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坂本九「幸せなら手をたたこう」歌詞の意味を徹底考察!語り継ぎたい名曲の誕生秘話とは

東京オリンピックが開催された1964年、国民的歌手坂本九が『幸せなら手をたたこう』のレコードをリリースして大ヒットを記録しました。今回は、誰もが知る名曲の歌詞を制作秘話と交えながら考察していきます。

坂本九がレコード化し大ヒット


幸せなら手をたたこう』は今や世界中で愛される童謡です。

オリジナルはアメリカ民謡と言われており、英語バージョンの『If You're Happy and You Know it, Clap Your Hands』は国際的に知られています。

日本でこの楽曲が広く知られるようになったのは『上を向いて歩こう』や『見上げてごらん夜の星を』でお馴染みの坂本九が、1964年に本作のレコードリリースしたことがきっかけでした。

作詞したのは早稲田大学人間科学部名誉教授の木村利人

彼は16歳の頃に洗礼を受けたクリスチャンでした。

ボランティア活動に取り組んでいた木村は、早稲田の大学院生の頃にキリスト教青年会(YMCA)代表としてフィリピンのワークキャンプに参加。

そこで、現地の子どもたちが民謡を歌っているのを耳にします。

この民謡が深く印象に残った木村は、旧約聖書の詩篇47篇を参考に日本語で作詞。

仲間内で愛される唱歌として『幸せなら手をたたこう』を共有し、歌声喫茶などでよく歌われるようになりました。

その後、この歌の存在を知った坂本九は、作曲家のいずみたくに話を持ち寄ります。

いずみは坂本がうろ覚えで口ずさんだ旋律を採譜し、名曲『幸せなら手をたたこう』のレコード化を実現しました。

長年、作詞・作曲者は不明とされていましたが、レコードの大ヒット後に木村が名乗りを上げ、それ以降は作詞者としてクレジットされています。

『幸せなら手をたたこう』がリリースされた1964年は、東京オリンピックが開催された年。

その影響もあり、本作は日本だけでなく世界中で改めて認知されるようになりました。

歌詞と旧約聖書の深い結びつき


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幸せなら手をたたこう
幸せなら手をたたこう
幸せなら態度でしめそうよ
ほら みんなで手をたたこう
≪幸せなら手をたたこう 歌詞より抜粋≫
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老若男女問わず、誰もが知っているお馴染みのフレーズです。

ご存じのとおり『幸せなら手をたたこう』には、手遊び歌の要素が含まれており、歌詞の中に登場する動きを合いの手で表現するという特徴があります。

そのため年齢層や言語の違い、さらに障がいの有無を飛び越えて、多くの人が一緒に楽しめる楽曲となっているのです。

この楽曲では「幸せ」という概念をボディーランゲージで表現しています。

感情の発露を動きで表すことで、ポジティブな感情を示してみようと歌っているのです。

さらに歌詞の背景を掘り下げてみると、興味深い事実が浮かび上がります。

作詞の際、木村が参考にしたという旧約聖書の詩篇47篇は、以下のように始まります。

「もろもろの民たみよ、手てをうち、喜の声こえをあげ、神にむかって叫べ」

したがって旧約聖書の中では、民が神に向けて喜びの意を伝える手段として「手をうつ動作」が用いられていたのです。

結果的に『幸せなら手をたたこう』は、歌えばその場にいる人と幸せを共有できる楽曲として愛されるようになりました。

フィリピンで生まれた友好の証


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幸せなら足ならそう
幸せなら足ならそう
幸せなら態度でしめそうよ
ほら みんなで足ならそう
≪幸せなら手をたたこう 歌詞より抜粋≫
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1番では手をたたこうだったのが、2番では「足ならそう」に変化しています。

おそらくこちらのフレーズは、旧約聖書の詩篇47篇「主はもろもろの民をわれらに従せ、もろもろの国をわれらの足の下に従がわせられた」に由来しているのではないでしょうか。

足をならすことで「われらの足の下に存在する国々」はより強力で堅固なものとなるでしょう。

2番の歌詞では、国々のさらなる繁栄を祝っているのかもしれません。

実際に歌ってみると、足を踏み鳴らした際に振動が感じられるため、五感でも楽しめることが分かります。

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幸せなら肩たたこう
幸せなら肩たたこう
幸せなら態度でしめそうよ
ほら みんなで肩たたこう
≪幸せなら手をたたこう 歌詞より抜粋≫
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『幸せなら手をたたこう』には、作詞者の木村がフィリピンで培った経験が深く投影されています。

木村がフィリピンに渡ったのは1959年のこと。

戦後からわずか14年ほどしか経っておらず、旧日本軍が戦時中に行った虐殺行為の影響で現地人の反日感情は高まりを見せていました。

木村もまた日本人差別を受けながらも、ボランティア活動を通してフィリピン人の心が開き、日本人に対する考え方が変化していく様子を間近で感じ取ったそうです。

『幸せなら手をたたこう』はお互いの歩み寄りによって生まれた、友好の証が深く刻み込まれているのではないでしょうか。

名曲に隠された誕生秘話

今回は名曲『幸せなら手をたたこう』をとりあげ、制作背景を踏まえて歌詞の内容を考察してみました。

本作には、かつて起きてしまった国家間の惨劇が深く影響していたこと。

そして、作り手の経験をかみ砕いて投影した作品だったことが分かりました。

何よりも、歌自体にポジティブなエネルギーが流れている作品でもあります。

作品自体を楽しみつつ、背景に隠された誕生秘話は後世に受け継いでいきたいですね。

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