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King Gnu「カメレオン」歌詞の意味は?ドラマのストーリーと絡めて考察

King Gnu『カメレオン』は、フジテレビの月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』の主題歌です。自由自在に色を変えるカメレオンというタイトルに込められた意味を、ドラマに寄り添った歌詞から考察していきます。

『ミステリと言う勿れ』を作り上げるエッセンス『カメレオン』

『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌を担当していることでも知られる、人気バンド・King Gnu(キングヌー)

ギターボーカルを務め、作詞作曲も手がけている常田大希の独特な声に魅了されるファンも多いことでしょう。

そんなKing Gnuの新曲『カメレオン』が、2022年3月16日にCDリリースされました。

▲King Gnu-カメレオン【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

この楽曲はドラマ『ミステリと言う勿れ』の主題歌に起用され、ドラマの世界観と見事にマッチした歌詞や曲調が話題になっています。

『ミステリと言う勿れ』は、田村由美原作のミステリー漫画。

主人公の大学生・久能整(くのうととのう)が、独自の観察眼と思考を頼りに謎を解き、真実を解き明かしていく物語。

いわゆる探偵ものですが、主人公は積極的に捜査に加わったり、口を出したりはしません。

疑問に思ったことについて考えたり、口に出したりした結果が事件解決につながるという、一風変わった描き方が魅力的です。

主演は菅田将暉

主人公・久能整のトレードマークであるアフロヘアで撮影に挑みました。

当初はビジュアルやイメージが原作と違うといわれていたものの、圧倒的な演技力で原作ファンも唸らせるほど。

そして、『ミステリと言う勿れ』といえば、エンディングの入るタイミングが独特であることも話題になっています。

通常、主題歌が流れたらそのまま本編が終わり、次回予告へ続きますが、『ミステリと言う勿れ』の場合には、主題歌がBGMのような働きを担っているようです。

主題歌が流れた後も本編がしばらく続き、突然画面が閉じられ、次回予告へ続く、といった演出。

ドラマの背景に溶け込むように流れ出す主題歌は、まさにカメレオンのようですね。

周りの環境に合わせて色を変えるカメレオンの名をつけられたこの楽曲。

タイトルに込められた意味は一体何なのでしょうか。

ドラマとリンクする歌詞の内容にも注目しながら解釈を進めていきます。

カメレオンのようにあいまいな存在感を示す我路とライカ


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突き止めたい
叶わない
君の正体は
迷宮入りの
難解なミステリー
≪カメレオン 歌詞より抜粋≫
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カメレオンは擬態する生き物です。

1度色を変えてしまえば、風景の一部に溶け込み、探すことは困難です。

カメレオンが歌詞に度々登場するのは、自分が置かれた環境に合わせて擬態する生態のせいでしょう。

King Gnuの『カメレオン』でもやはり、正体不明のミステリアスな存在として描かれています。

そこにいるのに、いない。

見えているのに、掴めない。

そんな不思議な存在感から連想されるのはやはり、ドラマに登場する犬堂我路(永山瑛太)ではないでしょうか。

偶然出会った久能と犬堂は、なぜか互いに惹かれ合い、その存在を意識し合うことになります。

我路と友達になりたかった久能を置いて、彼は一線を越えて追われる身となり、久能の前から姿を消します。

それでも、気配だけは消えることなく漂い続けるのが我路という人物。

もういないのに、存在感だけは残していくからこそ、つい探し求めたくなるのです。

歌い出しのサビに登場する「君の正体は迷宮入りの難解なミステリー」というフレーズは、久能が我路に対して抱いている感情そのものではないでしょうか。

「突き止めたい」と願っても簡単には「叶わない」からこそ、好奇心旺盛な久能はより一層刺激され、物語の先へ先へと歩を進めてしまうのでしょう。

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心変わり色変わり
軽やかに姿を変えたのは
悲しいほどの夕暮れ
僕の知らない君は誰?
≪カメレオン 歌詞より抜粋≫
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突然思ってもみなかった出来事が起きるのが、人生というものです。

心を通わせられると思っていた人に裏切られたり、そばにいてくれると信じていた人がいなくなってしまったり。

我路が一線を越えたことは、久能にとって一種の裏切りといえます。

「僕の知らない君は誰」とは、突然姿を消してしまった我路への思いそのものだったのかもしれません。

また、久能の前にはもう一人謎めいた人物が現れます。

それは、入院した病院で出会ったライカという女性。

彼女は『自省録』(マルクス・アウレリウス著)を使って会話をしたり、夜中の3時に会う約束をしたりと、かなり変わった人物です。

ライカは二重人格者です。

それゆえ、昼間に会うライカは、ライカではない瞬間があります。

初めてライカではない状態を見た時、久能にとって彼女はまさしく「僕の知らない君」であったことでしょう。

我路もライカも、友達の少ない久能にとって特別な存在。

それなのに、2人とも久能の前から離れていってしまいます。

「君」を待ち続ける「僕」の健気さ


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急行列車が通り過ぎた
寂れた駅のホームには隙間風が吹き抜けた
君の姿はどこにも見当たらなくて
≪カメレオン 歌詞より抜粋≫
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まるで一時の幻のように、目の前に現れては消えていく人。

