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【インタビュー】SUPER BEAVER「1年ライブをして、時間をかけて高めたものを出し切った」

SUPER BEAVERの2021年は1月からライブハウス、ホールとライブを重ねてきた。その後、バンド史上最大規模となるアリーナツアー「都会のラクダSP~愛の大砲、二夜連続~」を実施。このツアーで彼らが目指したものに迫る。

曲の力を多角的に表現できるチャンス

──4月27日にリリースされる「LIVE VIDEO 5 Tokai No Rakuda Special at さいたまスーパーアリーナ」は、「都会のラクダSP~愛の大砲、二夜連続~」の最終公演が収録されています。まず昨年開催されたアリーナツアー(2021年10月9日からスタートした東名阪アリーナ会場を2Daysずつ回るツアー)に関しては、どのようなものにしていきたい、と考えていましたか?


渋谷龍太:自分たちの活動としてずっとライブハウスでやってきたバンドではあるんですけど、“見てくださる方は、どこで見たら楽しいか?”というのは、考えるところの一つではあって。ライブハウスでは、もちろんライブハウスでしか見せられないライブがあって、アリーナ規模も、アリーナならではの見せ方、アリーナならではの音楽の聴こえ方があります。それこそフェスやイベントに出させていただいた時に、“そういうふうに聴こえたり、見えたりするんだ”と実感できていたりもしたので、自分たちの単独でできたらいいな、というのは、ずっと思っていました。

しかもそれを単発で、記念として一発ボンッとやるわけではなく、可能なのであれば全国各地、可能な限り回れたらいいよね、ということをみんなで話しながら、アリーナツアーを決めました。今回はまだ全国ではないのですが、自分たちがやりたいところで、そして見せたい形で、見てくださる方に楽しんでいただけたらいいな、と思いながらツアーを組んだんです。


──演者としてみると、アリーナは他の会場と何が違うのでしょうか?

渋谷龍太:何が違うかというと、その曲が持っている1曲の中での見せ方であったり、聴かせ方であったりというのは、1つの角度だけではない気はしているんですよね。その曲が持っている力みたいなものを多角的に表現できるチャンスではある、と思っていて。全体を通して具体的に何かを言い表すのはちょっと難しいのですが、それぞれが持っている曲の新しい魅力の部分を発信できる場所でもあると考えているので。曲に限らず、自分たちのライブそのものもですけど、そういうところの違いみたいなものは感じていますね。


柳沢亮太:何をもって良い音、と言うのかは難しいところなんですけれど、純粋にどこでやっても、SUPER BEAVERとして届けたい音や迫力、感動といったもの出せるかといったことは、経験を重ねるごとに、メンバーだけじゃなく、支えてくださっているスタッフチーム含めて、会話として増えた気がします。まだまだ途中段階ではあると思いますし、もっと方法はあるんでしょうけど、すごく勉強させてもらっています。


──アリーナ会場だと、スタンドの端の席はかなり距離がありますよね。遠くの人に伝えるために、上杉さんが意識されたことは何でしょうか?

上杉研太:ベースで一番後ろまで自分たちの演奏・グルーヴを届けることを考えると、やっぱり演奏力が大事だから、楽器も元々のものから結構変えました。それはライブハウスでやっても、そのライブハウスで聴いた中で一番いい音だった、と言ってもらえるような音作りにもなっていると思うので。結局、バンドとして良くなっていくことにも繋がるんです。

演奏を「ガーン!」と大振りでやることによって視覚的には感動しても、一番後ろで見ている人には伝わらないアクションとかもきっとあるんですよね。だから単純に良いグルーヴで、良い音で、ちゃんと感じてもらうというところは、アリーナという規模になると、なおさら気をつけなくてはいけないことであったと思います。それは自分たちだけではなくて、楽器のスタッフさん、PAさんといった人たちとも連携を取りながら、「どうしたら一番かっこよく伝わるだろう」ということは、すごく話し合った気がします。


──今回、セットリストに関して意識されたポイントを教えていただけますか。


藤原“33才”広明:音の話では、ある程度ビートが分かりやすいものの方が、届けやすいな、という感覚はあるので。ドラマーとしてはいい意味で、アリーナ映えしそう、生きそうなリズムの曲調の歌がセットリストに入っている方がいいんじゃないかな、と考えました。たぶんみんなもそう思って選んだりしていると思うんですけれど。あとはバランスとか、自分たちがやりたい曲だったり、見た人に喜んでもらえそうな曲を選んだという感じです。

