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「春嵐」はボカロPの曲?johnが綴るハイセンスな歌詞の意味を考察

ミリオン連発の大注目ボカロP・johnの人気曲『春嵐』は、リスナーに対するある思いが綴られた楽曲のようです。アーティストとしての苦悩が胸に刺さる印象的な歌詞の意味を紐解きます。

johnの人気ボカロ曲はリスナーへのメッセージ

▲春嵐 / 初音ミク

2019年にボカロPデビューしてから、ハイセンスな言葉選びと初音ミクの独特な調教で次々とミリオンを叩き出してきたjohn。

なかでも2019年12月7日リリースの『春嵐(読み方:しゅんらん)』は、YouTubeで500万回再生を遥かに超える人気曲です。

軽快でキャッチーなサウンドとは対照的に、歌詞からはネガティブなイメージが伝わってきます。

この記事ではアーティストやボカロPとしての複雑な気持ちを綴っていると解釈して考察していきたいと思います。

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虚像に塗れた私 まるで神様みたいね
本当の気持ちとか知ったかぶりで
気味が悪いの妖共め
何かを掴んだとて それで幻想 壊して
想いを冷ますとか愚の骨頂ね
≪春嵐 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞は主人公がリリースした楽曲がヒットし、ファンから「神」と評価されていることを示していると思われます。

この曲では「私」と「僕」という一人称が出てきますが、「私」は歌唱している初音ミク「僕」がjohn自身を投影したアーティストなのではないかと考えます。

制作者とボーカルという意味で、どちらも主人公と言えるでしょう。

主人公は高い評価を受ける一方で、リスナーの自己解釈で音楽に込めた「本当の気持ち」を決めつけられる辛さを抱えていると思われます。

後半の歌詞からは、ある曲を聴いて勝手に幻想を抱いて集まってきたのに、別の曲でまた勝手に幻滅して離れていくリスナーへの落胆が表現されているように感じます。

「愚の骨頂」「ただの雑魚」という強い表現を使っていることに、思いの強さが表れていますね。

気持ちが届かない人とはサヨナラ



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冷静 装う僕が 言葉を口にするのは
簡単に虎視眈々と怒っているから

春の嵐呼んだ 僕は泣いた 心傷つけられた
そんなの思い上がりでしょ?
どうせそうよね 分かっているけど
吐いた息もきっと 煙たくて 目障りに映るでしょ
愛されたいと願うのは
罪というのね 甘い香りで
揺れる炭酸 飲み干したら サヨナラしましょ
≪春嵐 歌詞より抜粋≫
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リスナーの反応に戸惑いながらも「冷静装う僕」は、怒りをぶつけるタイミングを窺いながら発言しているようです。

「春の嵐」とは言葉の通り、春先に起きる強い風のこと。

johnがボカロPデビューしたのが4月であることを考えると、ボカロ曲を通して音楽界に旋風を巻き起こした様子が表現されているように思えます。

ボカロPとしてボカロ曲を作り世に送り出すということは、感情を吐き出すための1つの方法だったのかもしれません。

しかし、人気は掴んでも、その結果はあまり良いものではなかったのでしょう。

「僕は泣いた 心傷つけられた」と言いながら「そんなの思い上がりでしょ?」と続くのは、自分がどんなに辛い思いをしていても、その気持ちはリスナーには届かないことを示していると考察しました。

正直な気持ちを言葉にしただけでは煙たがられることも分かっています。

ただ純粋に自分の音楽を「愛されたい」というのが本音です。

この楽曲で最も印象的な「揺れる炭酸(サイダー)」というサビのフレーズは、切なさの象徴なのではないでしょうか。

甘く爽やかでありながら儚く弾けていくサイダーを飲むことは、一瞬の痛みを伴います。

その軽い痛みに後押しされて、理解してくれないなら「サヨナラしましょ」と決別することを決めたようです。

どうか君には届いて欲しい



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思想が乾いた私 何処が神様なんでしょう
とっくに怒りとか無くなっても
演じているとも つゆ知らずにね
それでもこの物語 終わりにせずにいるのは
変わらず耳を傾けている君に
届いて欲しいと願っているの

停戦を誓った僕の 人格は剥がれ落ちた
落胆を受け入れる覚悟を 持っているから
≪春嵐 歌詞より抜粋≫
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神様になったように思えていた「私」は「思想が乾いた」状態にあります。

自己解釈を押しつけられて、自分が何を伝えたいのか分からなくなり、スランプに陥ったと考えられます。

そんな自分の「何処が神様なんでしょう」と自嘲しているのが切ないですね。

しかし、本当は当初抱いていた怒りはとっくに消えていますが、まだ怒りを抱いているふりをしているようです。

なぜなら「変わらず耳を傾けている君」にわずかでも自分の本当の気持ちが「届いて欲しいと願っている」から。

もしかしたら、その怒りさえも音楽制作の原動力になっているのかもしれません。

主人公は「落胆される覚悟」を決め、音楽を作り続けます。

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わざと君を呼んだ 僕は死んだ 心朽ち果てられた
そんなの思い上がりでしょ?
どうせそうよね 分かっているけど
馬鹿と君に言った 煙たがった 君を見て目覚めたの
愛されたいと願うのは
罪というのね 甘い香りで
揺れる炭酸 飲み干したら サヨナラしましょ
サヨナラして 焦がれたなら また笑いましょう
≪春嵐 歌詞より抜粋≫
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さらにこの苦しみさえ思い上がりだと見なされてしまうのだと思うと、余計につらい気持ちが伝わってくるでしょう。

煙たがる「君」を見て「愛されたいと願うのは罪」だと改めて感じてしまいます。

心の隅で信じていた存在とも決別する時が来たようです。

それでも最後の「サヨナラして焦がれたならまた笑いましょう」という言葉に、人への拭えない期待感が込められているのではないでしょうか。

音楽に込められた意味を自由に解釈できるのは私達リスナーの特権ですが、自分が見ている一面が全てだと考え、作り手にイメージを押しつけるべきではないということを学べます。

『春嵐』で音楽の楽しみ方が変わるかも


johnの『春嵐』は、ボカロPの目線からこのネット社会で自分の気持ちを表現し理解されることの難しさを描いている曲なのでしょう。

MVの動画で苦悩する主人公らしき人物が青い薔薇の花に胸を刺されたり、スマホを眺める人たちが描かれていたりするのも、そのことを示しているように感じます。

『春嵐』も自身の解釈の型にはめず、純粋に音楽として楽しんでいきたいですね。

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