高校野球応援ソング「栄光の扉」を考察!
優しい歌声と温かい歌詞でリスナーに癒やしを与える平井大。2022年5月9日には約3年ぶりとなるCDアルバム『HOPE / WISH』を発売した大人気シンガーソングライターです。
そんな平井大が同年7月18日、新曲『栄光の扉』を配信リリース。
この楽曲は、2022 夏の高校野球応援ソング /『熱闘甲子園』テーマソングとして書き下ろされたものです。
『栄光の扉』に込めた想いについて、平井大は「勝ち負けのさらに先にある未来に、ポジティブな感情で臨んでいってほしい」とコメントしています。
青春を野球に投じる高校球児の背中を押す楽曲『栄光の扉』。
そんな優しい夏うたの歌詞には、一体どのような情景やメッセージが綴られているのでしょうか。
夢は裏切らない
まずは1番の歌詞から考察していきましょう。
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思いつきみたいな夢
笑われた時もあったね
それでも必死に追い求め走ってきたよね
自分を疑った時
理想、諦めそうな時でも
日が暮れるまでがむしゃらに掴まってた
そんなキミを知っているから
夢はそんなキミを裏切らないんだ
≪栄光の扉 歌詞より抜粋≫
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「思いつきみたいな夢」とは、甲子園出場や優勝のことでしょうか。
他人から笑われたり自信を失いかけたりしながら、必死に練習に励む球児の姿が思い浮かびますね。
ひた向きに努力を重ねる「キミ」。
そして「夢はそんなキミを裏切らない」と続きます。
誰から見ても、夢に向かって頑張っている人には報われてほしいものです。
続いてサビの歌詞に入ります。
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勝敗がもたらすドラマの向こうに
それぞれを待っている栄光の扉が
必ずあるんだ
人目も気にせずに泣いて笑って
走り抜けたこの夏、一番長く熱かった
夢のその続きへ
輝け、いま誰よりもその涙
過ごした時間の数だけ
強くなってきたはずだから
さぁ、胸を張れ。
≪栄光の扉 歌詞より抜粋≫
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「勝敗がもたらすドラマの向こう」とは、勝利して報われた後の人生や、敗北して涙を呑んだ後の人生のことだと解釈できそうです。
曲名にもなっている「栄光の扉」は、勝っても負けてもその経験が糧となって開かれる「明るい未来への入り口」なのではないでしょうか。
甲子園出場や優勝といった夢が叶っても叶わなくても、そこを目指して駆け抜けた「この夏」という過程が「夢の続き」へ導いてくれるという前向きなメッセージが読み取れます。
流した涙が嬉し涙でも悔し涙でも、鍛錬の積み重ねで心身ともに「強くなった」ことは明白です。
このサビでは、確実に成長を遂げた球児たちへ、最後は凛々しく「胸を張れ。」と伝えているのでしょう。
勝ち負け以上の財産
ここからは2番以降の歌詞を考察していきます。
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泥まみれの思い出
青臭くてちょっと照れるね
それでもそれは誇れる歴史の1ページだ
何もやらないで指差す
誰かより やって転んでる
人の方が未来でモテるみたいだからさ
そんなキミの夢が好きなんだ
そして夢はそんなキミを裏切らないんだ
≪栄光の扉 歌詞より抜粋≫
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「泥まみれの思い出」も「誇れる歴史の1ページ」。
ユニフォームを泥だらけにして練習に打ち込む高校球児が想像できますね。
そんな一生懸命な彼らですが、ときに冷めた人間に馬鹿にされることもあるのかもしれません。
「何もやらない誰かより、やって転んでる人の方が未来でモテる」という考え方からは、核心的でありながら少し単純な、十代の青さが絶妙に伝わってきます。
そんな照れ隠しが混ざったような言い分で、着実に努力を重ねる「キミ」。
夢がそんな「キミ」を好きになるのも納得できますね。
続いてサビの歌詞です。
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運命がもたらすドラマの向こうに
どこよりも眩しい栄光の扉が
明日を待ってる
人目も気にせずにただがむしゃらに
走り抜けたあの夏、一番長く熱かった
瞬きのその続きを
≪栄光の扉 歌詞より抜粋≫
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「運命がもたらすドラマの向こう」とは、実力以外の要素が絡んだ「数奇な結末の向こう側」といったニュアンスでしょうか。
実際のところ、努力は必ず報われるとは限りません。
納得できない結果に終わることもあるでしょう。
それでも「がむしゃらに走り抜けたあの夏」という形で、練習に励んだ一人一人にとって未来の財産になることは想像できます。
長い人生の中では「瞬き」のような1ページでも、今後の自分を形作るうえで大切な基盤になるのでしょうね。
次は最後のサビです。
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勝敗がもたらすドラマの向こうに
それぞれを待っている栄光の扉が
必ずあるんだ
人目も気にせずに泣いて笑って
走り抜けたこの夏、一番長く熱かった
夢のその続きへ
輝け、いま誰よりもその涙
過ごした時間の数だけ
強くなってきたはずだから
さぁ、前を向け。
輝け、いま誰よりもその涙
過ごした時間の数だけ
強くなってきたはずだから
さぁ、胸を張れ。
≪栄光の扉 歌詞より抜粋≫
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勝ち負けも大事である一方、そこに至るまでに努力した過程が明るい未来を切り開く。
血のにじむような鍛錬の果てに強くなった「キミ」は、試合結果以上の価値ある成長を成し遂げているはずです。
「さぁ、前を向け。」や「さぁ、胸を張れ。」は、ひとつ成長した彼らの背中を押す、強く優しいエールだといえるでしょう。
報われなくても胸を張れ
今回は、平井大『栄光の扉』の歌詞の意味を考察しました。
泥臭い努力を必死に積み上げる球児たちを優しく包み込むような、温かみのあるメッセージソングでしたね。
メインテーマとなっている高校球児に限らず、目標に向かってがむしゃらに頑張っている人にとっては染みる歌詞だったのではないでしょうか。
一般に、どれだけ頑張っても報われない努力があるのは事実です。
諦めることが正解になる局面もありえます。
しかし、今この瞬間が苦痛であっても、未来は明るいかもしれません。
そんな未来があると信じて、それぞれが前を向き、胸を張り、栄光の扉に手をかけるときを迎えられるといいですね。