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「きよしこの夜」歌詞の意味は?冬に聴きたいクリスマスキャロルの定番曲を考察!

クリスマスが近づくと一度は耳にする『きよしこの夜』。『Silent Night』として世界的に有名な讃美歌で、由木康によって日本語に翻訳されました。そんな『きよしこの夜』の歌詞には、果たしてどのような意味が込められているのでしょうか。

「きよしこの夜」の由来は?


クリスマスが近づいてくると一度は耳にする聖歌『きよしこの夜』。

クリスマスソングの大定番として、小さい頃に合唱したことがある人も多いかもしれません。

『きよしこの夜』はドイツ語の讃美歌『Stille Nacht(シュティーレ・ナハト)』を原曲とするクリスマスキャロル(クリスマスを祝う讃美歌)

その発祥は、19世紀前半のオーストリア。

神父であったモール(Josef Mohr)の詩をもとに、教会音楽家のグルーバー(Franz Xaver Gruber)が作曲を手がけ、曲が完成しました。

今では英語版の『Silent Night』が世界的に有名ですが、『きよしこの夜』として日本に名が知れ渡ったのは戦後のこと

牧師であり教会音楽研究家の由木康(ゆうきこう)によって日本語に訳され、広く国内で紹介されたそうです。

安らかで神聖な雰囲気をまとった讃美歌『きよしこの夜』。

果たしてその歌詞には、どのような意味が込められているのでしょうか。

イエス・キリストの誕生を讃える


まずは1番の歌詞から見ていきましょう。

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きよし この夜 星はひかり
すくいのみ子は まぶねの中に
眠りたもう いとやすく
≪きよしこの夜(「おかあさんといっしょ」) 歌詞より抜粋≫
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静かに星が光る、神聖で清らかな冬の夜が感じられる歌い出しです。

「すくいのみ子(救いの御子)」とは、幼な子イエスのこと。

生まれたばかりのイエス・キリストが「まぶねの中に 眠りたもう いとやすく(安く)」と歌詞は続きます。

「まぶね(馬槽)」というのは、馬の飼料を入れる桶(おけ)のことです。

一般的なキリスト降誕のシーンとして、馬小屋の「まぶね」にイエスが横たえられたというものが知られています。

「まぶねの中に 眠りたもう いとやすく」という歌詞は、幼な子イエスが「まぶね」の中で安眠している様子を表しているのでしょう。

続いて2番の歌詞です。

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きよし この夜 み告 うけし
まき人たちは み子のみ前に
ぬかずきぬ かしこみて
≪きよしこの夜(「おかあさんといっしょ」) 歌詞より抜粋≫
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「み告(つげ)うけし まき人たち」とは、キリスト誕生のお告げを聞いた牧人(まきびと=羊飼い)のことです。

キリストの生涯や教えが記録された福音書(ふくいんしょ)の一節には、イエス・キリストが生まれたとき、天使がその知らせを羊飼いたちに届けたとあります。

そうしてお告げを受けた「まき人たち」は、「まぶね」に横たえられた幼な子イエスを見つけ、ありがたく拝み、神を讃美して帰っていったそうです。

「ぬかずきぬ かしこみて」というフレーズからは、羊飼いたちが慎んだ態度でイエスを拝んでいる情景が思い浮かびますね。

英語版やドイツ語版と違う「きよしこの夜」の妙味


ここからは3番の歌詞の意味を見ていきます。

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きよし この夜 み子の笑に
めぐみのみ代の あしたのひかり
かがやけり ほがらかに
≪きよしこの夜(「おかあさんといっしょ」) 歌詞より抜粋≫
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「み子の笑(御子の笑み)」は、幼な子イエスの安らかな微笑みのことでしょう。

その微笑みに「めぐみのみ代の あしたのひかり(恵みの御代の 朝の光)」が「ほがらかに」輝いたとあります。

言葉通りに受け取ると、救世主であるイエスの微笑みに、救いの時代の朝日が明るく差し込んだといったニュアンスになりそうです。

実際「朗らか」には、明るく光るさまという意味があります。

ただ、私たちにとって馴染み深い「朗らか」といえば、晴れ晴れとした表情や性格に対して用いる「朗らか」ではないでしょうか。

そう考えると、微笑みに光が差したのではなく「朗らかな微笑み自体が光輝いていた」という歌詞の解釈も可能になります。

新たな始まりを告げる希望の光が、イエスの微笑みに見出されたようなイメージですね。

ちなみに英語版やドイツ語版では光に関して、それぞれ「聖なるご尊顔から輝く光」「神々しい口元からあふれた愛」といった表現がなされているようです。

「み子の笑に」の「に」、そして「ほがらかに」の「朗らか」をどのように解釈するか。

その違いによって思い浮かぶ映像が微妙に変わるのは、繊細な日本語だからこそなのかもしれません。

また『きよしこの夜』の歌詞には、『Silent Night』や『Stille Nacht』に見られる「キリスト降誕せり!」という明確な讃美のフレーズがありません。

和語だけを使って安らかにイエスの誕生を祝う妙味もまた、日本語版ならではの情趣だといえそうですね。

歌詞を味わい、素敵なクリスマスを!

今回は、誰もが知る讃美歌『きよしこの夜』の歌詞の意味を考察しました。

有名なクリスマスソングとして「歌い出しやメロディーはよく知っている」という人は多かったのではないでしょうか。

とはいえ、全体の歌詞をじっくり読み解く機会には、なかなか恵まれないものです。

今回の考察で『きよしこの夜』の歌詞をよく理解し、その世界観をじっくり味わい、澄み切った気持ちでクリスマスを迎えられるといいですね

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