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UNISON SQUARE GARDEN「kaleido proud fiesta」歌詞の意味は?タイバニ主題歌にかける情熱が伝わる1曲

UNISON SQUARE GARDEN『kaleido proud fiesta』はアニメ『TIGER & BUNNY 2』のOP曲です。ユニゾンと『タイバニ』のタッグは今作で4度目。両者のコラボ遍歴を踏まえながら歌詞を考察していきます。

「TIGER & BUNNY 2」オープニングテーマ

『血界戦線』のED曲『シュガーソングとビターステップ』、『Fate/Grand order -絶対魔獣戦線バビロニア-』のOP曲『Phantom Joke』など、これまで多くのアニメ主題歌を手がけてきたUNISON SQUARE GARDEN(以下、ユニゾン)。

透明感と独特な鋭さを持ったボーカル&ギターの斎藤宏介を筆頭に、エッジの効いたバンドアンサンブルやキャッチーなメロディーラインが魅力の3ピース・ロックバンドです。

そんなユニゾンが2022年4月13日に17th シングル『kaleido proud fiesta』(読み方:カレイド・プラウド・フィエスタ)をリリース。

作詞作曲はベース&コーラスの田淵智也です。

▲UNISON SQUARE GARDEN - 『kaleido proud fiesta』【OfficialMusicVideo】

『kaleido proud fiesta』はアニメ『TIGER & BUNNY 2』のオープニングテーマとなっています。

『TIGER & BUNNY』は“タイバニ”の愛称で知られるヒーローアニメ作品です。

特殊能力を持ったヒーローがスポンサーを背負いながら、街の平和を守っていくというのが基本ストーリーになります。

ユニゾンがタイバニとタッグを組むのは『オリオンをなぞる』『リニアブルーを聴きながら』『harmonized finale』に次いで4回目。

『kaleido proud fiesta』についてはタイバニ2とコラボしたアニメーションMVも公開され、大きな話題を呼びました。

▲UNISON SQUARE GARDEN - 『kaleido proud fiesta」TIGER & BUNNY 2 Animation MV

今回はそんな『kaleido proud fiesta』の歌詞の意味を考察していきます。

なお、本記事では「曲の主人公=ユニゾン自身」と仮定して考察を進めていくので、その点を念頭に置きながら読み進めてください。

「kaleido fiesta」はファンの喝采?


歌い出しは「かくしてまたストーリーは始まる」。

『タイバニ2』の始まり、そしてユニゾンと『タイバニ』との再タッグを思い起こさせるフレーズです。

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かくしてまたストーリーは始まる

これが運命だったんだ、期待してたかい?
何も言わなくても伝わりそうだから とりあえず今は黙っておこう

喝采のロードサイド 止まない未来の向こう側で
倒れちゃいそうな不安をみんな持ってる
≪kaleido proud fiesta 歌詞より抜粋≫
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続く歌詞「これが運命だったんだ、期待してたかい?」は、ユニゾンからファンへの問いかけのように受け取れます。

過去に3回、タイバニとコラボしているユニゾン。

今回のコラボは作り手にとってはもちろん、ファンにとっても「運命」のようなもので、もはや何も言う必要がないほど固い絆で結ばれた結果なのでしょう。

しかし、多くのファンが待ち望んだコラボでありながら「倒れちゃいそうな不安」というようにネガティブな側面にも言及があります。

もしかしたらこれまでに築き上げてきた『タイバニ』との歴史がプレッシャーになり、今回の4度目のタッグで「膨らみに膨らんだ期待に応えられるか」という不安が生じているのかもしれません。

次の歌詞を見てみましょう。

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(Play it, ready? Louder! Please more!)
C'mon please DJ, 問いただしてくれ この街を誇る権利
羽が無くても心が促す飛び立つような感覚を

ただ眠っていたって夜は明けてしまうから
走れ 進め 狙え 今を理由にして
≪kaleido proud fiesta 歌詞より抜粋≫
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英語部分は「奏でる覚悟はできたか?もっと大きく!もっとだ!」といったニュアンスでしょうか。

