今回はそんな彼女たちにインタビューを敢行。
島村嬉唄、逃げ水あむ、兎遊たおの3名にE.P.のことはもちろん、アイドルを志した理由やグループの強みについて話を聞く。
和気あいあいとした雰囲気をぜひ文面から感じてほしい。
3人はなぜアイドルになったのか
──きゅるりんってしてみての皆さんはUtaTen初登場ということなので、まずは皆さんのアイドルを志した理由をお伺いしたいのですが。逃げ水あむ:私はアイドルをやるつもりは本当になくて。誘われたりは多々あったんですけど、そこまでやりたいかと言われたら違うかなと思っていて、全部断ってきてたんですよ。でも今回はたまたま運がよく、プロデューサーにSNSで声を掛けられたんですけど、そのときに私以外の他のメンバーの名前を聞いて、なんかイケる気がしたんです。このメンバーとならやってみてもいいかもって。
──漠然と手応えがあった?
逃げ水あむ:そうなんですよ。イケる気がするな~って。このメンバーとならやりたいって思えて、今回やってみました。
島村嬉唄:光栄です! ありがとうございます(笑)。
──兎遊たおさんはどうですか?
兎遊たお:私はもともと高校生のときに友達に「一緒にアイドルをやろう」と誘われたんですが、当時はアイドルを全く知らなかったんです。だからアイドルになったのは友達キッカケですかね。でもそのグループは長続きせず、そのほかにもテレビのお仕事でアイドル活動をしていたんですが、それも辞めて。私の中ではアイドル活動は高校生までかなと正直思っていたんですけど、きゅるしてにスカウトされて。やっぱりアイドルって楽しいなと思い今ここにいる感じですね。
──なるほど。島村嬉唄さんはどうですか?
島村嬉唄:私も昔一度アイドル活動していたことがあって。半年くらいで辞めちゃったんです。そこから普通に一般人として高校生活を送って働いていたしSNSでも「アイドルになることはない」と宣言していたんですけど、私もプロデューサーさんにSNSで声を掛けられて。正直、すごく悩んだんですけど「一度レッスンに来て、決めたらいいよ」と気軽な感じで呼んでいただいて、それで行ってみたら「やばい、楽しい」ってなって。そこでメンバーも聞いてすごい子たちが集まっているし、これはすごいグループになるぞと思ってまたやり始めました。
──じゃあ、皆さん基本的にはプロデューサーさんのスカウトがキッカケなんですね?
逃げ水あむ&兎遊たお&島村嬉唄:そうですね!
──逃げ水さんに関してはやるつもりはなかったとおっしゃっていたけど、もともとアイドルには興味がなかった?
逃げ水あむ:うーん、推しって感じはなかったですけどアイドルは好きでした。MVとかいろいろ観ていたし、可愛い女の子は好きな方でした。でもいざ自分がアイドルになりたいかって言われたらそうじゃない。でもきゅるりんってしてみてならアイドルの道に足を踏み入れてもいいかなって思えたというか。
──それはなぜ? 強いメンバーが揃っていたから?
逃げ水あむ:そうですね。どうせやるなら自信を持ってやりたかったんです。とはいえメンバーが強いから結果的には自分に自信はないんですけど……。だけど、これだけ周りが凄かったら頑張れるかもって思ったんです。
──なるほど。そうやって思わせてくれるメンバーってすごいですね。兎遊さんはアイドルをやってみてどうですか? 再びアイドルを始めたわけですけど。
兎遊たお:難しい……(笑)。特にMCが難しいです。
島村嬉唄:間違いないね(笑)。
逃げ水あむ:実践的な悩みだね(笑)。
兎遊たお:特に対バンでのライブが難しいです。私たちのファンじゃない人に向けてどう話せばいいか分からなくて、申し訳ない気持ちになる(笑)。
──島村さんも一度アイドルから離れて今があるわけですけど、心境的な部分はどうですか?
