恋マジ初回放送で新曲「わたし」を解禁!
怒涛の勢いで活躍を続けるジャニーズグループ『SixTONES』。2022年に入り、すでに2ndアルバム『CITY』や6thシングル『共鳴』をリリースした他、1月からは全国ツアー「Feel da CITY」を開催するなど、精力的にアーティスト活動を展開しています。
そんな彼らが、7thシングル『わたし』を2022年6月8日にリリースすると発表しました。
この楽曲は、メンバーの松村北斗も出演中の月10ドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」(通称:恋マジ)の挿入歌に起用されています。
SixTONESといえば、サプライズでファンを喜ばせるのが大好きなグループ。
そんな彼らの新曲『わたし』が初めて解禁されたのは、恋マジの初回放送中のことでした。
ドラマ内で突如として新曲『わたし』が流れ出すと、SNS上には驚きや喜びの声が溢れ、Twitterでは「#SixTONES新曲」や「#挿入歌SixTONES」といったハッシュタグがトレンド入りしました。
『わたし』の作詞・作曲・編曲は、前作の『共鳴』に引き続きSAEKI youthKが担当。
自然と胸の中に入り込んでくるような、澄み切ったバラードに仕上げました。
それでは歌詞の内容を辿りながら、楽曲に描かれた情景を徹底考察していきましょう。
「有り得ない」に込められた想い
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有り得ないところまで
心が 動き出す
何気ない言葉すら
ひとつひとつ この胸を奪っていく
≪わたし 歌詞より抜粋≫
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『わたし』は松村の美しいソロから始まります。
冒頭のサビは本楽曲において、最も印象的なパートと言っても過言ではありません。
「有り得ない」には「あるはずがない、そうなる可能性がない」の他に「信じられない」という意味も含まれます。
つまりこのサビの歌詞は、恋をするまで知り得なかった感情への気づきを表現しているのでしょう。
好きな相手の言葉ひとつひとつに、揺さぶられてしまう主人公。
その繊細な心の機微がリアルに伝わってきます。
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汚れた靴 磨いても
またすぐにどうせ 泥だらけになんだ
無駄なことで 疲れるくらいなら
いっそほら さっさとさ
そんなもの仕舞っておこう
≪わたし 歌詞より抜粋≫
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Aパートで登場する「汚れた靴」が指しているものは何でしょう。
ひとつの解釈として、主人公の目線を通して見た「自分の本性」を表していると考えられます。
歌詞の中で「汚れた」という表現が用いられているのは、本性というものがその人の個性や魅力のベースとなる反面、生まれ持った欲深さも孕んでいるからではないでしょうか。
「磨いても」という歌詞が、好きな人の前で良い面を見せようとする努力を指すならば「またすぐにどうせ 泥だらけになんだ」は、頑張ったところで自分の本性を隠し通すことは出来ないという意味にとることもできます。
無理をして疲れてしまうくらいなら、この恋心には気づかなかった振りをして仕舞っておこう、と自分に言い聞かせているのかもしれません。
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わかってはいるよ
きっと逃げてるだけだと
あなたに”わたし”は 見せたくない
≪わたし 歌詞より抜粋≫
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主人公は自分が好きな人と向き合うことから、逃げているのだと言いたいのでしょう。
確かに、本当の自分を他人に見せる事への恐怖を拭うのは簡単ではありません。
自己開示をすることで相手との距離が遠のいてしまうかもしれないという不安は、恋愛ならではの感情ではないでしょうか。
理性と感情の狭間で揺れ動く主人公
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わりと上手く やれてるの
不確かなもんに 乱されたくないわ
コワレモノを 不意に預けたなら
傷付いて、傷付けて…
直る保証もないのに
≪わたし 歌詞より抜粋≫
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2番の歌詞では恋愛という不確かなものに対し、理性でコントロールしようと努める主人公の姿が描かれています。
主人公の精神は、いわば綱渡り状態にあるのでしょう。
一歩踏み外せば「好き」という感情の海に飲み込まれそうになる中、なんとか自立したいという気持ちだけで自身を律しています。
「コワレモノ」とは、すなわち「心」を指すのではないでしょうか。
相手に心を預けるということは、全幅の信頼を寄せるということ。
それはとても素敵なことである反面、場合によっては深い傷を負う可能性も多分にあるのです。
リスクを冒して傷付くくらいならば、身を委ねない方が良いのかもしれないという切ない気持ちが感じ取れます。
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わかってはいるよ
それでも止められないの
なんだか”わたし”が わたしじゃない
≪わたし 歌詞より抜粋≫
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頭では分かっていても、感情ではどうすることも出来ません。
まるで自分自身ではないように、次から次へと衝動的な言動が飛び出します。
自分も知らなかった一面を垣間見た気がして、主人公は動揺を隠せません。
なんとも言えない高揚感と心許なさが一挙に押し寄せます。
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有り得ない音がする
心で 絶え間なく
他愛ない一秒も
深く深く この胸に刻まれていく
≪わたし 歌詞より抜粋≫
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ずっと恋に溺れない様に必死に耐えてきた主人公。
しかし、本当の想いを偽ることは出来ません。
ここでいう「有り得ない音」とは、恋愛感情を自覚した主人公の胸を打つ鼓動を指しているのではないでしょうか。
好きな人の一挙一動には、思わず反応してしまうものでしょう。
ドキドキと高鳴る鼓動が、図らずも「この人を好き」という気持ちをより深く刻みつけるのです。
本当の自分を解放する悦び
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その意味は?その価値は?
答えようのない問いだけど
それなのになぜ それなのになぜ
何かを見つけたような 気持ちでいる
≪わたし 歌詞より抜粋≫
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恋愛を経て生まれる感情は、意味や価値といった分かりやすい評価で置き換えられるものではありません。
それにもかかわらず、どうしてこんなにも愛おしく感じるのか。
はっきりと言葉に出来ないけれど、確かに今まで感じたことのない感覚を得た主人公。
恐らくこの時点で、1番の歌詞のころに抱えていた不安感は薄れているのではないでしょうか。
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有り得ないところまで
心が 動き出す
何気ない言葉すら
ひとつひとつ この胸を奪っていく
“わたし”を 奪っていく
≪わたし 歌詞より抜粋≫
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最後には冒頭のサビと同じ歌詞が繰り返されます。
楽曲をフルで通して聞くと、全く異なる意味に感じられるのではないでしょうか。
冒頭の繊細な歌いだしに比べて、最後のサビはより開放的かつ能動的なイメージが込められています。
新しい感覚に戸惑いつつも、本当の自分のまま恋に落ちる淡い悦びも伝わってきます。
葛藤から生まれた魅力
今回はSixTONESの最新曲『わたし』の歌詞を考察しました。この楽曲に登場した主人公のように、人は恋をすると自分の知らなかった一面に対峙することが多々あります。
それが良い面であろうと悪い面であろうと、自分の一部であることに変わりはありません。
主人公は当初、自分が好きな人に向き合うことから逃げていると考えていました。
しかし、彼女が本当に恐れていたのは、自分自身と向き合うことだったのではないでしょうか。
そこはかとない切なさを滲ませながら、それでも新しい感覚へと身を委ねた「わたし」。
理性と感情の狭間で揺れ動く細やかな描写が、本作の魅力である艶やかさや儚さを引き出しているのでしょう。
2022年5月17日には、YouTubeにて公式MVが解禁されました。
こちらも様々な仕掛けが盛りこまれた美しい映像に仕上がっています。
ぜひ歌詞と映像を結び付けながらご覧ください。