我路もライカも、久能の心に存在感だけを残して、いずれは姿を消してしまうのでしょう。

取り残された人間にとっては、こんなに罪なことはありません。

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時を経て通話画面に映った君は
もう僕の知らない君でした
幸せそうに笑うから
つられて僕も笑ってしまった
≪カメレオン 歌詞より抜粋≫
----------------

ライカは二重人格なので、いずれ治療が成功すれば消えてしまうかもしれない人格です。

久能にとっての大切な人は、みんないなくなってしまう。

それは彼自身が実感していることです。

「僕の知らない君」を前にして、悲しくないはずはありませんが、幸せに過ごしているならと笑って受け止められる「僕」は、心から「君」を想っているのでしょう。

我路が一線を越えた時も、ライカがいなくなることを知った時も、久能はそれを悲しいと感じつつも静かに受け入れてきました。

きっとこの先、2人との別れが来ても、久能は黙って受け入れるのでしょう。

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何度でも
何度でも
塗りつぶして
汚れた悲しみの
上から白い絵の具で
≪カメレオン 歌詞より抜粋≫
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まるでキャンバスを汚すように、人の心は浮き沈みを繰り返し、悲しみに暗い色を落とし、幸せには明るい色を塗り重ねるのでしょう。

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全てを台無しにして
放り出してしまった夜さえ
キャンバスは色付くから
涙滲んでにわか雨
≪カメレオン 歌詞より抜粋≫
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自分の身に降りかかる災厄に怯え、震えた夜も、流した涙も、キャンバスに落とせば色が付きます。

暗い色も明るい色も、すべてひっくるめてその人の人生です。

だから、1度の失敗で投げ出さないで、何度でもやり直せばいいじゃない。

そんなメッセージ性を感じます。

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記憶の中の君と
今の君はどちらも真実で
鮮やかに色めく君は
もう僕の知らない色

何度でも
何度でも
塗りつぶして
今の君にお似合いの
何色でも構わないの
≪カメレオン 歌詞より抜粋≫
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記憶の中に生き続ける「君」と、今目の前にいる「君」が違っていても、どちらも間違いなく大切な「君」です。

人は変わってしまうものですが、それすらも受け入れて、ただ幸せであれと願う。

「僕」の愛情はどこまでも深いのだと思い知らされます。

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伝えたいこの想い
それすら叶わないけど
口にすれば単純な強がり
隣に僕が居なくても
≪カメレオン 歌詞より抜粋≫
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本当は、大切な人の隣で人生を共に歩みたい。

けれど、そんなささやかな願いさえ、必ず叶えられるという保証はありません。

ならばせめて、隣にいられなくても幸せを願おう。叶わないとしても、この想いだけは伝えよう。”

誰かを好きになればなるほど、心は欲張りになりがちです。

ただ一言、話すだけでいいと思っていたのに、振り向いて欲しいと願い、自分だけを見ていて欲しいと望んでしまうこともあるでしょう。

そんな中でも「僕」は、自分の思いの丈をぶつけて、そっと別れを告げる決心をしたのです。

カメレオンのように自在に色を変える愛


カメレオン』は、歌詞の端々に「君」への愛の深さを滲ませた楽曲です。

そんな愛情とは裏腹に、「僕」の態度はいつだって控えめ。

もう自分の知っている「君」がいなくなっていても、幸せそうな姿を見て満足する姿は、ひたすらに千夜子の幸せを願ったライカと重なります。

また、ライカとの別れが辛くとも、ライカの望みが叶うならと受け入れる、久能の心意気にも似ていますね。

相手を心から想うからこそ、捕まえておくのではなく、そっと見送る。

ただ受け入れるという選択をした2人の間にはきっと、心の奥底から分かり合える、特別な絆が芽生えていたことでしょう。

愛とは決まった形も色もなく、相手に合わせて、状況に合わせて、何色にでも染まることができるものです。

相手を想ってさえいれば、愛の形も色も人それぞれなのだと、そう言われているような気持ちになります。

『カメレオン』はどこまでも健気な愛を歌った楽曲なのかもしれません。

人として越えてはいけない一線を越え、姿を消した我路を、子供のように純粋な気持ちで待ち続ける久能。

友達とも恋人とも相棒ともつかない。特殊な絆で結ばれたライカを見送った久能。

『カメレオン』を聴いていると、人を思う尊さが身にしみます。

そんな純粋な愛の詰まったMVが公開されているので、ぜひ映像でも楽しんでみてはいかがでしょうか。

人形劇のような独特の世界観の中、愛する人との落差に愕然としたり、理想の自分を求めて血迷ったりと、人間の複雑な感情が見事に表現されています。

東京藝術大学出身で独自の活動を展開するクリエイター常田大希が2015年にSrv.Vinciという名前で活動を開始。 その後、メンバーチェンジを経て、常田大希(Guitar/Vocal)、勢喜遊(Drums/Sampler)、新井和輝(Bass.)、井口理(Vocal/Keyboard)の4名体制へ。 SXSW2017、Japan Nite US Tour ···

この特集へのレビュー

女性

シャヲ

2022/04/24 14:40

カメレオンの動物以外の本来の意味は、「自分都合で自分の意見を変える人」という意味らしいです。その、本来の意味がこの歌にも入ってるんのかなあ?

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