映画「キングダム2 遥かなる大地へ」の主題歌
ミスチルの最新曲『生きろ』は、映画『キングダム2 遥かなる大地へ』の主題歌として書き下ろされた楽曲。
BEST ALBUM「Mr.Children 2015 - 2021 & NOW」に収録されています。
『キングダム』は、中国春秋戦国時代を舞台に、「天下の大将軍になる」という夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王・嬴政(後の秦の始皇帝)の戦いを描いた壮大な物語です。
死別した幼馴染の漂と共に誓った「一緒に天下の大将軍になる」という夢を胸に抱く少年・信が主人公となっており、映画では山崎賢人が主演を務めます。
映画『キングダム2 遥かなる大地へ』は、魏討伐のため決戦に挑む信の勇姿が描かれた作品で、2022年7月15日公開予定です。
このようなあらすじを踏まえて、主題歌『生きろ』の歌詞を考察していきましょう。
冒頭の歌詞は、以下のとおりです。
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固く握った
震える掌
交わした約束が
脈打ち続けてる
≪生きろ 歌詞より抜粋≫
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「交わした約束」というのは、主人公・信が幼馴染の漂と交わした、「一緒に天下の大将軍になる」という約束を指していると解釈できそうです。
「脈打ち続けてる」のは、漂の分まで約束を果たそうとする信の強い意志と、亡くなってしまった漂の想いなのかもしれません。
信が漂と死別したことをきっかけに、「天下の大将軍になる」という夢への思いを強くする場面から、『キングダム』の物語は熱く展開していきます。
漂との約束を表現した歌詞が冒頭にくる主題歌『生きる』は、『キングダム』の世界観を忠実に再現しているといえるでしょう。
主人公を背中を押す「生きろ」の歌詞
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自分は小さな点の一つでしかない
その当たり前を突きつけてくるんだ
それなら
追いかけろ 問いかけろ
いっそ裸足のままで
血をたぎらせながら
≪生きろ 歌詞より抜粋≫
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『キングダム』は中華統一がテーマとなっており、大軍を率いた戦いが多く描かれる壮大な物語です。
大軍の中では誰でも自分の存在をちっぽけに感じてしまうでしょう。
「自分は小さな点のひとつでしかない」という歌詞は、主人公・信の心情を表していると考えられます。
激しい戦いの中で仲間が倒れていく様を見ながら、無力な自分に嫌気がさす瞬間もあるのかもしれませんね。
それでも、信は希望を捨てず、自分の力を信じて突き進んでいきます。
『キングダム』を通して、決して諦めない信の力強さに勇気をもらったファンも多いでしょう。
歌詞の「追いかけろ 問いかけろ いっそ裸足のままで 血をたぎらせながら」という言葉は、そんな信の背中を押す表現だと考察できます。
信自身が語っているようでもあり、信に向けた応援歌のようでもある歌詞が魅力的です。
「生きろ」に込められたMr.Childrenの決意
楽曲『生きろ』は、Mr.Childrenデビュー30周年を記念したベストアルバム「Mr.Children 2015 - 2021 & NOW」に収録されています。
作詞・作曲した桜井和寿は、『生きろ』という楽曲で、『キングダム』の世界観を表現しながら、デビュー30周年を超えたMr.Childrenのバンドとしての思いも表現しているのではないでしょうか。
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次第に
燃え盛る 湧き上がる
想いは今も変わらねえ
夢に跨ったまま
そこから
またひとつ 強くなる
失くしたものの分まで
刻まれた傷を道標にして
行こう
≪生きろ 歌詞より抜粋≫
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歌詞に出てくる熱い言葉たちは、デビュー30周年を超えても、なお「音楽」に命を燃やして生きていくんだというMr.Childrenの想いや夢を表しているのかもしれません。
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ここから
またひとつ 強くなる
失くしたものの分まで
思いきり笑える
その日が来るまで
生きろ
生きろ
≪生きろ 歌詞より抜粋≫
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コロナ禍のなかで迎えたデビュー30周年でしたが、「ここから またひとつ 強くなる」という歌詞にバンドの揺るぎない決意が込められているように思います。
『生きろ』というタイトルは、『キングダム』の登場人物だけでなく、Mr.Childrenというバンドや自分自身、あるいはこの楽曲を聴いているあなたにも向けられているのかもしれませんね。
1992年ミニアルバム「EVERYTHING」でデビュー。 1994年シングル「innocent world」で第36回日本レコード大賞、2004年シングル「Sign」で第46回日本レコード大賞を受賞。 「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「終わりなき旅」「しるし」「足音 〜Be Strong」など数々の大ヒット・シングル···