日本オリジナル楽曲初となるバラード
2021年12月15日にリリースされたTWICEの9thシングル『Doughnut』。
この楽曲は、日本オリジナル楽曲史上初のバラードとして知られています。
歌詞の中に冬を想起させる直接的な言葉は見当たりませんが、本作のリリース時期が冬ということで、MVでは美しい雪景色をバックにしたダンスシーンが盛り込まれています。
『Doughnut』を作詞したLauren Kaoriは、これまでにTWICEの『BETTER』『STAY BY MY SIDE』などの歌詞も書き下ろしてきた作詞家です。
彼女の素直でキュートな言葉選びは、TWICEの清楚なイメージにピッタリとハマります。
さっそく歌詞の内容を辿りながら、『Doughnut』で描かれている情景を考察していきましょう。
恋愛特有の幸せと切なさ
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手を振って
背を向けた瞬間に
すぐにさみしさにやられた
恋をしてから
君に埋め尽くされた Mind
しあわせと切なさが忙しいな (Na na na na)
≪Doughnut 歌詞より抜粋≫
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『Doughnut』は、恋人同士が手を振って別れる場面から始まります。
何時間一緒に過ごそうと別れた途端すぐ寂しくなってしまう気持ちは、多くの方が共感できるのではないでしょうか。
「幸せなのに切ない」という相反した感情が主人公に押し寄せます。
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I miss youの文字で繋がりを感じた
≪Doughnut 歌詞より抜粋≫
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この「I miss you(寂しいよ)」とは、恐らく今さっき別れたばかりの恋人から送られてきたメッセージではないでしょうか。
まさしく自分も同じ気持ちだった主人公は、相手も同じ感情を抱いてくれたことに深いつながりを感じて嬉しくなります。
ドーナツと恋愛に共通するもの
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Ah 柔らかく甘い気分
ふわふわしてる心には
君形の穴が空いてるの
Just like a doughnut
迷い込んだ恋のLoop
始まりも終わりもない
二人のLove loop
二人のLove loop yeah yeah yeah
≪Doughnut 歌詞より抜粋≫
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「柔らかく甘い気分」とは、まさに「甘い恋」と「ドーナツ」に共通する感覚でしょう。
つづく「ふわふわしてる」は、MVの美しい情景のように雪が舞い散る様子と、主人公が恋に心躍らせる様子をかけているのではないでしょうか。
「心には君形の穴が空いてるの」というフレーズは、主人公が「君」に深く心をつかまれたことを表しています。
君を好きになればなるほど、この恋のループは続いていきます。
やがて主人公は「君との関係」がいつから始まったのか、いつ終わるのかすら考えられなくなるでしょう。
「始まりも終わりもない 二人の love loop」とは、主人公にとって君との存在がかけがえのないものとなることを示唆しているのではないでしょうか。
MVに隠された謎
ここまで『Doughnut』の歌詞の内容を考察してきました。恋愛中の複雑な感情をキュートに描いた、とても可愛らしいラブソングでした。
しかし、ここでMVを併せて見てみると、冒頭からパトカーのサイレンが鳴り響き、殺人現場に撃ち抜かれたドーナツが登場する等、どこか不穏な雰囲気が漂った内容となっています。
何と言っても楽曲からは、拭いきれない切なさが感じられるのです。
恐らく、歌詞の内容は全て主人公の本当の気持ちだったのでしょう。
しかし、この楽曲に登場した恋人が今も幸せな時間を過ごしているかどうかは断言できません。
『Doughnut』を失恋ソングとは言い切ることは出来ませんが、過去の美しい恋愛を回想しているようにも感じられました。
ぜひ、何度も聞いてさまざまな考察を楽しんでみてください。