよ こっち向いて」と矛盾した言葉が続いています。
口で「大キライよ」と言う彼女の心の中は彼に「こっち向いて」と呼びかけているようです。
あえて強い言葉で彼の意識を引きつけたいのでしょう。
それでも意地っ張りな自分が顔を出してうまく進まない恋に「ため息が出るのはおかげさま」。
「駆け引きもじれったいわ」と、彼の言動一つ一つに思わず妄想して「期待しちゃう」ピュアな一面も垣間見えます。
女性のあざとい仕草に勘違いしてしまう男性が多いように、彼にも「勘違いしちゃえばいいんじゃない?」と自分に振り向かせようと狙っている様子が見えてきます。
あざとい私に見惚れちゃえばいいんじゃない
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問題の恋愛脳
気の迷い好奇心
堕落の罪はおとがめ
永遠の倦怠脳
今更の羞恥心
涙飾れば愛のQ.E.D OK?
≪ちょっとあざとい 歌詞より抜粋≫
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「恋愛脳」を抱えた彼女は「気の迷い好奇心」のまま行動しているのでしょう。
「堕落の罪」という表現は恋に落ちたことを示していると思われます。
そのために「おとがめ」を受けているということは、彼は周囲からも人気の人物なのかもしれませんね。
恋に落ちてからは彼をどうすれば振り向かせられるかばかり考えていて、疲れている雰囲気も感じさせます。
「羞恥心」なんて今更持っても仕方ないから、女の武器とも言える涙も効果的に流してみせます。
「Q.E.D」とは「証明完了」を意味する言葉。
「これで私の気持ちは伝わったでしょう?」と問いかけているかのようです。
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答え合わせもう一回
ダメだって
自信ないよ
クラクラだね
見惚れちゃえばいいんじゃない
狙う視線は
ちょっとあざとい
≪ちょっとあざとい 歌詞より抜粋≫
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最後のサビのこの部分は、彼が思う私の気持ちを「答え合わせ」しようと促しているところと想定できます。
自分のあざとい仕草と視線に、彼の方もこの想いに気づいてくれているはずです。
相手に「クラクラ」なのは彼女なのか、彼なのか。
追い打ちをかけるように私に「見惚れちゃえばいいんじゃない」と誘う、強気だけれど一途に彼を想う主人公のかわいさが伝わってきます。
才歌のセンスあふれるボカロ曲をチェック!
才歌feat.可不の『ちょっとあざとい』は、あざとい女の子の心の内を覗き見るような歌詞とノリの良いメロディに惹きつけられる中毒性の高いボカロ曲です。言葉選びや可不の調教の仕方のセンスが評価され、YouTubeでは80万回再生を突破しています。
楽曲制作から動画編集までセルフプロデュースで行う才歌の生み出すボカロ曲に今後も注目しましょう!