川口春奈出演のカルビーポテトチップスCMソング
2022年9月13日に配信リリースされたaikoの新曲『夏恋のライフ』は、昨年の『食べた愛』に引き続き川口春奈出演のカルビーポテトチップスのCMソングに起用されています。
aikoといえば自身で作詞作曲を手がける等身大のラブソングが人気のアーティストですが、『夏恋のライフ』では夏の恋の終わりを繊細に描いています。
しかも19歳の時に作った曲で、「いつの日か作品にしたいと思っていた大切な一曲」と語るほど思い入れの強い楽曲だそうです。
青春時代から長年温めてきた楽曲にどんな想いが綴られているのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
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さよなら さよなら 早くそっぽを向いてよ
さよなら さよなら 悔しいから泣かないように
≪夏恋のライフ 歌詞より抜粋≫
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冒頭から「さよなら」と繰り返され、失恋の切なさが伝わってきますね。
「早くそっぽ向いてよ」という言葉は、主人公はまだ彼のことを好きな気持ちが強すぎて自分からは目を逸らすことができないでいることを物語っています。
自分がどんなに好きでも別れることは決まっているのだから、早く去ってくれた方が耐えられると感じているのかもしれません。
「悔しいから泣かないように」のフレーズに、もう好きではないかのように気丈に振る舞おうとする彼女のいじらしい気持ちが垣間見えます。
これは本当の恋だったのに
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初めて人を愛したと思うくらい
初めて愛されてると実感したくらい
人目気にせず本気で喧嘩したくらい
これが本当の恋だと感心したくらい
≪夏恋のライフ 歌詞より抜粋≫
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この部分では、主人公にとってこの恋がいかに大きなものだったかが明かされています。
それは「初めて人を愛したと思うくらい」で、それまで感じてきた好きの気持ちとは少し違う今の感情が愛だと知るほど、彼を愛していました。
また自分の気持ちはよく分かっても人の気持ちは分かりにくく、特に愛情は感じづらいものです。
しかし「初めて愛されてると実感したくらい」に、互いにはっきりと想いを通わせることができたようです。
時には「人目気にせず本気で喧嘩したくらい」ぶつかり合ったこともありました。
それでも愛し合っているからこそ、自分の心を知ってほしくて遠慮なく本音を語りたいと思うのではないでしょうか。
だから主人公も「これが本当の恋だと感心」したのです。
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嫌いになるわけないよ
言ってくれたあの時は嘘ついてなかったよね
≪夏恋のライフ 歌詞より抜粋≫
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とはいえ、そんな愛し合う二人には別れが訪れてしまいました。
主人公はいつか彼が「嫌いになるわけないよ」と言ってくれた声を思い出します。
確かに言ってくれたあの時は、彼も本心を伝えていたのでしょう。
しかし彼の気持ちはやがて彼女から離れてしまい、別れを決断させることになりました。
夏が終わりを告げる
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夏が終わりを告げる
涼しい風が吹き始める
半袖長袖迷う日には
昔ならあなたが決めてくれた
自分らしくない毎日を無理やり忙しく過ごしてる
頑張って新しい恋をしなきゃね
あなたより素敵な人を
≪夏恋のライフ 歌詞より抜粋≫
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サビの最初の「夏が終わりを告げる」というフレーズは、季節の変化と共に彼女の熱い恋が終わったことも指していると解釈できます。
秋の訪れを表す「涼しい風が吹き始める」と、いよいよこの恋が修復不可能であることを突きつけられているかのようです。
思い返せば彼に頼ってばかりの日々でした。
半袖にするか長袖にするか迷う微妙な日には、彼にどうするか決めてもらっていたほどです。
だから一人になった今、慣れない決定を下しながら「自分らしくない毎日」を何とか送っています。
「無理やり忙しく過ごしてる」のは、きっと動きを止めれば彼がいないつらさに襲われてしまうから。
ひたすら動き回って考える隙を与えないようにしていなければ、心が折れてしまいそうなのでしょう。
失恋の傷を癒すのは新しい恋とよく言います。
だから主人公も「頑張って新しい恋をしなきゃね」と思ってはいますが、真に愛していたからこそ簡単に気持ちが切り替えられないのも事実です。
「あなたより素敵な人を」見つけたいと願っても、まだその道のりは遠そうです。
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朝の光に起こされて 今日も寝不足ね
寝ぼけ眼に涙が 沢山沢山 流れる流れる 愛してたんだ
≪夏恋のライフ 歌詞より抜粋≫
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寝不足の日々が続いているのは、おそらく夜になると彼のことを思い出して悲しさが込み上げるからでしょう。
夢の中でも彼のことを求めているのかもしれません。
まだ意識がぼんやりしたまま、自然と涙が浮かんではこぼれ落ちていきます。
そうしてふとこんなにも彼のことを「愛してたんだ」と納得します。
曲の初めでは泣くのを堪えていた彼女が、朝の光に照らされながらあふれる涙を流れるままにしている姿を想像すると、胸が締めつけられるような思いがしますね。
共感できる新たな恋愛ソングが沁みる
aikoの『夏恋のライフ』は、夏の終わりの名残惜しく寂しい雰囲気と失恋の切なさを重ねて歌う失恋ソングです。歌詞に綴られている想いは、本当の恋や失恋を味わったことがある人にはきっと共感できる気持ちでしょう。
爽やかな音楽とaikoの透明感のある歌声が心に沁みる新たな夏歌を堪能してください。