鈴木鈴木「春空」は「卒業・出逢い・別れ」がテーマ
TikTokなどのSNSを中心に話題のアーティスト・鈴木鈴木が、2022年2月28日に新曲『春空』を配信リリースしました。
リリース時の鈴木鈴木のコメントによると、『春空』の楽曲のテーマは「卒業・出逢い・別れ」とのこと。
2人の優しいハーモニーが響くバラードに仕上がっており、YouTubeのMVコメント欄には「切ない」「泣ける」との声も多数寄せられています。
出会いと別れの季節にぴったりな楽曲、『春空』の歌詞の意味を考察していきましょう。
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チャイムが聴こえてる
誰かが泣いている oh
見えなかった今日を越えれば
また会える?
≪春空 歌詞より抜粋≫
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チャイムの音や誰かが泣いている様子から、卒業式当日の景色が目に浮かぶようです。
「見えなかった今日」とは「学生生活が終わる日」を表しており、学生生活が永遠に続くように感じていたことを示しているのではないでしょうか。
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くしゃくしゃのノートに
書いた夢 僕らは追いかける
忘れたくないから
思い出を歌にしよう
≪春空 歌詞より抜粋≫
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「くしゃくしゃのノート」は、何回も文字を書いては消したことを想像させます。
主人公は何度も迷った末に、今抱いている夢を追いかけると決めたのでしょう。
「卒業」は今の環境から離れると同時に、新しい道へ進むための1歩でもあります。
新生活への期待と不安が入り交じった、主人公の心情が伝わってくるようですね。
歌詞には主人公の寂しさと決意が込められている?
鈴木鈴木のコメントによれば、『春空』の主人公は卒業を機に地元を離れ、東京で新生活を始めるシチュエーションなのだそう。
地元に残る友人と遠く離れてしまうことが分かると、主人公の別れを惜しむ心情がより伝わってくるのではないでしょうか。
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春空
泣いて笑って怒った日々
振られて励まし合った夜
ずっと 嗚呼、ずっと忘れない
"いつか"なんてまだ言わないよ
すぐ会えるから
僕らの出会いにハグを
ありがとう "またね"
≪春空 歌詞より抜粋≫
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サビの「泣いて笑って怒った日々」「振られて励まし合った夜」からは、主人公が学生生活を振り返っていることが想像できます。
そんな学生生活を共に過ごした「君」へ、「僕」は感謝の気持ちを伝えているのでしょう。
「“いつか”なんてまだ言わないよ」、「さようなら」ではなく「またね」の言葉からは、卒業しても繋がっていたいという気持ちが感じられます。
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秒刻みの日常で君と僕は
エンドロールの無い
ドラマを一つ作り始めた
≪春空 歌詞より抜粋≫
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「エンドロール」は物語のラストに流れるもの。
「エンドロールの無いドラマ」の歌詞からも、主人公が「君と過ごす日々がずっと続いてほしい」と願っていると解釈できそうです。
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初めてをくれたね
喜びをくれたね
あの夜馬鹿したね
別れをくれたね
褪せたブレーザー 短くなったズボン
全部全部 大事な宝物
≪春空 歌詞より抜粋≫
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歌詞中の「ブレーザー」は、NIKEから発売されている人気のスニーカー。
鈴木鈴木の『海のリビング』でも「お気にのAir Force」の歌詞がありましたが、今回も固有名詞が登場することで、聴き手が自分自身と重ねやすくなっているように思います。
靴は毎日履いていれば色褪せてしまうし、入学時の背丈に合わせて作ったズボンは卒業時には短くなってしまうでしょう。
それだけ長い月日が経過したことが伝わってくる歌詞ですね。
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真っさらなこの身体に散った色で
現在の自分が生まれた
≪春空 歌詞より抜粋≫
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「散った色」とは、学生生活での思い出や経験を表しているのかもしれません。
過去を振り返ってみれば楽しいことばかりではなく、辛いことも1度や2度はあったでしょう。
そんな苦しい経験を乗り越えてこそ、人は強くなっていくもの。
「現在の自分が生まれた」の歌詞は「夢に向かって前に進む」という主人公の意志を表現しているようにも思えます。
「1人でも怖くないから」と告げた主人公の心情は?
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声が響いた廊下も
あの子のことを話した教室も
大人になったその時に
輝きますように
青い空生きた僕らの証
大切な形
ずっとずっと 忘れない
"いつか"なんてまだ言わないよ
すぐ会えるから
"またね"
≪春空 歌詞より抜粋≫
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続く歌詞からは、何気なく過ごした廊下や教室を心に留めようとしている主人公の姿が浮かびます。
学生と言えば「青春時代」と呼ばれることも多いもの。
「青い空」とは、まさに「青春」を表しているのかもしれません。
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春空
泣いて笑って怒った日々
振られて励まし合った夜
ずっと 嗚呼、ずっと忘れない
次会える時も遠くないさ
涙拭いてよ
「1人でも怖くないから」
最後のウソツキ
≪春空 歌詞より抜粋≫
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『春空』の歌詞で特に印象的なのは、ラストの「最後のウソツキ」というフレーズ。
主人公は慣れない東京での新生活に不安でいっぱいで、本当は「頼りにしてきた友人がそばにいてくれたら」と思っているのでしょう。
しかし「君」を心配させないようにと、強がって「1人でも怖くないから」と告げていると解釈できます。
最後の日だからこそ、お互い笑って別れようとする主人公の優しさが伝わってくるようですね。
季節を感じる名曲がまた1つ誕生
鈴木鈴木の卒業ソング『春空』の歌詞の意味を考察しました。「チャイム」「廊下」「教室」など学生生活を連想させる言葉が多く登場しており、自身の学生生活と重ねて聴いてしまう方も多いのではないでしょうか。
夏の『海のリビング』、冬の『ホワイトキス』とあわせて、季節を感じられる鈴木鈴木の名曲がまた1つ誕生したように思います。
進学・就職・転勤などで新しい地へ向かう人も多い春、『春空』を聴いて新生活へのエールをもらってはいかがでしょうか。