島村嬉唄:全然環境が違うけど、今はすごくのんびりやらせてもらっていて。昔は年齢も幼くて細かいことは分からず目の前にあることをがむしゃらにやっていた感じだったけど今は自分で考えて、自分の好きなようにできるのですごく楽しくやらせてもらっていますね。
自然体な仲の良さが魅力!
──逃げ水さんが言うように、すごく強いメンバーが集まったオールスターチームな気がするんだけど、改めてきゅるりんってしてみてはどんなグループですか?逃げ水あむ:とにかく私は、みんなが可愛いなって思う(笑)。顔がここまで可愛くてこんなに仲がいいグループは他にはないと思う!
島村嬉唄:確かに仲良しですね。
逃げ水あむ:よく例えているのは、JKのお弁当を食べるグループみたいな。みんな違うクラスなんだけど、集まって絶対お昼ご飯を食べるみたいなくらいの仲の良さって例えていて。なんか見えているものが嘘であって欲しくないと思うんですよ、アイドルって。きゅるしてって見えているものが全てなんですよね。そこがいいところだと私は思う。
──見えてるものっていうのはお客さんから見てるものということ?
逃げ水あむ:そうです。
島村嬉唄:確かに変わらないもんね?
逃げ水あむ:MCがあんなにグダグダなのは、何も取り繕わないでいる証拠だし、いつも通りに楽屋で喋っているようにしているからだよって。まあ、それはレベルアップすべきなんだけど……(笑)。
──いいですね! 仲がいいの他には何かありますか?
島村嬉唄:それぞれ個性があってキャラが立っている感じのイメージがありますね。でもそれも作っている訳ではなくて、自然とひとりひとり個性があるなって思う。だから見ていて面白いグループだと思いますね。
兎遊たお:確かにこういう取材のときも大体服装も違うもんね。同じテーマなのに系統が全部違うんですよね。
逃げ水あむ:テーマを決めて衣装を持ってくるときがあるんですけど、例えば、メイド服とかチャイナドレスとか。みんなバラバラのテイストになるんですよ。
島村嬉唄:相談しなくてもバラバラだね(笑)。いい感じに個性が分かれてる。
──今日は3人で取材ですけど、環やねさんとチバゆなさんについても少し教えてもらってもいいですか?
島村嬉唄:おおー! 大事な役割だ(笑)。
逃げ水あむ:けっこう大事なメンバーが今日いないんですよね。みんな大事だし、誰が休んでもボヤけちゃうんだけど、今日は特にボヤけちゃうかも。
島村嬉唄:MCが得意ではないメンバー3人が来ちゃいましたから(笑)。おしゃべりが上手な2人がお休みなんです。
兎遊たお:やねちゃんは、見た目が綺麗系だけど実はなんか可愛いんだよね~。
島村嬉唄:なんか幼稚園児みたいなときがありますね(笑)。リーダーなんですけどね。
兎遊たお:大人っぽいんだけどね。
島村嬉唄:いちばん見た目とのギャップがある子ですかね、やねちゃんは。
逃げ水あむ:それじゃあ、損しちゃうよっていう状況でも周りを優先するイメージがあるな。
島村嬉唄:超がつくほど真面目ですね、ストイック。本当に偉いよね、やねは。
──チバゆなさんさんはどんな人ですか?
兎遊たお:ユナは、人を楽しませたり、そういう心があるよね?
島村嬉唄:いちばん年下なんですけど、いちばん周りが見えるというか。いつも面白いことをして楽しませてくれる一面もある人。結論、みんな優しいんだよね?
逃げ水あむ:優しいよ!
島村嬉唄:ユナちゃんは独特の世界観がある。マイワールドを持っていますね。
大好きな4曲が集まった『YEAH!! YEAH!!』E.P.
