新しい出会い・旧知の仲。たくさんバンドが集まる今回のツアー。
ボーカル・PONがどんな男なのか少し紐解けたところで、インタビュー前半戦は終了。ikoma、たく、LOVE大石の3人にも参加していただき、2マンツアー「TeToTeToTe」について話を聞いていこうと思う。まずは、ツアータイトルに込めた想いから紐解く。──9月から2マンツアー「TeToTeToTe」が開催されますが、ツアータイトルに込めた想いから教えてください。
PON:『Hand』という曲ができたので、それに紐付く、それを掲げていくツアーにしたいなというところでこのタイトルなんですけど。1個目のTeは僕らの手なんですよ、2個目は2マンやから一緒にやってくれる仲間の手で、3個目のTeが観に来てくれるみんなの手。ちゃんと手と手と手を繋いでイェイ!ってことになれればいいなと思ってつけたタイトルです。
──今回のツアーに呼んだバンドの関係性であったり、経緯を教えて頂きたいんですが、まずは9月17日 福岡のDeep Sea Diving Clubから教えてください。
PON:このバンドは実は面識は全然なくて、対バンもしたことないし、ライブも観たことないんですけど、このツアーをやるにあたって馴染みの深い人たちばっかりでやるんじゃなく、新しい友達も作って行こうじゃないですけど、新しい風を少しでも呼び込んで刺激になるようにということで福岡のイベンターさんにご紹介していただいてという感じになります。
──初めてなんですね。楽曲などを聴いてみて、どんな印象を抱かれました?
LOVE大石:いまの流行的なサウンドが盛り込まれているバンドだなって。僕らにはない部分というか、そこを聴いて感じたので、僕らとしても勉強になる楽曲が多い印象ですね。
──ラックライフ的にも新たな刺激がもらえそうな予感がある。
PON:そうですね!今まで仲良くしてきたバンドの中にはなかなかいないタイプと言いますか。僕らがライブハウスで頑張っていたときにはいなかったタイプのバンドなので、どんなライブをするかも楽しみですし、自分たちのライブがどう映るのかっていうのもすごく楽しみなところではありますね。
──それでは、次に9月19日 神戸のVarrentiaです。
LOVE大石:2020年に『アオイハル』というシングルを出して、それのツアーで2マンツアーを回ろうというときにVarrentiaのボーカル渡井翔汰がやっていたバンド・Halo at 四畳半ってバンドいて。そこと神戸でやる予定だったので、それもあって、今回のツアーはリベンジ2マンツアーという意味合いも自分たちの中ではあるので。前もお誘いしてたバンドも誘っていきたいなということで、声を掛けたら気持ちいい返事をいただけて決まった感じですね。
──Halo at 四畳半を休止して、Varrentiaとして再出発した形ですもんね。Varrentiaを聴いてみていかがですか?
PON:この間、初めて観たんですけどすごく安心しましたね。渡井先生のやりたい音楽がもっと深いところまでいって表現しているなとすごく感じたので、よかったなと思いましたね。安心したというか、これからもずっと一緒に居れそうだって感じました。
──Halo at 四畳半とは関係性も深かった?
PON:そうですね。Haloとはずっと仲良しでライブもたくさんやりましたし、事あるごとにいろんな人のイベントでも一緒になったりしてたので、付き合いは長いですね。
──WOMCADOLEはいかがですか?
ikoma:彼らが10代くらいからの付き合いで、ずっと前から知ってるバンドだったから、この機会にという感じ。2マンでいままでやったこともなかったし、お誘いしましたね。WOMCADOLEは最近メキメキカッコよくなっていて、ロックの真髄みたいなところに到達してる気がする。
PON:すごいよな、今のWOMCADOLE!
ikoma:歳は全然下なんですけど、コイツらカッコええなっていうところもあって。結構、尊敬してるバンドでもあるので、この機会にガチンコでやれたら楽しみやなというところですね。
──なるほど。やはり年下のバンドから受ける刺激も多かったりしますか?
ikoma:今回のツアーは年下バンドも多くて。僕らも割といい歳になってきたので(笑)。そういうバンドからも刺激をもらいながら、カッコいいなと思いながら今はライブを楽しんでいますね。今までのツアーは年上のバンドをお誘いすることが多かったので、今回はちょっと若手の波に乗らせてもらおうかなって(笑)。
──次に、the shes goneはいかがでしょう。
LOVE大石:対バンしたことはないけど、2020年の『アオイハル』のツアーのときに新しいバンドやっていこうという意味もあったので、そこでお誘いさせてもらっていて。他でも対バンの予定昔からもあったんですけど、それもコロナで流れちゃって。
the shes goneって若手の中でも名前が売れてきているバンドだと思うんですよ。その中で今回出てくれるかなと不安だったんですけど、「昔からラックライフさんを観ていたので、やりたいです」と気持ちよく返事をしてくれました。だからすごく楽しみですね。
ikomaが言ったように僕らも30歳を超えて、中堅になってきて、若い頃から僕らを観てくれてたバンドたちが「ラックライフとやりたいです」と言ってくれるのが本当に嬉しいというか。そういう意味もあって長いことバンドをやっていて良かったなって思いますね。
──若いときのラックライフと中堅になってきた現在のラックライフでライブの違いはありますか?