「ぐちゃー」としたかっこよさというのも、もちろんあると思うんですけれど、それよりも届いた先で「楽しかった」とか「良かった」ということにならないと面白くないというか、やりがいを感じづらいですから。だから丁寧に届けやすいものを選んだかな、と思います。


──7曲目の『mob』や16曲目の『さよなら絶望』はさきほど言われたぐちゃっとしたかっこよさがあると感じたのですが。

藤原“33才”広明:個人的には『mob』も『さよなら絶望』も、僕の中ではビートは届けやすいという感覚なんですよ。『mob』は分かりやすい4つ打ちの、キックとスネアとタンバリンが順番に並んでいるだけなので、こういう方が届けやすいかな、と。

『さよなら絶望』に関しては、ホールとアリーナは多少音の響き方が変わるかなと思うんですけれども、ライブハウスとアリーナは、近く感じられる部分が個人的にはあって。『さよなら絶望』は早いビートではあるんですけれど、すごく細かいフレーズを刻んでいるというよりは、ちゃんとリズムをずっと刻んでいる曲なので。それもうまく乗せられるんだろうなと思って、やっている側としては問題ないかな、と思いました。



絶妙なライブ時間のために試行錯誤

──アリーナになることによって、挑戦だなと思った曲はありましたか?


上杉研太:ライブハウスとホールを1年間やって、自分たちのライブで手応えがあったものをこのアリーナに落とし込んで、全部の延長線上にあるという感じだったので。あとはそれを組み込んだうえで、アリーナだからこその伝え方を、たとえば演出もやろうと思ったらできる話で。1年間ライブをしながら時間をかけてどんどん高めていったものを、うまいことアリーナでも表現する、というところにいった感じがしました。

だから特別なお祭り感を、という感じではなく、普通に僕たちが1年やってきたことをアリーナでもスッとやるということですね。ただスッとやるには、いろいろ準備しなくてはいけないことだったり、僕らだけじゃない技術が必要だったりして。根底にあったのはそういうマインドだった気がします。

柳沢亮太:僕らはあくまで演奏があって、歌があって、言葉を届けるというところに、まずは一番のプライオリティがあるので。奇をてらった何かをやるというよりは、照明だったりとかで、その空気を楽曲と歌とその世界観みたいなものをどう演出できるかに、非常に力を入れているんです。

だから逆にここはステージに思いきり視線を集中させたいから、あえて他を切りたいとか。むしろ本当に照明も少なくして、全ての目線を真ん中に、とか。「ここはこういう風に、演出も込みでやった方がいいんじゃないか?」「いやいや、ここは演出じゃなくて、むしろ一番少ない情報量で曲を届けたほうがいいのでは?」とか。

逆に『mob』とかはアリーナだからできる炎の演出もですけれど、炎だけじゃなくて、照明の色も、他の曲ではあまり使っていない、紫がかった色を多めに使おうとか。場面転換をするのは、どこがいいか。それによってセットリストの曲順も多少前後を変えてみようとか、そういったところは1番こだわったというか、もっとも僕らの間で会話が生まれているところだったかな、と思います。



──ちなみに炎はメンバー、スタッフ、どちらからの意見だったのでしょうか?


渋谷龍太:意見を出してもらいました。「えー」と言ったんですけれど(笑)。


──「えー!」だったんですね(笑)。

渋谷龍太:だって恥ずかしいじゃないですか。でもやるからには、ちゃんとさまになるようにしなきゃいけない。ちょうど『名前を呼ぶよ』という楽曲で、MVで炎を初めて使ったんです。その時の絵がすごくかっこよかったので、「こういう所で使ってもいいかもね」という話になって。で、いざやってみたら、良かったですね。


──やる前は不安だったと。

渋谷龍太:初めてのことは、何でも不安に思いますよね。でも結果的によかったし、やるからには、腹をくくった方がかっこよくできるから。結果的にこのアリーナツアーの中で、もっともここにあって良かった曲だな、と。おかげで他も全部生きたというか。すごくいい塩梅にしてくれた曲だなと思います。


