「ちむどんどん」主題歌のテーマは家族の光
三浦大知が2022年6月8日にリリースするニューシングル『燦燦』は、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』の主題歌として書き下ろされました。
ドラマの舞台である沖縄と家族を描くストーリーを意識し「家族の光」をテーマにしたバラード曲で、昨年亡くなった自身の祖母に向けた手紙のような歌詞が感動的です。
『燦燦』は自分を一番信じてくれた柔らかい光のような祖母の存在と、祖母が好きだった美空ひばりの『愛燦燦』からインスピレーションを受けたタイトルとなっています。
さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。
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白い花 揺れる波
遠く伸びていく影に
憶い出す 糸と針 握る指先
手を鳴らして 歌う涙も
あの日の言葉も 星空も
≪燦燦 歌詞より抜粋≫
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冒頭の「白い花 揺れる波」のフレーズに、早くも沖縄の穏やかな風景を連想したのではないでしょうか。
ここでは故郷から遠く離れた土地で暮らしている主人公が、懐かしい故郷ののどかな景色を思い出している様子が描かれています。
その思い出の中には、祖母に服のほころびを縫ってもらったことも含まれているようです。
音楽が好きだったという祖母が手を鳴らしながら歌う姿、目に浮かべた涙やかけてくれた言葉、一緒に見た星空などの何気ないけれど大切な記憶が次々と浮かんできます。
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届いて この歌 あなたは
いつもと同じように
笑いながら 言うのでしょう
「大丈夫 ほら 見ていて」
≪燦燦 歌詞より抜粋≫
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サビで出てくる「大丈夫 ほら 見ていて」は祖母が自分によくかけてくれていた言葉。
もう二度と会えなくても、きっとどこかで変わらず自分を信じ、応援してくれているはずだという思いが伝わってきます。
主人公と祖母の絆の深さが感じられますね。
「順光線」に込められた意味とは
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陽の光 纏う朝
開く窓 願う姿
忘れない 机の前 あなたの場所
また会えたら話をしよう
あの日の続きを聴かせてよ
≪燦燦 歌詞より抜粋≫
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開け放たれた窓から注ぐ朝の暖かな陽の光を浴びながら、机の前で祈るのが祖母の日課だったのでしょう。
そこが「あなたの場所」と感じるほど、その光景が主人公にとって当たり前の景色だったと解釈できます。
今はもう見られないからこそ、余計に「忘れない」という言葉に重みがありますよね。
また会えたら、聞けなかった「あの日の続き」を聞きたいという気持ちがポジティブな印象で、心が温まります。
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届いて この歌 あなたが
信じてくれたように
どんな日々も どんな意味も
繋がっている
響いて この歌 あなたへ
降り注ぐ順光線
照らす背には永久の願い
「大丈夫 ほら 見ていて」
≪燦燦 歌詞より抜粋≫
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いつも自分を信じてくれる人がいたおかげで、主人公は失敗や困難に直面しても全てのことに意味があり、思い描く未来へ繋がっていると信じられるようになりました。
「順光線」とは写真用語で、被写体に対して正面のカメラ側から差し込む光のことを意味します。
主人公の後ろから光が照らされ、目の前の景色がはっきりと鮮やかに見えてくる様子をイメージできるでしょう。
祖母から注がれた温かい愛を今もしっかりと感じ、色鮮やかな未来へ前進しようとする強い想いが垣間見えます。
あなたが信じてくれた自分を信じ生きていく
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きっとまだ 鳴らない声
それでもいい あなたへ
≪燦燦 歌詞より抜粋≫
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「きっとまだ鳴らない声」という歌詞は、何を表しているのでしょうか?
もしかしたら歌で気持ちを伝えたくてもうまく言葉にできないことや、夢を叶えられていない自分の未熟さなどを意味しているのかもしれません。
それでも出来がどうであれ、相手に届けたい精一杯の想いがあれば必ず相手に伝わります。
大切なのはきっと相手を思う気持ちと、伝える努力をすることなのです。
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届いて この歌 あなたが
信じてくれたように
裸足のまま 生き抜くから
見守っていて
響いて この歌 あなたは
降り注ぐ順光線
続く空に踊る光
『大丈夫 ほら 見ていて』
≪燦燦 歌詞より抜粋≫
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どんな自分も「大丈夫」と信じてくれたように、「裸足のまま」つまり自分らしく生き抜くと決意を固めています。
信じてくれる人がいるからこそ、自分を信じることができます。
地上から続く空を見上げれば陽の光が踊るように煌いていて、まるで祖母が声をかけてくれているかのようです。
結んだ愛の絆は決して切れることなく繋がり続けることを教えてくれます。
大切な人を思いながら聴いてみて
三浦大知の『燦燦』は、温かく包み込んでくれるような家族愛の美しさを感じられる楽曲です。聴く人それぞれが自身の大切な人を思い浮かべながら共感できるでしょう。
きっと楽曲の中に自分だけの物語が見つかりますよ。