クリスマスの幸せな光景
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ゆっくりと12月のあかりが灯りはじめ
慌ただしく踊る街を誰もが好きになる
≪いつかのメリークリスマス 歌詞より抜粋≫
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まず冒頭で歌われているのは、12月の街の様子。
「12月のあかり」はイルミネーションを指しているのでしょう。
人々が師走の忙しさに奔走しながらも、賑やかになる街・雰囲気に気持ちが高まっているのが伝わってきます。
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ゆっくりと12月のあかりが灯りはじめ
慌ただしく踊る街を誰もが好きになる
僕は走り 閉店まぎわ 君の欲しがった椅子を買った
荷物抱え 電車のなか ひとりで幸せだった
≪いつかのメリークリスマス 歌詞より抜粋≫
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「閉店間際」ということは、主人公も忙しいのかもしれません。
しかし、そんな中でも大切な恋人のために、欲しがっていた椅子をプレゼントに購入したようです。
恋人に対する主人公の愛が伝わってくる歌詞ですね。
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いつまでも 手をつないでいられるような気がしていた
何もかもがきらめいて がむしゃらに夢を追いかけた
喜びも悲しみも全部 分かちあう日がくること
想って微笑みあっている 色褪せたいつかのメリークリスマス
≪いつかのメリークリスマス 歌詞より抜粋≫
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こちらは有名なサビの歌詞です。
2人の仲睦まじい様子が歌われていますが、気になるのはすべて過去形で歌われていることと、最後に「色褪せた」という言葉が入っていること。
主人公と恋人が仲良く過ごしたクリスマスは過去。
しかも色褪せてしまっているということは、現在は過去のような幸せな状態ではないのでしょう。
一体主人公に何があったのでしょうか?
立ち込める暗雲
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歌いながら線路沿いを 家へと少し急いだ
ドアを開けた君はいそがしく 夕食を作っていた
その顔を見た僕もまた素直に君を抱きしめた
いつまでも 手をつないでいられるような気がしていた
≪いつかのメリークリスマス 歌詞より抜粋≫
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2番でも引き続き2人が仲良く過ごした「いつかのクリスマス」が歌われています。
買った椅子をすぐに渡しているということは、クリスマス当日の思い出なのかもしれませんね。
「君」はクリスマスを過ごすために、特別な料理を作っていたのでしょう。
2人の幸せそうな様子が思い浮かびますが、次のサビでは主人公が「君」との別れの予感を感じ始めます。
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いつまでも 手をつないでいられるような気がしていた
何もかもがきらめいて がむしゃらに夢を追いかけた
君が いなくなることを はじめて怖いと思った
人を愛するということに 気がついたいつかのメリークリスマス
≪いつかのメリークリスマス 歌詞より抜粋≫
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注目したいのは「君がいなくなることをはじめて怖いと思った」という歌詞。
今が幸せすぎて「離れる日が来てしまったらどうしよう」と不安に思ったのでしょうか?
それとも「君」は病気などを患っており、いずれいなくなってしまうことがわかっていたのでしょうか?
続く歌詞から探りましょう。
主人公は離れ離れになるとわかっていた?
結論から言うと、この曲の中では「君」との別れについて正確には言及されていません。
しかし、次の歌詞もストーリーを探るうえでのヒントになりそうです。
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部屋を染めるろうそくの灯を見ながら 離れることはないと
言った後で急に 僕は何故だかわからず泣いた
≪いつかのメリークリスマス 歌詞より抜粋≫
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この先も続くであろう幸せを思いながら「離れることはない」と言ったのなら、理由もなく涙するのは不思議ですよね。
もちろん、気持ちが高まりすぎて泣いてしまったという解釈もできるでしょう。
しかし、「僕」は「君」がいなくなってしまうとわかっていながら「離れない」と言ったのだとしたら、涙が溢れてしまうのもよりすんなり納得できるように思います。
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立ち止まってる僕のそばを 誰かが足早に
通り過ぎる 荷物を抱え 幸せそうな顔で
≪いつかのメリークリスマス 歌詞より抜粋≫
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サビが繰り返された後、この歌詞で曲は終わります。
「立ち止まってる」という言葉から、主人公がまだ「君」との別れを乗り越えられずにいる様子がわかりますね。
またその辛さを感じつつ、いつかの自分と同じように幸せそうな顔でいる人を目の当たりにした主人公。
その気持ちを思うと、こちらまで切ない気持ちになります。
主人公は幸せになることができるのでしょうか?
ぜひ楽曲の続きも含め、ストーリーの考察を楽しんでみてくださいね。
失恋か死別かは聴き手の自由!
人気のクリスマスソング『いつかのメリークリスマス』の歌詞について解説しました。残念ながらハッピーエンドを迎えられなかった「僕」と「君」。
切ないメロディーも相まって泣ける一曲です。
ちなみに、この曲に登場する主人公と恋人の別れの理由に関しては、正確にはわかっていません。
そのため失恋と解釈するもよし、死別と解釈するもよし、リスナーが自由にストーリーに浸ることができます。
ぜひそれぞれのクリスマスを思いながら、今年の冬もたっぷり聴いてくださいね。