PON:多分、ないですね(笑)。いや、若い頃よりいろんなことは考えるようになっていると思うんですけど、結局根っこにあるのはその瞬間何を思っているかを吐き出すみたいなことが根っこにあるし、そこを瞬発的に出すように心がけていると思いますね、ずっと。
ikoma:うまく表現できるようになったというか。根本は変わってないけど、慣れてきた感じはありますね。
PON:経験値を詰んできたなという感じはあるよな!
ikoma:思っていることを伝えれるようになってきた。
──スポーツとかだと瞬発力は衰えていくと思いますが、バンドとして研ぎ澄まされていっている感覚?
ikoma:バンドはそうなんじゃないかな?
PON:うん、だから逆やんな。ある程度バンドとしての年数も長くなってきて、しっかりしなければいけないと心の中では思っているけど、それを瞬発力が跳ね除けていくというか。「まだまだそうはならないぜ!」みたいな瞬間がたくさんある気がしますね。
──なるほど。GOOD ON THE REELはいかがでしょうか? 付き合いは長いですよね?
ikoma:そうですね。僕の家に泊まってたくらいの仲ですね(笑)。10年くらい前かな?僕の実家を宿泊施設として使ってたくらい仲の良いバンドです。僕が東京に行ってもボーカルの千野(隆尋)ちゃんと飲みに行ったりすることがあったり。先輩ですけど昔から仲良くしてくれていて。
昔、僕らのツアーで2マンをやらせていただいたことがあるんですけど、そのときはほとんど彼らのファンで……。すごく悔しい思いもしたからそのリベンジが今回できたら良いなって思いますね。非常に楽しみです。
──そんな出来事があったんですね(笑)。そして次は、Ivy to Fraudulent Gameです。
たく:Ivyとの関係も長いんですよね。あいつらが高校くらいのときから知ってんのかな?そのときから技術が半端なくて。僕らが若い頃と比べると当時からすごく上手かったし、尖ったライブをしていたんですけど、歳を重ねてその尖りがいい感じに熟成されている感じがして。すごいなと思う、後輩バンドの1つなんですよね。特にボーカルのノブ(寺口宣明)が尖っている感じがあったんですけど、いい感じに大人になったなって。この対バンもすごく楽しみです!
──後輩バンドの成長も感じることができるツアーにもなりそうですね。
たく:そうですね。それだけ長く一緒にやれているという嬉しさもあるし。僕自身、先輩先輩してるわけでもないけど、すごいなって思わせてくれるバンドだなってIvyのことは思いますね。
ikoma:ナチュラルに僕はIvyのファンですよ(笑)。
──いい関係性ですね。次はヤユヨです。女性バンドとの対バンは珍しいのかなと思いますが、いかがですか?
PON:ヤユヨも初めてですね。ずっと名前は聞いていたし、MVを拝見したりしていたんですけど、なんか良いね!という感じ(笑)。エネルギーのある方たちなのかなって。確かに女性バンドとやることはなかなかないので、そういう意味でも楽しみですね。
──どんな化学反応が起きるか楽しみですね。
PON:この日はお客さんの雰囲気も少し異なるのかなとも思うし、そういう前で我々はどうするのかって感じですかね!
──Rhythmic Toy Worldはいかがですか?
PON:Rhythmicも長いですね。ボーカルのうっちー(内田直孝)が同い年で同世代ということで昔から打ち上げでよく喋っていたりとか、長いイベントの間は2人でご飯を食べたりとかしてたんですけど。本当に同じところからスタートして、バンドとして切磋琢磨してきた2バンドって感じがするから、ライバルみたいな感じがありますね。
ikoma:ギターのきっちゃん(岸 明平)のギターが結構好きで。攻めてるけどキャッチーなギターを弾くんですよね。Rhythmicならではの音楽性を作っているのはきっちゃんのギターの存在が大きいのかなって思いますね。ギタリストとして注目してますね。
──なるほど。LUCCIはいかがでしょう?
