Eve「YOKU」は「KATE 欲コレクション」のインスパイアソング
Eveの『YOKU』は、KATEの数量限定販売コスメ「KATE 欲コレクション」のために書き下ろされた楽曲です。
楽曲タイトルの『YOKU』は、コレクションテーマの「欲」をローマ字表記にしたもの。
『廻廻奇譚』や『ドラマツルギー』など疾走感のある楽曲のイメージが強いEveですが、今回はどこか浮遊感のある心地よいサウンドの楽曲となっています。
YouTubeで公開されているMVは、「KATE 欲コレクション」のパッケージを手がけたイラストレーター・米山舞が制作。
そんなコラボレーション映像も話題の『YOKU』の歌詞の意味を考察していきましょう。
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優柔不断なんて
言葉ではなんとも言える関係
ハイライトなどないこの人生
夜凪に耳を澄まそう
らしさなんてないよ
≪YOKU 歌詞より抜粋≫
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「ハイライト」には「明るく光る部分」の意味があり、立体感を出すために使用するコスメの名称でもあります。
歌詞では、「ハイライトなどないこの人生」=「輝くことのない人生」といった意味になるのかもしれません。
冒頭の「優柔不断」もネガティブなイメージを持つ言葉で、主人公は人生にどこか物足りなさを感じているように思えます。
タイトル「YOKU(欲)」から見る歌詞の解釈
Eveは『YOKU』を制作するにあたり、改めて自分自身の「欲」について考え、「時にはありのまま自分の欲に従うことが、自分と向き合い自分を好きになれるきっかけになると思った」とコメントしています。
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廻る想いを風に乗せ
未来のあなたと巡りを合わせ
≪YOKU 歌詞より抜粋≫
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Eveのコメントを踏まえると、「未来のあなた」とは、未来の自分自身を表しているのかもしれません。
「未来のあなたと巡りを合わせ」の歌詞からは、主人公がこの先どんな自分になりたいか考えている姿が想像できます。
また、「廻る」の言葉は、『YOKU』が収録された3月16日リリースのアルバム『廻人』も連想させますね。
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無駄を愛そう 意味なんて探す暇もないよ
≪YOKU 歌詞より抜粋≫
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未来は誰にも分からず、今取り組んでいることに対して「やる意味があるのか」と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、逆に考えれば、意外なことが自分の将来に繋がってくる可能性もあります。
「意味なんて探す暇もないよ」のフレーズは、「何が自分のためになるか分からないから、やる意味を考える前にとりあえず行動してみようよ」というメッセージが込められているのかもしれません。
サビの「You are mine 相思相愛」の意味は?
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You are mine 相思相愛
欲のまま 擬態して
You are mine 相思相愛
ありのままを愛して
You are mine 宵に彷徨って
君の合図で今
この世界を彩る 夢の先へ
≪YOKU 歌詞より抜粋≫
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サビ前に「未来のあなた」の歌詞があるため、ここでの「You」も「未来のあなた」つまり、「未来の自分」を表しているのではないかと解釈できます。
繰り返される「You are mine 相思相愛」は、未来の自分を作るのは現在の自分だと伝えているよう。
自分の欲のままに、他人に流されずありのままの自分で生きていけば、いつか理想の自分に近づけるはずだという想いが込められているのかもしれません。
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ただ自由に生きたいだけなのに
この膨らむ欲だけはあるのに
ミスしてへこむ傷は増えるのに
自信に繋がることはないので
花開くよう
その姿が眩しいのです
美しい月のように輝いて
無駄を愛そう 意味なんて探す暇もないよ
≪YOKU 歌詞より抜粋≫
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2番の歌詞からは、1番同様に今の自分に不満を抱いているような主人公の心情が読み取れます。
自由に生きている気がしない、自信がない今の自分。
対して「美しい月のように輝いて」いる姿こそが、主人公がイメージする理想の自分なのかもしれません。
「花開くよう」の歌詞は、自分の欲望を開花させようとする主人公の姿を表しているようにも思えます。
理想の自分に近づくためのメッセージが込められている?
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会いたい色添えるよ
曖昧な style で居よう
I MAKE 正解のない未来へいけ
夢の先へ
≪YOKU 歌詞より抜粋≫
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「色添える」「style」「I MAKE」などの言葉は、化粧をしてお気に入りの自分に変化していく様子を想像させますね。
加えてここまでの解釈を踏まえると、「会いたい色」は理想の自分、「I MAKE」は理想の自分を求めて行動する主人公の意志を表現しているように思えます。
「曖昧なstyle」は「確立されていないstyle」とも読み替えられそうで、「周りに惑わされない自分だけのstyle」のような意味になるのではないでしょうか。
「正解のない未来へいけ」は、「周りと少し違っていても気にせずに進め」というエールのようにも聞こえます。
周りと合わせることが正解ではなく、自分の欲望に従って行動したことが正解だと伝えようとしているのかもしれません。
「コスメ」や「化粧」をヒントに、楽曲『YOKU』には理想の自分に1歩近づくためのメッセージが込められているように思います。
「YOKU」は自分自身の「欲」を見つめ直したくなる楽曲
「KATE 欲コレクション」のインスパイアソング、Eve『YOKU』の歌詞の意味を考察しました。歌詞には「ハイライト」「色添える」など、化粧を連想させるワードがちりばめられているのも印象的。
人によっては「欲」の言葉にネガティブな印象を受けるかもしれませんが、歌詞中の「欲」は、自分を変化させるポジティブなものに描かれているように思います。
楽曲『YOKU』を聴きながら、改めて自分自身の「欲」を見つめ直してみてはいかがでしょうか。