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Eve「Bubble feat.Uta」歌詞の意味は?壮大なスケールの切ない恋模様?

2022年4月21日に配信リリースされたEve『Bubble feat.Uta』。同年5月13日に劇場公開されたアニメーション映画『バブル』のOPテーマです。今回はそんな『Bubble』の歌詞の意味を考察します。

WIT STUDIO 制作映画「バブル」オープニング主題歌

2020年アニメ『呪術廻戦』第1クールオープニング曲『廻廻奇譚』で爆発的なヒットを飛ばしたEve

耳にすっと入り込むような透明感のある歌声や、バリエーション豊富な中毒性のある楽曲が多くの人を魅了している大人気アーティストです。

そんなEveが、2022年4月21日にデジタルシングル『Bubble feat.Uta』をリリースしました。

この楽曲は、WIT STUDIO 制作のアニメーション映画『バブル』のオープニングテーマとして書き下ろされたものです。

映画『バブル』は、降り注ぐ未知の泡(バブル)によって重力が壊れた東京を舞台に、特殊な聴覚を持つヒビキと正体不明の少女ウタが世界を沈没の危機から救おうと躍動する物語。

『Bubble』のMVでは、映画で描かれている壮大で美しい世界観とスピード感あふれるパルクール(ビルからビルへの疾走)が体感できます。

▲Eve - 『Bubble feat.Uta』【OfficialMusicVideo】

フィーチャリングに迎え入れられたUtaは、『バブル』でウタ役を演じたシンガーソングライター『りりあ。 』。

TikTokやYouTubeで人気に火がついた、エモーショナルな歌声と豊かな表現力が武器の今注目の若手アーティストです。

EveとUta(りりあ。)、男声と女声が織りなすクリアで疾走感のある楽曲『Bubble』。

果たしてその歌詞にはどのような意味が込められているのでしょうか。

会えない恋人を想う主人公


まずは1番の歌詞を見てみましょう。

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はりぼての飛行船の正体を
心の中に描き映した
抗うように思い出のアイロニー
明日を正しく迎える為
≪Bubble feat. Uta 歌詞より抜粋≫
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冒頭は「はりぼての飛行船」。そしてその正体を「心の中に描き映した」とあります。

「飛行船」は、重力という縛りから解放されたかのように悠々と空を漂うイメージでしょうか。

まるで「自由に会いたい人に会え、行きたい所に行ける未来」を象徴しているようです。

しかしそれは「はりぼて」。一見美しく立派に見えても、実態は大したことがないということになります。

続く「抗うように思い出のアイロニー(=皮肉)」は、「何らかの制限がある状態でも美しい思い出は積み重なっていく」といった解釈ができそうです。

以上から、一連の歌詞は「自由で魅力的に見える未来の美しさは、自由に思えない今の現実の美しさとそこまで変わらない」という気づきだと解釈できます。

そしてそれに気づいた人だけが「明日を正しく迎える」ことができるのかもしれません。

次の歌詞です。

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立ち止まることも知らない
この軌道上に居なくとも
道しるべになるような
この旗は折れることはない
≪Bubble feat. Uta 歌詞より抜粋≫
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「立ち止まることを知らない」ほど必死に人生を生きていけば、たとえ王道から外れても1つ1つの出来事は誰かの「道しるべ」になるということでしょうか。

何より「今、目の前にある道を全力で進んでいこう!」という力強さを感じる歌詞です。

そして次の歌詞からサビに繋がっていきます。一気に見ていきましょう。

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遠い過去の情景を
いつまでも見れるよう

叫んでいこうぜ 飛び越えて 舞って
弾けるこの想いも泡になって
君となら僕はまだ
この夜も超えてみせると

確かな声で 大地を蹴って
引力は僕たちを離さないまま
恐れないで 手を振るよ
銀河の隅っこから応答して
探してゆけるから
≪Bubble feat. Uta 歌詞より抜粋≫
----------------

