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アゴアニキ feat.巡音ルカ「ダブルラリアット」の歌詞の意味は?

人気ボカロP・アゴアニキが2009年に公開した『ダブルラリアット』は、ニコニコ動画で100万再生を達成したミリオン曲として有名な作品です。現在は800万再生を超え、今もなお愛されている『ダブルラリアット』の歌詞の意味を考察します。

リズムゲーム「プロセカ」の楽曲に追加

ダブルラリアット』は、10年以上前に公開された楽曲のため、懐かしく思う方も多いでしょう。

2022年10月4日には、「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」(略称:プロセカ)の2周年記念楽曲追加キャンペーンにおいて、リズムゲーム楽曲として追加されました

10年以上経っても、色褪せることなく輝き続けている楽曲だと言えますね。

▲アゴアニキ feat.巡音ルカ - 『ダブルラリアット』【OfficialYouTube】
               
プロセカを通して、最近出会った方もいれば、子どもの頃によく聴いていて、いま大人になってから、また聴き始めたという方もいらっしゃるでしょう。

同曲は巡音ルカがくるくると回り続けている動画とともに公開されたこともあり、コミカルな楽曲というイメージを抱きがちですが、歌詞の意味を深く考えると、思わず涙が込み上げてくるような楽曲でもあります。

特に大人になってから、より共感できるようになったという声も多いようです。

今回はそのような視点を交えながら、歌詞を考察していきます。

「ダブルラリアット」は何の比喩表現?


曲名の『ダブルラリアット』は、両腕を横に伸ばし、回転して相手にラリアットを叩き込む技を指します。

これを踏まえた上で、冒頭の歌詞から見ていきましょう。

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半径85センチが この手の届く距離
今から振り回しますので 離れていてください
≪ダブルラリアット 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞から、腕を振り回すことを宣言していますね。

この後、歌詞は「半径250センチ」「半径5200センチ」「半径6300キロ」と展開していきます

単純に読めば、ダブルラリアットの攻撃範囲が広がっていく様を表現した楽曲だと受け取れるでしょう。

しかし、ダブルラリアットは比喩表現だと考えることもできます

続きの歌詞も見てみましょう。

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ただ回る事が楽しかった このままでいたかった
ただ回る事を続けていたら 止まり方を忘れていた
周りの仲間達が 自分より上手く回れるのを
仕方ないと一言 つぶやいて諦めたフリをしていた
≪ダブルラリアット 歌詞より抜粋≫
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回ることが楽しく、がむしゃらに回り続けている様が表現されていますが、周りの人たちと比較してしまい、落ち込んでいる心情も伝わってきます。

最初は楽しいという気持ちだけでしたが、続けるにつれて「もっと上手くなりたい」という気持ちが膨らんでいったのでしょう

学生なら勉強や部活、社会人なら仕事や人間関係など、日常生活でもこのような気持ちになることってありますよね。

がむしゃらになればなるほど、「こんなに頑張っているのに、どうして自分は上手くできないんだろう」と落ち込んでしまうものです。

ダブルラリアットを夢や目標の比喩表現と捉えると、葛藤しながらも回ることを諦めず、手の届く距離を広げていく同曲の歌詞は、聴き手に勇気を与えてくれるように思います

23.4度傾いた軸に隠されたメッセージ


『ダブルラリアット』の歌詞は、「半径250センチ」「半径5200センチ」「半径6300キロ」と展開していきますが、手の届く距離が半径5200センチまで広がったときの歌詞には、胸にグッとくるものがあります。

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どうでしょう? 昔の自分が見たら褒めてくれるかな
目が回り軸もぶれてるけど
23.4度傾いて眺めた町並みは いつの間にか見た事のない色に染まっていた
≪ダブルラリアット 歌詞より抜粋≫
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「目が回り軸もぶれてるけど」という歌詞は、回り続けてボロボロになっている様子を表現しているのでしょう。

真っ直ぐだった軸は、回り続けてボロボロになり、23.4度傾いてしまいますが、そこから見えたのは新しい景色だったようです。

23.4度というのは、地球の北極点と南極点を結ぶ地軸の傾きで、この傾きが日本の四季をもたらしていると言われています。

この歌詞には、“軸がぶれても回り続けること=ボロボロになっても夢や目標に向って努力し続けること”は、見える景色や体験できることを増やし、人生に彩りをもたらしてくれるのだというメッセージが込められているのではないでしょうか。

アゴアニキの思いが詰まった歌詞


最後の4行を考察していきます。

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半径6300キロは この手の届く距離
今ならできる気がしますので 離れていてください
半径85センチが この手の届く距離
いつの日か回り疲れた時は 側にいてください
≪ダブルラリアット 歌詞より抜粋≫
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同曲の歌詞で登場する最も大きな半径は6300キロで、地球の半径と同じ距離です。

作詞者であるアゴアニキが音楽家であることを踏まえると、世界中に自分の音楽を届けたいという思いが込められているのかもしれません。

劣等感を抱いたりしながらも、諦めずに活動し続け、音楽の届く範囲が広がっていく様を表現した楽曲だと考えながら聴くと、また違った味わい方ができそうですね。

そして、気になるのは歌詞の最後が「半径85センチ」となることです。

冒頭の歌詞と同じ距離に戻っていますね。

両腕を広げた長さと身長は同じくらいだと言われていますので、半径85センチ=直径170センチとなり、人間が両腕を広げた長さとして妥当な数字です

地球の半径にまで距離を広げた後に、両腕を広げた長さに戻ってくる粋な表現に、思わず拍手したくなります。

どれだけ再生回数が伸びて、どれだけ世界中から称賛されたとしても、この楽曲はあなたが回り疲れたときに、側にいられるような音楽であってほしいという思いが込められているのではないでしょうか。

この楽曲がこんなにも胸に響く理由が、歌詞を考察することで少し分かったような気がします。

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