──メンバーの人となりとグループについて知れたところで、今回のE.P. 『YEAH!! YEAH!!』について伺っていこうと思います。収録される4曲のバランスがすごくいいなと聴いていて感じたんですけど、皆さんにとってどんなE.P.に仕上がりましたか?逃げ水あむ:今まで出したきゅるしての全9曲の中でいちばん好きな4曲が集まった感じがします。好きな曲しかない!
兎遊たお:パッケージもロック系な感じだし、ちょっといつもとは違うのかな?
島村嬉唄:確かにね、いつものきゅるしてじゃないかもね。
──確かにパッケージのイメージはいつもとは異なりますね。ちなみにそれぞれ、1曲ずつ好きな曲を選ぶとしたら?
兎遊たお:私は『いらんこといわんこ』。
島村嬉唄:あら~、そうなの!?
逃げ水あむ:それぞれに良いポイントがあるから迷うな~。
──いいですね! じゃあ、その良いポイントを教えていただいていいですか?
兎遊たお:『イェイェ』と『いらんこといわんこ』はどちらも盛り上がり曲なんですけど、『イェイェ』は踊りの振りが好きなんですよ。
島村嬉唄:確かに『イェイェ』は踊っていて楽しい!
逃げ水あむ:ライブも楽しいよね。
兎遊たお:ワクワク感とウキウキ感があるんだよね、『イェイェ』には。
逃げ水あむ:バンドっぽい曲も初なんじゃないかな?
──cinema staffの三島さんが手がける曲ですね。
逃げ水あむ:そうなんですよ! バンド系の曲が初めてだから、どういう理論か分からないんだけど、ライブが楽しいんですよね。
──ライブ映えする感じが確かにありますよね。
兎遊たお:ありますよね!
──では、2曲目の『ジェリービーンズ☆シューター』はどうですか?
兎遊たお:これはやっぱりメンバーカラーが歌詞に入っているところじゃないですかね。
島村嬉唄:今まで自己紹介ソングが私たちにはなかったんですけど、初めてメンバーカラーが歌詞に入っていてお客さんからも分かりやすいし、良いなって思いますね。
──なるほど。では、3曲目の『クリームソーダ』はどうですか?
逃げ水あむ:この曲は久々の神秘的曲ですね。
兎遊たお:E.P.の中では急に雰囲気を変える曲というか。
逃げ水あむ:明るい曲の中にこういう曲があるとなんだかエモくなりますよね。
──確かに。この曲があるからE.P.の強度が増している感じがありますよね?
逃げ水あむ:まとまっていますよね。
──最後の『いらんこといわんこ』はどうですか?
兎遊たお:これはとにかく楽しい曲!
逃げ水あむ:以前、ライブに両親が来てくれて終わった後にご飯を一緒に食べたんですけど、開口一番に「『いらんこといわんこ』はすごい曲だね!」と言っていて(笑)。「聴いたことがない曲だ」って。それはおそらく歌詞のことも言っていると思うし、曲調についても言ってると思うんですけど、それだけインパクトがある曲なのかなと思います。ジャンルに囚われていないから形容し難い、唯一無二の曲ですね。いい曲ですね!
それぞれが選んだ好きなフレーズ
──本当に好きな4曲が集まった感じが伝わってきました。続けて、この4曲の中でお気に入りのフレーズはあったりしますか?兎遊たお:私は、『ジェリービーンズ☆シューター』のみんなが一人ずつ色を言ったら、〈揃ったら最強!〉ってとこがあるんですけど、そこからサビに行く流れがすごく好きです。歌っていても「ワオ!」ってなる(笑)。
島村嬉唄:私は『クリームソーダ』で歌詞は韻をけっこう踏んでいるんですけど、〈酔えない魔法〉とか〈飲めないわ、もう〉とか、一番と二番で韻を踏んでいるフレーズが可愛いかなと思いますね。
逃げ水あむ:私は、2ついいですか(笑)。
──もちろん!