LOVE大石:名古屋のアポロベイスで地元バンドと対バンしてるときの打ち上げに毎回居たのが(長崎)慎で。可愛らしい顔してるんですけど(笑)。なんかラックライフとめちゃくちゃ合うなって音源を聞いて思ったんですよね。
僕はボーカルの声が好きなんですけど、声を聴いたらLUCCIって分かる声というか。そこには努力も必要だと思うけど、その人しか歌えない感じが出ていてすごく良いんです。しかもラックライフと同じようなジャンルに属している。だから誘わせていただいたという感じです。
──音楽的に共鳴し合う部分がある?
PON:昔からLUCCIと合いそうって言われてたやんな?
LOVE大石:うん。しかも、ボーカルの子がラックライフが好きって言ってくれてたんですよ。
──Half time Oldはいかがですか?
PON:Half time Oldも前のツアーに誘ってたな。タイアップでカンロ「ボイスケアのど飴」のキャンペーンソングを作るバンドの1つだったんですよ、Half time Oldは。僕らは『アオイハル』という曲を作ったんですけど、やっぱり同じ題材でどんな曲を作るかって注目するじゃないですか。その曲がすごく良くて!ちょっと悔しさもあったんですけど(笑)。そんな感じです!
声ももちろんそうですし、曲がすごくいいなという印象がある。ガッツリ絡んだり、何度も対バンをしたことがあるというわけではないけど、事あるごとに良い曲を出してきて、「くそお!」と思わせてくれるバンドだと思いますね。
──最後にLenny code fictionです。
たく:Lenny code fictionは2マンのときにコピーをやらしてもらったよな?
PON:Lenny code fictionのツアーに呼んでもらうことが多かったんやんな?付き合いとしてはそれこそLenny code fictionが高校生くらいのときに地元で観てて。地元のライブハウスの草野球チームのピッチャーとしてボーカルの(片桐)航が登場したり(笑)。
そういうところから彼らがバントとして駆け上がっていく姿を見てたから、ポジション的には親戚のおじちゃん的な感じ。彼らがたくさんツアーにも呼んでくれていたからそのお返しで今回は僕らのツアーでという感じですかね。
ikoma:『Make My Story』って曲をコピーしたな。
PON:まあ、今回はもうやらんで!
ワンマン2daysはラックライフの勝負の場所
──今回は11公演の2マンツアーの後、ファイナルは2daysのワンマンライブも控えています。LOVE大石:そうですね。2マンツアーってどこか対戦相手がいる気持ちなんですよね。自分たちがいちばんの印象を残したいというか。そういう意味では2マンはそういった熱を持ってやっていこうと思っていますね。
──11戦も戦った後のワンマンはどんなライブになりそうですか?
LOVE大石:あはは(笑)。ワンマンが久しぶりっていうのもありますし、来年が15周年になるんですよ、ラックライフ。それに向けてここで1発ワンマンで自分たちの15年間の答え合わせをするワンマンでもあるのかなと思ったり。次に進むキッカケになるライブだと思う。ラックライフチームとしての勝負の場所という感じがしていますね、僕は。
Ikoma:2daysなので、準備や色々と考えていかなければいけないことがあるんですけど、2マンツアーも久々なので、そこでもらったものや感じたものをワンマンでしっかり長時間、長尺でツアーについてきてくれた人たちと共有できたらいいなと思います。最後はやっぱりお客さんに僕たちが考えてきたものをきちんと披露できたらいいなと思いますね。
たく:2マンでいろんなものを吸収したいと思いますし、久々に行く地域も多いので、前と今を照らし合わせるじゃないですけど、そういうこともお客さんと共有しながらワンマンに向かっていきたいですね。そしてワンマンで得たもの、感じたものを全部皆さんに感じてもらえるようなライブにできたらいいなと思っています!
PON:ワンマンと2マンの違いはあれど、音楽をやるのは同じなので。2マンツアーの1日1日がいちばんカッコいい状態。それを繰り返したのちのワンマン2daysがいちばんカッコいいかなって思う。積み重ねて、最後に達するということなので、2マンツアーの思い出話だけで2時間ってこともありえるかもしれないから、それはちょっと気をつけてほしいですね(笑)。
──それもそれで面白そうですけど。
PON:まあ、ワンマンはワンマンでいいところがあるし、2マンを経てどういう気持ちで帰ってこれるのかみたいなところだと思うので、それは当日にならないと分からないし、どんなツアーをするかによるやろうし、だから分からないですね、どんなワンマンになるかは!
──でもラックライフとしていいキッカケのツアーになりそうですね!
PON:そうですね!結構張り切っていろんなことを準備していたりするので、それを見逃さないでほしいなと思います!
TEXT 笹谷淳介
PHOTO 井野友樹