自分自身を鼓舞していると仮定すると「問いただしてくれ」と頼んでいる相手「DJ」は胸の奥にある「表現欲」だと解釈できそうです。

そして「この街を誇る権利」「心が促す飛び立つような感覚」は、タイバニと共有している世界への誇り、スーパーヒーローが飛び立つような高揚感を表しているのではと考えられます。

そんな一瞬の高揚感を理由に畳みかける「走れ 進め 狙え」。

皆が寝静まった「夜」に勢いのままに曲を作り上げるアーティストの情熱が伝わってくるようです。

続いてサビに入ります。

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その願いを叶えようか 歌えkaleido fiesta
きれい過ぎて忘れられないような ような 景色になる
今あなたと僕だけで夢を見続けないか
刹那したプレリュードだけが答えだろう?
祝祭の鐘よ鳴れ
かくして快進撃は始まる
≪kaleido proud fiesta 歌詞より抜粋≫
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満を持して、曲名に含まれる「kaleido fiesta」が歌詞に登場です。

読み方は「カレイド・フィエスタ」。どうやら辞書に載っているような既存の熟語ではないようです。

ただ「kaleido」は古代ギリシャ語に起源があり「美しい形」といった意味を持ちます。

一方の「fiesta」はスペイン語で「祝祭」という意味です。

これらを合わせて「kaleido fiesta = 美しい祝祭」といったニュアンスが想定できます。ただ、もう少し具体的にしたいところですね。

そこで、後の歌詞「きれい過ぎて忘れられないような ような 景色」「今あなたと僕だけで夢を見続けないか」「祝祭の鐘よ鳴れ」なども含めて考えてみましょう。

「きれい過ぎて忘れられない景色」はステージから見た観客の様子、「あなたと僕」の「あなた」はユニゾンやタイバニのファン、「祝祭の鐘」はファンたちの歓声と捉えることができそうです。

これらを総合すると「kaleido fiesta」は「出来上がった楽曲をお披露目したときのファンの歓声や笑顔、喝采」を暗示していると解釈できます。

また「刹那したプレリュード(=前奏曲)」は「一瞬の高揚から生み出された楽曲の始まり」を指し、その始まりが実を結ぶ瞬間を想像して「祝祭の鐘よ鳴れ(ファンが満足する曲になれ)」と願っているのではないでしょうか。

4度目の主題歌制作というプレッシャーに負けないよう自身を鼓舞する一瞬から『kaleido proud fiesta』によるユニゾンの「快進撃」は始まったのかもしれません。

「今」だけを誇って明るい未来を!


次に、2番の歌詞を見ていきます。

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トップスピードは更新中 ついて来れるか
等比級数的にロマンチックになる 見逃がさずになぞっていこう

高説はtoo muchだ お願い 少し黙って欲しい
史上最重要なドラマが控えてる

つまり整合性なら 後日譚でわかるから
今を 今を 今を 今を 誇れるかだろ
≪kaleido proud fiesta 歌詞より抜粋≫
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「トップスピードは更新中」「等比級数的にロマンチックになる」といった歌詞から、勢いは増すばかりのようです。

倍々に広がり浮かんでは消える情熱的なメロディーを「見逃さずに」形にしていくような無我夢中なアーティストの姿が目に浮かびます。

そしてその勢いの終着点がどこだろうと「高説はtoo much(=いらない)」。

新しいタイバニとのコラボという「史上最重要なドラマ」が控えている以上、「他人のご意見なんざ気にしてられるか!」という気概のようです。

創作において何が正しいかということは今すぐに分かるものではありません。

だからこそ「整合性」は二の次にして「今」を重視する姿勢が大切なのでしょう。

そういった「今」を重んじる熱意が「今を 今を 今を 今を 誇れるかだろ」という歌詞に投影されているのではないでしょうか。

続いて、2番のサビの歌詞を見てみましょう。

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当てがないシークエンスでも 歌えkaleido fiesta
つまりI miss youはもう要らない 未来を迎えに行く
胸の奥灯っている誰かを想うような
不器用なノクターンで既に傑作だ
幾千の喜びが集まり連鎖して そのまま
≪kaleido proud fiesta 歌詞より抜粋≫
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「シークエンス」とは物語の構成単位で、いくつかのシーンをひとまとめにしたものです。