逃げ水あむ:ライブでお客さんに投げかけるという意味で好きなんですけど1つは『イェイェ』の〈みて みて みて わたしのことだけ見てて!〉のところを毎回違うお客さんに向けてやるんですけど、ここはお客さんにとってライブに来てよかったポイントというか。あとは、これも似たような動機ではあるんですけど、『いらんこといわんこ』もファンに投げかけるフレーズが何個かあって。〈ブーメラン君刺さってない?わかってない?やってんな、うぉい。〉というフレーズもお客さんに向けてやりますね。ただの歌詞ではなくお客さんに投げかけているフレーズは好きですね。
──『イェイェ』の歌詞は、〈すれ違ったあのひと なんだかいい匂いだった〉とか、〈後ろからハグして大好きなスメル吸い込んだ〉とかけっこう匂いにフォーカスした歌詞が印象的だと思うんですけど、実際に匂いで振り返ったりしたことはあります?
兎遊たお:お腹が空いていたら、振り返っちゃうかも。美味しそうな匂いがしたりしたら。
島村嬉唄:そういうことじゃないんじゃない?(笑)。
逃げ水あむ:でも匂いって大事ですよね。印象に残るというか。記憶と一緒に匂いも思い出す感じ。例えばさ、おばあちゃんの家の匂いとか。「懐かしい!会いたい!」という気持ちになっちゃいますよね。だから、匂いけっこう重要なものだと思う。
──なるほどね。でも人間は匂いの記憶がけっこう残るみたいですよ。
逃げ水あむ:絶対そうですよね!
島村嬉唄:いい匂いになろっ! みんなの記憶に残ってほしい!
逃げ水あむ:でもユナはそのテクニック使っているんですよ!
兎遊たお:確かに、ユナの匂いってすぐ分かるし、ファンの方までユナって感じの匂いがする!
──それは、すごいな(笑)。じゃあ、匂いは大事ってことですね?
逃げ水あむ&兎遊たお&島村嬉唄:そうですね!
夢は海外進出と武道館ライブ
──7月17日から東名阪ツアーがスタートしますが、このツアーはどんなツアーにしたいと考えていますか?逃げ水あむ:今回のツアーは『YEAH!! YEAH!!』がメインだと思うんですけど、収録される4曲って誰の1番にもなり得る曲たちだと思うんです。もちろんお客さんの好みの問題ではあるけど、どの曲もすごく力の入ったものだから、それを聴いて、きゅるしてって曲いいじゃんってなってほしいです。
兎遊たお:去年とは違う印象を与えたいよね。
逃げ水あむ:そう! 今応援してくれてるファンの方たちに「曲もめっちゃいい」って思ってほしいし、曲がいいからライブに行こうかなって思う人を増やしたいなって思いますね。
兎遊たお:名古屋と大阪の人もファイナルの東京にもう一度行きたいって思わせるライブにしたいよね! 余韻も残したいです。
島村嬉唄:頑張りたいね、本当にね!
──最後に、今後の目標を教えてください。
逃げ水あむ:目標かあ~。
兎遊たお:この3人で決めちゃっていいのか……(笑)。でも私は海外ツアーはしてみたいな。
島村嬉唄:そうだね、もっと広く活動できたらいいなって思います。
逃げ水あむ:でもさ、世界にファンができたら人気が出たなって思わない?
島村嬉唄:思う! 本当にすごいことだよね。
──海外進出はいい目標ですね。ちなみに国内でライブやってみたい会場はある?
兎遊たお:それは、アレしかないないじゃない? ね?
島村嬉唄:そうだね。
逃げ水あむ:そうね、いずれ絶対100%、武道館には立ちたいです。でもダラダラやりたくない。やるならスピード感を持って行きたい!
兎遊たお:そうだね! そのためにMCをもっと磨いていかなきゃいけないね!
TEXT 笹谷淳介
PHOTO Kei Sakuhara