「遠い過去の情景を いつまでも見れるよう 叫んでいこうぜ」は、いつか「今」を美しい「過去」として思い出せるよう直向きに生きていこう!といった解釈ができそうです。

一瞬一瞬を全力で駆け抜け、その瞬間ごとに考えていることや経験していることが「泡」のように弾けるイメージが湧いてきますね。

そして「君」の登場です。ここでは恋人と仮定しましょう。

「君」がいることで、この曲の主人公は「この夜も超えてみせる」と強気になれるようです。

その勢いのままに「大地を蹴って」躍動する主人公。

次にある「引力」は、主人公と恋人の「互いに惹かれ合う想いの力」を表しているのでしょう。

ただ、主人公の「手を振るよ」に続く「銀河の隅っこから応答して」という歌詞から、恋人は空の向こうにいる(=亡くなっている)という可能性が考えられます。

もしかしたらこの楽曲は「恋人を亡くした人の心境」をテーマにしているのかもしれません。

今を懸命に生きながらも、ふと夜空の向こうに恋人の影を探すような切なさが光っているように感じませんか。

互いを想い続ける二人


続いて2番の歌詞を見ていきます。

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触れることもできなくて
引かれ合う心はなぜ
夢の中を彷徨って
ただ歌うことをやめないで
≪Bubble feat. Uta 歌詞より抜粋≫
----------------

この部分はUtaのソロパートです。なので「天国にいる恋人視点」だと仮定できます。

現実を生きる主人公に「触れることもできない」状況下「引かれ合う心」が「夢の中を彷徨って」いる様子。

天国にいる恋人は、主人公の夢の中でさえ彼と触れ合えず彷徨っているのかもしれません。

いずれにせよ、主人公を恋しく思っていることは確かでしょう。

そんな恋人の願いは「歌うことをやめないで」。

主人公がEveと同じミュージシャンであるという想定も可能ですが、もっと広く「今この瞬間を自分らしく全力で謳歌してほしい」というようにも解釈できます。

次の歌詞を見てみましょう。

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特別なことなんていらない
伝えなくてもわかるように
二人だけの音が
この心を一つにした

想い描いた情景を
いつまでも見れるよう
叫んでこうぜ
≪Bubble feat. Uta 歌詞より抜粋≫
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映画『バブル』では、ヒビキとウタだけに聴こえる「音(=ハミング)」が物語のカギになります。

これをもとに推測すると「二人だけの音」とは「二人の共通点」を象徴する表現だといえそうです。

そして、曲中に見られる二人の共通点は「大切な人を想い続ける心」。

続く「この心を一つにした」という部分では、EveとUtaが声をそろえて歌っています。お互いを想い続ける気持ちの繋がりが感じられる1行です。

そんな二人が「想い描いた情景」とはどのようなものなのか。

おそらく主人公にとっては1番で述べられた「遠い過去(=生前の恋人との思い出)」、恋人にとっては「主人公の明るい未来」ではないかと推測できます。

そう考えると、主人公の「叫んでこうぜ」は「大好きだった恋人を忘れないで前に進もう!」、恋人の「叫んでこうぜ」は「大好きな主人公のこれからを応援しよう!」といった意味合いだと解釈できそうです。

夢の中での二人の再会


ここから終盤の歌詞に入っていきます。

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確かにある 目に映る
僕たちを繋ぐコンパスが
不確かな 目に見えない
心の奥をノックした
≪Bubble feat. Uta 歌詞より抜粋≫
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言うまでもないですが、「コンパス」は円を描くための道具です。

