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ろーある feat.初音ミク「感情ディシーブ」歌詞の意味は?不幸な人生に苦しむ主人公の心情を考察

2022年春のボカコレで存在感を放ったろーある feat.初音ミクの『感情ディシーブ』。キレキレのサウンドに乗せてリズミカルに紡がれる歌詞から、主人公が抱える複雑な気持ちを考察していきます。

期待の新星ろーあるの新曲「感情ディシーブ」

▲ろーある feat.初音ミク - 『感情ディシーブ』【OfficialMusicVideo】

2021年デビューの新生ボカロP・ろーあるが、2022年5月5日に2作目となる『感情ディシーブ』を発表しました。

この楽曲はネット最大のボカロイベント「The VOCALOID Collection(ボカコレ)」2022春のルーキー部門で1位を獲得し、TOP100ランキングでも堂々の2位にランクインした今注目のボカロ曲です。

「ディシーブ(deceive)」には「だます・欺く」といった意味があります。

そのため、タイトルの「感情ディシーブ」は自分自身の感情をだますという意味が込められていると解釈できます。

どのような内容なのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。

希望の先にあるのは絶望?


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綺麗事を並べて偽り続けた
いくらあったって薄っぺらいまんまだから
要らないや

希望の先に絶望があることを知った
いずれ終わっちゃうなら端から始まりも
要らないや
≪感情ディシーブ 歌詞より抜粋≫
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冒頭から主人公の暗い胸の内が見えてきます。

「綺麗事を並べて偽り続けた」のは、周囲から見える自分の姿なのかもしれません。

しかし綺麗事は所詮「薄っぺらい」ものだから、どれだけ重ねようと無意味であることにも気づいています。

また、希望を持ったところでその先にあるのは絶望だということを、身を持って知っているようです。

いずれ終わってしまうものなら、最初から希望なんて持たない方がいいと感じていることが分かります。

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Q. 終わりがないものって?
A. まだ始まってないもの
『いつか』を夢見たって現状変わんないさ
≪感情ディシーブ 歌詞より抜粋≫
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この楽曲の「Q」と「A」のやり取りは、主人公の問いかけに誰かが答えている場面だと考察しました。

希望でさえ終わってしまうものだと知っている主人公は、この世界に終わりがないものなんて存在するのだろうかと考えているのでしょう。

それに対して「まだ始まってないもの」という回答が返ってきます。

まだ始まっていないから終わりもないという考えは間違ってはいませんが、屁理屈のようにも聞こえてしまいます。

「『いつか』を夢見たって現状変わんないさ」と、始まっていないことに期待してもどうにもならないという主人公の言葉の通りです。

マイナス方向に進むだけ


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最大幸福絶頂の前兆ならまだ
その『いつか』ってなんでいつまでも来ないんだい
マイナス方向に一方通行の傾向があるようで
期待したって無駄な気がしちゃうわ
≪感情ディシーブ 歌詞より抜粋≫
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この現状が「最大幸福絶頂の前兆」、つまり大きな幸せを掴む前触れなのだとしたら、始まりがいつまでも来ないのはどうしてなのかと疑問を投げかけます。

すぐそこまで幸せの瞬間がやってきているのなら、自分が苦しみ続けていることに説明がつかないと訴えているのです。

それはまるで「マイナス方向に一方通行の傾向があるよう」。

悪い方向へ進むことが必然であるかのように思えて、「期待したって無駄な気がしちゃうわ」とこぼしています。

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期待の先に失望があることを知った
心擦り減ってもう形も分かんないよ
儚いなあ
≪感情ディシーブ 歌詞より抜粋≫
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期待が無駄に感じるのは、過去に裏切りや失望を味わった経験があるからなのでしょう。

そのせいで心を擦り減らしていて、本来の自分の思いまで見失ってしまっているようです。

「儚いなあ」という言葉も他人事のようで、自身の気持ちに鈍くなっている様子が垣間見えます。

期待したいのにできない現実


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Q. なんで自分ばっか不幸なんですか?
A. 皆も辛い思いしています
Q. 他人の辛さ関係なくないですか?
A. …
不幸は蜜の味か
≪感情ディシーブ 歌詞より抜粋≫
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あまりの苦しさに「なんで自分ばっか不幸なんですか?」と問いかけてみても、その人は慰めるわけでもなく「皆も辛い思いしています」と答えるだけ。

自分の不幸に他人の辛さは関係ないはずだと反論すれば、それが図星だったのか相手は黙り込んでしまいます。

結局人の「不幸は蜜の味」で、自分よりも不幸な人を見て安心する心根の醜さを思い知らされるような気分になります。

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最小幸福→嫉妬・劣等感 負の連鎖
世の広さってもんを知らなけりゃ良かった
反省大会終了「まあいっか」って思えたら
見たい世界見れるのかな
≪感情ディシーブ 歌詞より抜粋≫
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「最小幸福→嫉妬・劣等感」の歌詞は、人の感情をシンプルに表現したものです。

自分の手の中にある幸せの小ささが他者への嫉妬や劣等感を生み、そうした負の感情のせいで幸せを掴めずにまた嫉妬や劣等感が沸き立つ。

いわゆる「負の連鎖」が起こってしまいます。

「世の広さ」は自分より優れている人が、あふれるほどいる現実を指しているのでしょう。

自分だけの狭い世界にずっといられたら、こんなに不幸を実感することもなかったのにと落胆しています。

自分の弱さも周囲の目も「まあいっか」で片付けられたら「見たい世界見れるのかな」と想像するところに、やはり期待を捨てきれずにいる様子も感じ取れますね。

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最大幸福絶頂の前兆ならまだ
その『いつか』ってなんでいつまでも来ないんだい
マイナス要素はいっそ逆転発想でプラスへ
虚栄を張って期待したって無駄な気がしちゃうわ
≪感情ディシーブ 歌詞より抜粋≫
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いつまでも来ない「いつか」を、主人公はもう諦めかけているようです。

自分の悪い部分や不幸といった「マイナス要素はいっそ逆転発想でプラスへ」変えられたらいいのに。

そんな期待も「無駄な気がしちゃうわ」と、期待したい気持ちと無意味だと否定する気持ちが心の中でせめぎ合っています。

ボカロ界の注目ルーキーを見逃すな!

ろーあるの『感情ディシーブ』には、自身の本当の感情を偽りながら不幸な現実に耐えている主人公の思いが歌われていました。

期待しては裏切られてきたからこそ、これ以上傷つかないように期待することをやめようとするのは主人公なりの自己防衛なのかもしれません。

この楽曲を通して、ボカロ界で注目されるろーあるの高い音楽性とメッセージに触れてみてくださいね。

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