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東京事変「原罪と福音」歌詞の意味は?大切な生き方を示すフレーズが心を救う!

人気バンド・東京事変のベストアルバム『総合』でリリースされた『原罪と福音』は、讃美歌のような荘厳さに引き込まれる楽曲です。難解な歌詞に込められた温かなメッセージを考察します。

ベストアルバム「総合」収録の新曲はキリスト教がモチーフ?


2021年12月22日にリリースされた東京事変初となるオールタイム・ベストアルバム『総合』に収録されている新曲『原罪と福音』が注目を集めています。

この楽曲は、亀田誠治が今のパンデミックが明けてほしいという穏やかな思いの中で作ったメロディに、椎名林檎が約1年の月日をかけて歌詞を書き上げて生まれたそうです。

タイトルからも伝わってくる通りキリスト教と聖書がモチーフとなっていて、荘厳な音楽がまるで賛美歌のような崇高さを感じさせます。

どんな内容になっているのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。

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どうして生きるのか僕は本当のとこを知りたいし是としたい
みんなきっと愛する人を満たしていたいだけ当然でしょうに
≪原罪と福音 歌詞より抜粋≫
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どうして生きるのか」つまり人生の目的は、全ての人間にとって重要なテーマです。

主人公の「僕」も「本当のことを知りたい」と語っています。

「是としたい」という言葉からは、自身で見つけた人生の目的や意味を受け入れ肯定したいというポジティブな気持ちが込められているように感じます。

そんな主人公が考える人生の目的は「愛する人を満たしていたいだけ」。

目的や意味と表現すると難しく考えてしまいがちですが、きっとみんな愛する人のために生きているだけなんだと考えているようです。

人は愛し愛される存在として生まれたのだから「当然でしょうに」と歌います。

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分不相応だろうか間違いなんだろうかと訝しむ胸が五月蝿い
いいやそっと背負った十字架は置いて行こうもう良いだろう
≪原罪と福音 歌詞より抜粋≫
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そんな核心を突く考えとは別に、心の片隅では「分不相応だろうか間違いなんだろうか」という思いがざわめいています。

タイトルの「原罪」とはアダムが犯した最初の罪のことで、その罪によって人類は罪を犯す傾向を持つようになったと言われています。

人は日々多くの間違いや失敗を繰り返し、罪を犯してしまうものです。

主人公は自身の人生を振り返り、罪深い自分は愛を語るにふさわしいのだろうかと悩んでいるのかもしれません。

しかし「背負った十字架は置いて行こう」と気持ちを切り替えます。

もう十分罪は償ったのだからそろそろ自由に生きていいはずだと、新たな人生を進むことにしたようです。

自分の思うままに生きよう


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買い込んだ諂いを振り捨てろ全部抹額に相対して正々堂々と
大丈夫夢と現と両者共掴んだ侭で立ち上がれ何れ運の尽きよ
≪原罪と福音 歌詞より抜粋≫
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前半に出てくる「抹額(まっこう)」とは、冠や烏帽子の動揺を防ぐために額に当てて引き締めておく鉢巻きのこと。

気を引き締めることを指しているのかもしれませんが、「相対して」と続いていることを踏まえると同じ読みの「真っ向」とかけているとも考えられそうです。

この部分から「買い込んだ諂い(へつらい)」つまり周囲に受け入れられるために必死で身につけたおべっかを振り捨てて、自分の思うように正々堂々と生きようとしている様子が見えてきます。

一般的に、夢見がちな意見は周囲の人たちに受け入れられにくいでしょう。

しかし後半の歌詞で「夢と現と両者共掴んだ侭」でいいと肯定してくれていますね。

どうしたっていつかは運の尽きとなってしまうのだから、それまでは周囲のことなんて気にする必要はないのです。

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大した切り札もない僕の好きな場面と云や災い転じ福と為す
ピンチをチャンスに変える頓知くらい編み出そうまあ何度も
≪原罪と福音 歌詞より抜粋≫
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「災い転じ福と為す」ということわざは簡単に言えば「ピンチをチャンスに変える」という意味です。

きっとほとんどの人が主人公と同様に「大して切り札もない」状態で懸命に生きています。

そんな中でピンチをチャンスに変えて乗り越えた時の清々しさは、人に自信を与えてくれるでしょう。

いつもうまくいくわけではありませんが、そうして自分の力でできることがまだたくさんあるはずだと主人公は信じています。

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借り越した噂は突っ返せ愈々身一つ真相を説いて明々朗々と
大丈夫勝敗も相子も何方でも呷って再び蘇れ己次第の命だと
(いざ祝わん我らが罪を許し清め給え我らが魂へ主の御加護を)
Glory be unto Thee/Keep our hearts free from sin
Give us Thy grace and protection
≪原罪と福音 歌詞より抜粋≫
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自分についての噂は真偽に関わらずいくつも生まれるものですが、身一つで「明々朗々と」真相を説けばいいと歌います。

たとえそれで負けようと真実は自分の側にあり、覆ることはありません。

再び蘇り、また真相を説いていけばいいのです。

全ては「己次第の命」だから、周囲の意見や考えに振り回されず、自由に生きればいいという力強いメッセージを感じますね。

英語詞の部分は日本語のコーラスの歌詞とほぼ同じ内容で「栄光はあなたにあります。私たちの心を罪から解放してください。 あなたの恵みと保護を私たちに与えてください」と歌われています。

罪に囚われている心を解放してほしいという神への純粋な祈りの言葉です。

東京事変が伝えたい福音とは


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昨日の傷も恥も詳しく見たいだって審判を下す役は自分自身
さあ今日を明日を世界を僕は誓って諦めない誰一人残さずに
信じたいもっと尊厳の値打ちを
≪原罪と福音 歌詞より抜粋≫
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過去の傷や恥はできれば忘れてしまいたいものですが、ここでは「審判を下す役は自分自身」だから、自分の生き方をきちんと見つめることが大切だよと教えてくれています。

自分の人生は自分だけのものなので、ほかの誰にも任せることなく真剣に考えるよう促されますね。

続く「さあ今日を明日を世界を僕は誓って諦めない誰一人残さずに」という歌詞を見ると、罪と死から人間を救うイエス・キリストの姿と重なりませんか?

「福音」とは喜ばしい知らせのことで、キリストの救いの教えを意味します。

とはいえ主人公がイエス・キリストを表しているというよりは、むしろリスナーにとって身近な人生に悩む等身大の人物のように思えます。

この主人公は誰もが自身の罪や周囲の風潮に流されず自由に生きることと、その生き方が当たり前に受け入れられる世界になることを願っていると解釈できそうです。

自由意志に従って自分らしく生きていい。

これこそが『原罪と福音』が伝えたい「福音」なのではないでしょうか。

最後の「信じたいもっと尊厳の値打ちを」のフレーズから、自分は価値ある存在だと信じたいという思いが垣間見えます。

どんな間違いや恥を犯してきたとしても、自分自身の価値を認める気持ちを捨てないでいたいですね。

「原罪と福音」が正直な気持ちを代弁してくれる

東京事変の『原罪と福音』の歌詞に込められた、自身の人生を自分らしく生きたいという思いは、世界中の誰しもが願う共通の気持ちです。

そんな気持ちを正直に明かす主人公を通し、自分もそうありたいと心を動かされるのではないでしょうか。

原罪と福音』は、気持ちが落ち込んでしまうような現代に、きっと心を救う曲になってくれますよ。

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