そして「コンパス」が繋いでいるのは円周とその中心。両者は決して交わることはありません。この点も、主人公と恋人との間にある物理的な隔たり(=生と死)を思わせます。

とはいえ、円周とその中心は「コンパス」を経由して繋がってはいます。

二度と触れ合えない「僕たち」ではありますが、ここまで見てきたように、互いに気持ちが繋がっていることは「確か」です。

よって「コンパス」は「主人公と恋人との精神的な繋がり」のシンボルであると考えられます。

そんな「コンパス」が「不確かな 目に見えない 心の奥をノックした」とのこと。

「心の奥」を潜在意識のような領域だとすれば、「心の奥をノックした」というのは「恋人が夢の中を訪ねてきた」という意味だと解釈できます。

2番では「夢の中でさえ彼に会えず彷徨っている」状態だった恋人。そんな彼女がここにきてようやく主人公と通じ合えたようです。

そして、それを演出するかのように、次の歌詞ではUtaとEveの掛け合いが展開されます。

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まだ 怖いから 離さないでね ずっと
ただ 君と 手を伸ばして ずっと
合図を待って 声の呼ぶ方へ

今ゆけ 惹かれあう引力で
≪Bubble feat. Uta 歌詞より抜粋≫
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Utaの「まだ 怖いから 離さないでね ずっと」と、Eveの「ただ 君と 手を伸ばして ずっと」。

恋人は「忘れ去られるのが怖いから、ずっと覚えていてほしい」、主人公は「君と一緒にいたいから、こっちに手を伸ばして」のように、互いの本音を伝え合っているように読み取れます。

そして、夢の中で互いの「声」が聴こえた瞬間、二人を隔てていたものが崩れ去り「惹かれあう引力」で互いのもとへ駆け出したのではないでしょうか。

「惹かれあう」の「あう」が平仮名表記なのは、「合う」と「会う」の両方の意味を含んでいるためかもしれません。

主人公と恋人が劇的な再会を果たしたところで、最後のサビに入ります。

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叫んでいこうぜ 飛び越えて 舞って
弾けるこの想いも泡になって
君となら僕はまだ
この夜も超えてみせると

確かな声で 大地を蹴って
引力は僕たちを離さないまま
恐れないで 手を振るよ
銀河の隅っこから応答して
探してゆけるから
≪Bubble feat. Uta 歌詞より抜粋≫
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歌詞は1番と同様ですが、「亡くなった恋人と夢の中で再会した」という状況を踏まえると感じ方は変わりそうです。

1番のサビの考察では「現実の今を必死に生きながら、ふと恋人のことを思い出す」というような情景を想定していました。

一方、ラストのサビからは「何一つ縛りのない夢の中で恋人と自由に大地を駆ける」ような情景が想像できます。劇中やMVで描かれているパルクールのようなイメージです。

最後の「探してゆけるから」も、1番の「夜空の向こうに恋人の影を見る」という静かな情景より、「夢を通じてこちらから会いに行く」といったアクティブな様子が感じ取れます。

ただ、これらはあくまで夢の中の話。

現実的に見れば二人が会える時間は泡のように儚いものでしょう。

それでも銀河の向こうから見守っている恋人を想いながら、今ある現実において主人公が「夜を超えてみせる(前に進む)」結末になることは想像に難くありません。

映画「バブル」も要チェック!

今回はEve『Bubble feat.Uta』の歌詞の意味を考察しました。

楽曲のスケールや歌声の透明感も相まって、物理現象を超越するような壮大なラブストーリーをイメージできる歌詞でしたね。

もちろん、この楽曲は映画『バブル』のために作詞作曲されたものなので、映画のストーリーや結末を絡めた考察もできるでしょう。

ヒビキとウタの関係性をメインに歌詞を読み解いていくのも一興だと思います。

ぜひとも映画『バブル』とも照らし合わせて、自分なりの歌詞考察を楽しんでみてください。

2枚の自主制作アルバムを経て、2016年に全国流通盤「OFFICIAL NUMBER」をリリース。 2017年12月13日発売のインディーズアルバム「文化」は初の全自作曲のみで制作され、収録曲「ドラマツルギー」は1億回再生を突破。 YouTube 登録者数は369万人を上回る。 2018、2019年のワンマンライブは1···

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