──フックになる曲と演出があることによって、記憶の残り方も鮮明だったりすることがあります。

渋谷龍太:これが一つあるだけで、ライブを構成しやすくなりますね。1曲目から最後の17曲まで通してのライブを作りやすくなる、ならないというのは、わりとここらへんで決まってきたりするので、あってよかったと、本当に思っています。


──ライブ中盤の『mob』とか『正攻法』のエネルギーに満ちたカオスな感じ、後半の『人として』のように照明は抑えて、まさに歌がドーンと中心に置かれたパート。渋谷さんのMCから怒涛のように入っていく『名前を呼ぶよ』。そしてミラーボールの輝きと、オーディエンスの皆さんが精いっぱいクラップする姿に会場が一つになる『東京流星群』など、本当に起伏にとんだ流れでした。メンバーからは、アリーナだからこれはしたい、といった要望は何あったのでしょうか?


柳沢亮太:今回のアリーナツアーに関しては、アルバム『アイラヴユー』(2021年2月リリースの7枚目フルアルバム)のリリースツアーがライブハウスとホールであって、その後にアリーナツアーがあって。アリーナでは“『アイラヴユー』のリリースツアー”という冠を外していたので、そういう意味では、どうあってもいいと最初から思っていました。

2020年にあまり動けなかった上で、2021年の1月からずっとライブをやれていたので、そこでやれてよかった部分を、セットリストとか、いろいろなものを複合的に組み合わせて、「この繋がりはよかったね」というものを、そのまま入れてみようかとか、そういう会話もあったので。そういったところが先にあったし、すごく大事で、一番こだわったかな。実際に事前のリハーサルでもやってみて、「ここは曲が多い」とか「少ない」とか、「この曲じゃないね」「これは入れ替えよう」とか、そこから話していきました。

むしろ、今、自分たちがこれを届けたい、というところが何なのかを決めることが、一番大変でしたね。さすがにこの4月で18年目になって出してきた曲も多いので、どの曲をやる、どの曲を抜く、みたいなことを判断するのが難しかったです。



──17曲までしぼること自体、きついですよね。

柳沢亮太:そうですよね。たぶん増やすと、ただただ長くなっていくので。


──もうちょっと聴きたい!と思いながらも、これがちょうどいいのかもと納得できる、絶妙なタイム感でした。

渋谷龍太:絶妙ですよね。そこはすごく大事。体感でも違うし、エゴを押し切っていいことって、たぶんないんですよ。自分もいろいろなライブを観に行って、自分が何を感じて、どんなふうに思ったかを考えるんですけれど。「なぜこのライブは、いっぱい曲をやっていて長かったのに短く感じたんだろう?」とか、逆に「このバンドのこのライブは長く感じたんだろう?」みたいなことは、何度も見に行ったりしないと分からない部分なので、何度も足を運んでみて。

それで自分の中の経験則と照らし合わせて、「自分がこっち側に立った時は?」みたいなことを考えながらやると、やはりこれはすごく絶妙だったな、と思います。

その微妙なところは、本当に何度もリハをやって、自分でイメージトレーニングして、「これでいいのかな? これでぴったりじゃないかな?」とみんなで考えながらやるので、面白いですね。でも「ちょうどの時間だった」と言っていただけると、よかったと思います。


見られたくないことだから興味がわく

──『さよなら絶望』でいったん締めくくられて、そしてラストに渋谷さんのアカペラが会場に響きわたるスタートの『時代』が来ましたね。『さよなら絶望』で、内側に抱えていたものが解き放たれて。そして『時代』が最後の最後に来て、「時代とはあなただ」という歌詞をダイレクトに聴いて、胸がいっぱいになりました。


上杉研太:『時代』は一年間の自分たちをこれで締めたいと思って、ここに自然に来たという感じですね。

柳沢亮太:アリーナツアーはリリースツアーでないとはいいつつ、同じ年のツアーではあるので。この『さよなら絶望』という楽曲、ないしは『アイラヴユー』というアルバムがどういう役割をこの1年で果たしてきたのか。それを考えると、ライブハウスだろうがアリーナだろうがホールだろうが、やはり吹き飛ばしたい何かというのは、ずっとうごめいていた1年だったと思いますし。そういったところは自分たちのエネルギーにもなっていて、みんなにかけたい言葉でもあったと思います。

