ゆずの新曲は小説家・宮下奈都とのコラボレーションソング
ゆずが5月18日に新曲『明日の君と』を配信リリースしました。
『明日の君と』はNetflix配信番組『未来日記』シーズン2の主題歌として書き下ろされた楽曲。
作品『羊と鋼の森』などで知られる小説家の宮下奈都が作詞、ゆず・北川悠仁が作曲を担当したコラボレーションソングとしても話題です。
そんな『明日の君と』の歌詞の意味を考察していきましょう。
----------------
どんなふうに笑ったとか
どんなことで怒ったとか
何を見ても君を思い出す
明日の君の隣にいたい
言えなかった
はら はら はら Huu
≪明日の君と 歌詞より抜粋≫
----------------
冒頭の歌詞から思い浮かぶのは、主人公が「君」と過ごした日々を振り返っている様子。
一緒に見たものや聞いたものをきっかけに、その人と過ごした出来事を思い返すこともあるでしょう。
「明日の君の隣にいたい」という言葉は、「この先もずっと君といたい」とも読み替えられそうですね。
しかし、そんな想いを主人公は「君」へ伝えられなかったようです。
----------------
君の欠片が こぼれそうな街で
ただ そばにいられれば うれしかった
僕にできることを 探していたんだ
でも 月はずっと欠けたままで
≪明日の君と 歌詞より抜粋≫
----------------
「うれしかった」「探していたんだ」と過去形で綴られる歌詞が続きます。
ここまでの歌詞を踏まえると、主人公と「君」は既に離れ離れになってしまっていると解釈できるのではないでしょうか。
決して満月にはならない「欠けた月」という表現からも、すべてが順風満帆にいかなかったことが想像できそうです。
2人に待つ不安気な未来
----------------
どんな夜もそばにいて
どんな夢も語り合って
こんな日々が続くと思ってた
ためらう君の背中を押す
さあ もう行って
≪明日の君と 歌詞より抜粋≫
----------------
主人公と「君」にはそれぞれ夢があり、お互いの夢を打ち明けあっていたのでしょう。
「ためらう君の背中を押す」「さあ もう行って」などの歌詞からは、夢を追う「君」を主人公が送り出したことが読み取れます。
「君」が夢を叶えるためには、どこか遠くの地へ行く必要があったのでしょう。
もしかしたら、「君」も主人公と離れるのが嫌で、夢を諦めるべきか迷っていたのかもしれません。
しかし、「君」の夢が叶うようにと、自分の気持ちを押し殺して「君」を見送った主人公。
お互いの心情を考えると切なさが伝わってきますね。
----------------
波間ではしゃいで
砂浜に寝ころんで
ふたりで昼間の月に手を伸ばした
ふと 翳るまなざし
もしかすると君はもう あのとき
違う未来を見ていたのかな
≪明日の君と 歌詞より抜粋≫
----------------
続く歌詞で描かれているのは、一緒に海を訪れた主人公と「君」の姿でしょうか?
一見幸せそうな様子ですが、「君」の「翳るまなざし」や、それに気づく主人公から、2人の想いが徐々にすれ違い始めているのが読み取れます。
昼間に空に浮かぶ月は、夜ほどハッキリとは見えません。
明るさに欠ける月が、2人の不安気な未来を象徴しているようにも思えます。
ラストの歌詞の主人公の心情は?
時の流れが僕らを変えても
ただ ともに歩ければ うれしかった
時が経てば姿や考え方も自然と変わっていくもの。
たとえこの先一緒に過ごしていったとしても、ずっと仲の良いままではいられないかもしれません。
しかし「それでもいいから一緒にいたかった」のが主人公の本音なのでしょう。
「明日の君の隣にいたい」と思いながらも言えなかった、主人公の苦しさが伝わってくるようです。
----------------
どんなふうに笑ったとか
どんなことで怒ったとか
何を見ても君を思い出す
あの日の君を抱きしめたい
会えなくても 信じている
顔上げるよ 忘れない
未来に笑えるよう
≪明日の君と 歌詞より抜粋≫
----------------
ラストでは、冒頭と同じフレーズが再び登場します。
しかし、後半の歌詞からは、主人公が気持ちを切り替えようとしているのが読み取れるのではないでしょうか?
「君」のことを忘れないとしながらも、顔を上げて前向きに生きていくと誓う主人公。
続く「未来に笑えるよう」は主人公自身に向けた言葉とも「君」へ向けた言葉とも捉えられそうです。
ラストの歌詞には、夢を追う「君」への主人公からのエールが込められているのかもしれません。
主題歌となっている「未来日記」とあわせてチェック!
ゆず『明日の君と』の歌詞の意味を考察しました。まるで一遍の小説のような歌詞で、自然と情景を思い浮かべて聴いてしまう方も多いのではないでしょうか。
なお、主題歌となっている『未来日記』は、未来の出来事が書かれた日記の通りに男女が過ごしていく恋愛リアリティ番組。
たとえ男女2人が本気で恋に落ちたとしても、最後には日記に書かれている通り別れなければなりません。
そんな『未来日記』の要素を踏まえると、歌詞の見方もまた変わってくるのではないでしょうか。
ぜひ『未来日記』とあわせて、ゆず『明日の君と』を聴いてみてくださいね!