「Strawberry Margarita」英語歌詞を徹底解説
人気ロックバンド・ELLEGARDENが、前作から約16年ぶりに発売する6thアルバム『The End of Yesterday』から先行配信第2弾となる新曲『Strawberry Margarita』をリリースしました。新曲なのにどこか懐かしさのあるメロディと疾走感のあるサウンドがエルレらしいと、古参ファンからも大絶賛されています。
全編英語詞となるこの楽曲は、細美武士のネイティブのような流麗な歌唱が心地良いですよね。
公式サイトでは対訳も公開されており、英語が分からないリスナーにとっても歌詞のメッセージを受け取りやすくなっています。
公式の歌詞対訳に注目しながら、楽曲に込められた意味を考察していきましょう。
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There's nothing like new stuff to spice up my summer
I'm off to a new town to find me a new toy
≪Strawberry Margarita 歌詞より抜粋≫
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主人公は代わり映えしない毎日に、退屈を感じているようです。
夏はいつもよりも刺激を求めてしまう季節ですが、「There’s nothing like new stuff to spice up my summer(この夏が楽しくなるような刺激が何もない)」とこぼしています。
これは人生そのものに置き換えられるかもしれません。
毎日なんとなく生きているけれど、人生を楽しいと思えるような原動力になることがない状態の人は少なくないのではないでしょうか?
だから主人公は「I’m off to a new town to find me a new toy(新しいおもちゃを探しに別の街に向かおうとしてる)」と、刺激になる何かを見つけるために行動しようとしています。
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Taking the late bus
I sit by the window
Replaying mistakes in my head
Well, I don't think you will like it
≪Strawberry Margarita 歌詞より抜粋≫
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「Taking the late bus I sit by the window Replaying mistakes in my head(夜行バスに乗り込み 窓際に座って 頭の中で失敗をリプレイしてる)」という歌詞が、主人公の少しネガティブな性格/span>を物語っていますね。
窓の向こうに流れる夜の街を見ながら、自分のした失敗<を振り返っています。
楽しいことを見つけるために前に進んでいるはずなのに、思いは過去に向いていてあまり良い精神状態とはいえないでしょう。
こういう落ち込みやすい性格のために、毎日を楽しめないでいるとも考えられます。
続く「Well, I don’t think you will like it(まあ、君は気に入らないだろうけどね)」のフレーズから、主人公のネガティブ思考に活を入れてくれるような存在がいることが分かります。
その人は主人公にとって、どのような人なのでしょうか?
君の名前を知りたかった
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I wanted to know your name
Without it, I never will find you again inside it
This crowded street in our town I'm leaving
There's something that holds me back from stepping out
≪Strawberry Margarita 歌詞より抜粋≫
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サビは「I wanted to know your name(君の名前を知りたかった)」というピュアなフレーズから始まります。
名前を知りたいということは、その人のことをもっと知りたいという気持ちの表れのように感じます。
また「Without it, I never will find you again inside it(そうしないと僕は君を二度と見つけられない)」とあるので、主人公にとってその人はたとえ見失っても、また必ず見つけたいと思うほど大切な人であると考察できるでしょう。
次の「This crowded street in our town I’m leaving There’s something that holds me back from stepping out(僕が離れようとしているこの街の雑踏で 踏み出そうとする僕を何かが引き止める)」の歌詞も印象的ですよね。
新しいものを求めて行動しようとしているのに、何もないと思っていた街の何かに後ろ髪を引かれています。
心のどこかでこの街から離れたくないという気持ちが芽生えている様子が垣間見えます。
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I got this from nowhere
A picture of that day
The moment I saw you
Just raised your left eyebrow
≪Strawberry Margarita 歌詞より抜粋≫
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「I got this from nowhere A picture of that day(どこで手に入れたのか分からないけどあの日の写真を持ってる)」の言葉で、主人公が“君”と出会った時の写真を見返している姿が見えてくるかのようです。
そして「The moment I saw you(僕が君を見かけたとき)」、おそらく初めて出会った時に「Just raised your left eyebrow(君は左の眉を少しだけ持ち上げたね)」と振り返っています。
両眉ではなく片眉のみを上げるのは、警戒や不信感など相手にあまり良い印象を抱いていない場合によく見られる表情です。
そのため、出会った当初はあまり良い関係を築けていなかったのでしょう。
だからこそ「君の名前を知りたかった」と感じたのかもしれませんね。
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I sit by the window
It feels just like slow-mo
I jumped off the deck of the bus
Though I don't think you will like it
≪Strawberry Margarita 歌詞より抜粋≫
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「It feels just like slow-mo I jumped off the deck of the bus(まるでスローモーションみたいに バスのデッキから飛び降りた)」主人公。
そんな些細なことすら、きっと君は気に入らないだろうと想像しています。
2人の微妙な関係性に、不器用な初恋を見ているような気分にさせられるでしょう。
「Strawberry Margarita」に込められた意味とは
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You have a black tea
I have a tequila
Two very different drinks just like us
Well, I do like it
≪Strawberry Margarita 歌詞より抜粋≫
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この部分では「You have a black tea I have a tequila(君は紅茶 僕はテキーラ)」と自分たちを飲み物に例えています。
「Two very different drinks just like us(まるで僕たちみたいに違う二つの飲み物)」とあるように、どちらも似たところのない全く違う存在です。
ここでタイトルの「Strawberry Margarita(ストロベリーマルガリータ)」について考えてみましょう。
ストロベリーマルガリータはテキーラとホワイトキュラソーを合わせて作るマルガリータに、ストロベリーリキュールを加えたカクテルです。
テキーラの濃厚さと高いアルコール度数から大人のカクテルであるマルガリータと、甘くかわいらしいストロベリーという全くイメージの違うものが合わさってできています。
どちらか一方でもいいのに、交わることで相乗効果を生み、新たな存在価値が生まれているという点がこの歌詞と通じる部分なのではないでしょうか。
人にもそれぞれ魅力があって、ある程度一人で生きられます。
それでも性格も好みも違う誰かと恋をして、2人でいることに新たな価値を見出すことができるものです。
主人公も“君”と自分が違うことを「Well, I do like it(僕はそれが気に入ってるんだ)」と嬉しく思っているようです。
互いに違う面があるからこそ一緒にいることに楽しさや面白さを感じられる恋の喜びが表現されています。
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I'm glad to finally find
I'm glad to finally find
I'm glad to finally find
I'm glad to finally find you
≪Strawberry Margarita 歌詞より抜粋≫
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最後には「I’m glad to finally find(ようやく見つけられた)」と繰り返され、「I’m glad to finally find you(ようやく君を見つけられたよ)」という言葉で締めくくられます。
主人公がずっと探し求めていたものは、愛する“君”。
毎日が物足りなかったのも、この街から離れたくなかったのも、まだ君をはっきり見つけられていなかったからなのでしょう。
この曲には深く愛せる人と出会ってその想いを確かに自覚した時、人生はもっと明るく楽しいものになるというメッセージが歌詞に込められているように思えます。
幸せを象徴するMVも見逃し厳禁!
ELLEGARDENの『Strawberry Margarita』は恋の楽しさや喜びが爽やかに描かれていて、ライブでも絶対に盛り上がれる楽曲です。異なる世代のカップルを写したMVも、様々な幸せの形を表現していてとても素敵ですよ。
ぜひ楽曲と映像を共に楽しんで、エルレの魅力にさらにハマってください!
▷オフィシャルHP