言うまでもなく、現実にはシナリオが存在しません。そんな「どうなるか分からない現実」が「当てがないシークエンス」だと考えられます。

それでも「歌え」と、一貫して勢いのまま己を鼓舞しているようです。

次の「I miss you(=あなたが恋しい)」は過去の温もりに意識が向いた表現だといえます。

一方「胸の奥灯っている誰かを想う」は「今」志向が強そうです。

この点から、過去に寄りかかることなく「今」に意識を向け、明るい「未来」を手に入れよう!という前向きな姿勢が読み取れます。

そしてその「今」紡ぎ出している楽曲が、たとえ「不器用なノクターン(=夜想曲。夜の情緒を表す曲)」であっても、「今」を誇る者にとっては紛れもない「傑作」なのでしょう。

そんな「今」の「傑作」がいずれ世間に公表され、待ち望んでいたファンたちの「幾千の喜び」を誘発し、「そのまま」名実ともに「傑作」になるという結末こそ、ユニゾンが思い描いていた楽曲の未来なのではないでしょうか。

「今」だけを誇ったユニゾンの答え


さて、いよいよ終盤の歌詞に入ります。

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C'mon please DJ, 問いただしてくれ この街を誇る権利
羽が無くても心が促す飛び立つような感覚を

広がり続ける星空に僕らは今を誇れるか?
≪kaleido proud fiesta 歌詞より抜粋≫
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1番同様「作品世界への誇り」や「今にも飛び立ちそうな高揚感」を、胸の奥の「表現欲」の力で強めようとしているようです。

続く「広がり続ける星空に僕らは今を誇れるか?」という歌詞では「膨張を続ける宇宙の広がり」と「制作中の楽曲の可能性の広がり」を対比しているように思えます。

夜、星空を見上げながら「今、作っている楽曲の可能性を信じられるか?」と自問自答しているような状況が想像できそうです。

あるいは「僕ら」と複数形で表現されているので、広くリスナーをも含めて「今を誇れるか?」と問いかけている可能性もあるでしょう。少し考えさせられる一行ですね。

アーティストとリスナーがグッと近づいたところで、最後のサビを見ていきましょう。

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その願いを叶えようか 歌えkaleido fiesta
きれい過ぎて忘れられないような ような 景色になる
今あなたと僕だけで夢を見続けないか
刹那したプレリュードだけが 答えだろう?
祝祭の鐘よ鳴れ
かくして快進撃は始まった

kaleido fiesta 祝祭の鐘は鳴る
≪kaleido proud fiesta 歌詞より抜粋≫
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一見すると1番と同様ですが「かくして快進撃は始まる」が「始まった」に変わっています。

一瞬の高揚から生み出された楽曲の始まり「プレリュード」。

その結実を想って「祝祭の鐘よ鳴れ」と意気込んだのは、もはや過去(1番)の話です。

そう考えると、楽曲が十分な形を帯びた「今」、この曲における過去(1番)を自ら引き合いに出し、「快進撃」はここから「始まった」のだ!と歌っていると解釈できます。

そしてラストは「祝祭の鐘は鳴る」。これまでは「鐘よ鳴れ」という願望(あるいは命令)でしたが、楽曲の全体像が出来上がったことで「いける!」と確信し、「鐘は鳴る」と言い切ったのではないでしょうか。

きっとユニゾンのメンバーは「今だけを誇る」ことができ、その延長線上でこの楽曲の完成に至ったのでしょう。

なぜなら曲名は「kaleido fiesta」ではなく『kaleido proud(=誇らしい) fiesta』なのですから。

他の『タイバニ』主題歌も要チェック

今回はUNISON SQUARE GARDENの『kaleido proud fiesta』の歌詞について考察しました。

継続してアニメ主題歌を手がけるプレッシャーを吹き飛ばし、ユニゾンは見事ファンからの「祝祭の鐘(喜びの声)」を享受することに成功しました。

なお、『kaleido proud fiesta』の歌詞には、過去の『タイバニ』主題歌を意識したと思われる言葉もちりばめられているようです。

本記事では触れられなかった部分もあるでしょうから、そんな「楽曲間のリンク」を探してみるのも面白いかもしれません。

これを機に『オリオンをなぞる』『リニアブルーを聴きながら』『harmonized finale』を聴き直すのも一興ですね。

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