「THE FIRST TAKE」コラボレーションシリーズ第二弾
アーティストが一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」。
600万人以上のチャンネル登録者数を有し、1億回再生を超える北村匠海の『猫』やLiSAの『紅蓮華』、YOASOBI『夜に駆ける』をはじめ、話題の動画を数多く配信してきました。
その中で豪華アーティストの共演が楽しめる“「THE FIRST TAKE」コラボレーション“シリーズ”も注目を集めています。
第一弾のLiSA×Uru『再会 (produced by Ayase)』に続き、昨年公開された第二弾では、女性アーティスト3名が集結しました。
参加したのは、ハスキーかつ重厚感のある独特な歌声でいま最も勢いに乗るmilet、ハスキーさと甘さのある歌声を持ち味にデビュー10周年を迎えたAimer、YOASOBIのボーカル・ikuraとしても活動し繊細な歌声で魅了する幾田りらの3名。
そして楽曲のプロデュースには、作詞作曲から映像までセルフプロデュースで行うマルチアーティスト・Vaundyが担当しています。
制作された楽曲「おもかげ (produced by Vaundy)」は、Vaundyらしいグルーヴ感が心地良いポップサウンドと、歌唱力抜群な女性陣の個性的な歌声が調和して織り成すハーモニーが心に響くでしょう。
ソニー完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」のCMソングにも起用され「THE FIRST TAKE」で公開された動画はすでに2400万回再生を突破。
メロディや歌声と合わせて高評価を受けている歌詞に注目します。
悲しみばかりが目立つ現実
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もう
何も見えないふりをしていた
悲しみが見えすぎたから
影も僕を見ていた
「君のことはわかるから」
≪おもかげ 歌詞より抜粋≫
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主人公は厳しい現実の中で「悲しみが見えすぎた」ために、「何も見えないふりをして」耐えようとしています。
世の中には多くの悲しみが転がっていて、誰もがそれにつまづきながら人生を必死で歩んでいることでしょう。
しかし、主人公が目を伏せる一方で「影」は彼のことを見ています。
「君のことはわかるから」と、主人公のつらい境遇や感情に理解を示していることが分かりますね。
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失くしたことで
流れ着いた
なによりも、ほんとのこと
≪おもかげ 歌詞より抜粋≫
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人は「失くしたことで」やっと、その大切さに気づくのです。
そうして気づいた大切なものは心に深く刻まれ、二度と失わないように動かされるのではないでしょうか。
この歌詞から、人々が失ってしまったからこそ見えてきた「なによりも、ほんとのこと」を大切にしていこうというメッセージが感じられます。
誰もが唯一無二の弱者だ
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夜になって思い出した
「呪い背負った僕たちは今」
なんて悲しみが積った時も
朝になって思い返した
希望纏った僕たちは今
唯一無二の弱者
強気でいいじゃん
≪おもかげ 歌詞より抜粋≫
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夜になると、なぜだか暗い気持ちになってしまう人は少なくないでしょう。
主人公もその一人で「呪い背負った僕たちは今」と、世の中の重苦しい雰囲気に呑まれて悲しんでいるようです。
しかし、朝になって同じ問題を思い返すと見方が変わります。
自分たちは現実に悲しんでいても未来への希望も持っていて、弱いけれどそれぞれが唯一無二の存在だからきっと乗り越えていける。
「強気でいいじゃん」と前向きな気持ちでいるように促しています。
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忘れることで
流れ着いた
なによりもほんとに大切なこと
離れるたびに
流れ着いた
なによりもほんとのことに
≪おもかげ 歌詞より抜粋≫
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主人公は見ないようにすることで、耐えてきた悲しみの存在を一度忘れ、背負ってきた呪いのような苦しみと決別したのでしょう。
そうして、強く生きていくために「なによりもほんとに大切なこと」の正体にたどり着きます。
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陽を浴びて咲き出すような
花のように
鼓動で
踊るように
もう体に任せて
≪おもかげ 歌詞より抜粋≫
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花は太陽を浴びて、季節が来れば自然と咲くものです。
人も楽しい音楽を聴いて明るい気分でいる時には、まるで「鼓動で踊るように」自然と体が動きます。
そんな風に、やっと見つけた大切なものに体を預けて思うまま生きればいいと語りかけてくれているように思えます。
見えない愛こそ大切なもの
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僕らは
こうして
どこにも
見せない愛で満たしてる
本当
僕らは
いつの日も
見えない愛で満たしてる
本当
Feel like leaving it to the flow
≪おもかげ 歌詞より抜粋≫
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サビの歌詞には、彼が見つけた大切なものの正体が「愛」であると綴られています。
しかし「見せない愛」「見えない愛」と表現されているのはなぜなのでしょうか?
人は大抵、分かりやすく示される愛を求めがちです。
その方が一目見て愛されていることを実感でき、安心できるからでしょう。
とはいえ、周りを見渡せば何気なく示されている愛がたくさんあることに気づくはず。
おもかげが目の前にないものを心の中に描いたものであるように、目に見えないからといって何もないわけではありません。
あえて「見せない」だけで、日々たくさんの愛を受け取っているのです。
悲しみにあふれた世の中で前を向いて生きるために本当に大切なのは、きっとそんなさりげなく示し合う愛なのでしょう。
そして、自分もその愛で世界を満たす一人なのだと、ポジティブな気持ちでいることが伝わってきます。
冒頭から繰り返される「Feel like leaving it to the flow(流れに任せたい)」のフレーズも、誰かからもらった愛を自分も誰かに分けていきたいという、自然な気持ちの表れのように感じられますね。
奇跡のコラボレーションを楽しもう
milet×Aimer×幾田りらの「おもかげ (produced by Vaundy)」は重いテーマを扱いながらも、聴けば聴くほど元気が出てくる愛に満ちた楽曲です。Vaundyはこの共演から「また一緒にいろんな楽曲をやってみたい」と語っていて、また別の形でこの素敵なコラボが見られる日が来るかもしれません。
音楽ファンを惹き付けてやまない「THE FIRST TAKE」から、次はどんな名曲が生まれるのかも楽しみですね。
■miletプロフィール milet(ミレイ)・シンガーソングライター・東京出身 思春期をカナダで過ごし、グローバルな存在感を放つソングライティングとハスキーかつ重厚感のある独特の唄声を兼ね揃えた女性シンガーソングライター。 2018年より本格的に音楽活動をスタートさせ、同年10月には、パ···