だから会場のサイズとかは関係なく、『さよなら絶望』のバーンという感じは、バンドがはらんでいた空気だと思います。さらにその後に『時代』を演奏したのは、後にできるアルバム『東京』にもつながってくるメッセージというか、気持ちみたいなもので。アンコールが『時代』なのはすごく合っていて、結果としてはつながっているな、と思いますね。



──渋谷さんがMCでアルバム『東京』(2022年2月リリースの8枚目フルアルバム)のキーワードとなった“人間冥利”と言われていましたね。その時はアルバムのことを知らなかったので気づかなかったんですけれど、ライブがあってこそのアルバム『東京』だったんだと、改めて理解できました。

柳沢亮太:今回に関しては、ちょうどこのアリーナツアーの途中でもバンバンレコーディングしていたので、そういった空気があったのかなと。それこそ『ロマン』(アルバム「東京」に収録)なんて最後にできたので、おそらくアリーナツアーが始まっていたか、始まる直前だったんじゃないかな、と。ホールあたりの佳境からアリーナツアーにかけて曲たちができあがっていった部分もあるので、すごくライブと密接だったと思うし。直接お客さんと顔を合わせることによって、歌いたいことが具現化していたんじゃないかな、という関係値はとてもあると思うので。そういう意味では、確かに『東京』というアルバムが出た後で、間もなくこの映像作品が出るわけですけれど、「あ!」と思うワードみたいなものが、所々にあるんですよね。


──上杉さんのMCでも「これが生きているうえでの最前線」と語っていらして、「あ、『東京』のラストの曲のタイトルだ」と思いました。

上杉研太:そうですよね。やっぱり全部、地続きですよね。



──今回のツアーの様子を追ったドキュメント映像も収録されています。今さらの質問なのですが、ツアーの密着映像を撮られる、というのはメンバーの皆さんにとってどんな感覚なのでしょうか?

渋谷龍太:僕は正直、あまり好きじゃないです(笑)。ただそれによって伝わる部分であったりとか、いろいろな表情の違いを見せられるのであれば、面白いものだと思うし。自分はドキュメンタリー的なものって、見ていて好きなんですよね。普通のライブ映像を見るよりも、その人の裏側を見られたりするから。

そっちの方が、実は僕自身は興味がある。なぜ興味があるのかというと、たぶん見られたくないところだからだと思うんですよ。僕も本当は、ほとんど見せたくないんです。だから撮られているということは、正直1から10まで嫌ですね(笑)。でもやっぱり面白いものになったらいいなと思うし、結構このドキュメントでも「ちょっとやめてもらっていいですか」と何か所も言っているんです。

ただそれも、最初の段階で僕らからではなく、カメラマンチームから「本当にダメな場合は言ってください」とおっしゃってくださったので。そこで少し気が楽になった部分もあるんです。自分たちの活動、自分たちの思わぬところが表に出ることに対する面白さというのは、そこにしっかりと残ると思っているので。そういうところは、僕はすごく感じていました。


──チケットを取ったときのワクワク感や、会場に向かう時の期待感、帰る際の満足感も含めてライブの時間ですよね。それを改めて思い出せてくれる映像だったと思います。

渋谷龍太:だからドキュメントというのは、面白いですね。本当にそう思います。


──私たちも皆さんの旅路を見させてもらった、みたいな感覚はすごくありました。


藤原“33才”広明:そう思ってもらえたらうれしいですね。本当に映っているまま、僕らはそれこそ旅をしている感じなので。


──さらに2022年は会場数も増えて(10月スタートの4都市8公演のアリーナツアー「都会のラクダSP~東京ラクダストーリービヨンド~」)規模がさらに大きくなりますね。

渋谷龍太:昨年の3都市6公演のツアーは東京が入ってなかったんですけれど、今回は東京も入っているし、少し前回と違う形態になり、規模も大きくなっています。それが新しい楽しさにつながったり、見てくださる方、応援してくださる方のワクワク感につながればいいな、と思っています。



TEXT キャベトンコ
PHOTO Kei Sakuhara

SUPER BEAVER(スーパービーバー)。 渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“32才”広明(Dr)の4人によって2005年に東京で結成された。 2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビュー。 2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、···

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