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イクマあきら「ダイナミック琉球」は人生の応援歌!沖縄の雄大さを感じる歌詞の意味に迫る

高校野球の応援歌に使用されたことで沖縄から全国へと広まったイクマあきらの『ダイナミック琉球』。沖縄の自然の美しさや人と命を大切にする想いが伝わってくる歌詞の意味を紐解きます。

高校野球応援歌として広まったイクマあきらの名曲

ダイナミック琉球』は2017年の夏の高校野球で仙台育英高校が応援歌として使ったことをきっかけにSNSからメディアへと広まり、高校野球の定番曲として認知されるようになりました。

元々は2008年に琉球大学の土木工学科創立50周年を記念して上演された現代版組踊絵巻「琉球ルネッサンス」のテーマ曲として制作された楽曲です。

舞台演出を行った平田大一が作詞を担当し、沖縄在住のミュージシャン・イクマあきらが作曲を担当。

同年にCMソングに起用、翌年にはイクマあきらのアルバムに収録され、沖縄各地のエイサーのイベントでは大定番の曲でしたが、高校野球の影響から今や全国的に人気を獲得する楽曲となっています。

▲イクマあきら - 『ダイナミック琉球』【OfficialMusicVideo】

なぜここまで人気を集めたのか、沖縄方言を用いた歌詞の意味を考察していきましょう。

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海よ祈りの海よ 波の声響く空よ
大地踏み鳴らし叩く 島の太鼓ぬ響き
≪ダイナミック琉球 歌詞より抜粋≫
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冒頭から海や空、大地といった自然にまつわる表現が用いられ、沖縄の美しく雄大な景色が見えてくるかのようです。

そして島から遠くまで響く「太鼓(テーク)」の音が人の命の力強さを表現しているように思えます。

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風に吹かれて島を歩く 夢に吹かれて海を渡る
月に吹かれて涙を流し 罪に吹かれて明日を思う
見果てぬ夢は 奏でてる想い
問いかける未来 走るあの空へ
風よ光の風よ 巡る運命 の道標 よ
大地吹き鳴らし叩く 島の太鼓ぬ響き
≪ダイナミック琉球 歌詞より抜粋≫
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風に吹かれ、夢に動かされて人々は前進します。

時には悲しくて涙を流したり、過去の罪に心が押し潰されたりしそうになりながらも、誰もが日々を懸命に生きていることでしょう。

その中で見続ける夢はその人の強い想いを表します。

この先どうなるのか、夢を叶えられるのかと未来を問いかけながら高みを目指して走る様子に夢を追う人の不安や必死さが垣間見えます。

風を「運命の道標」にしてたくましく生きようとする姿は、全ての人を勇気づけてくれるのではないでしょうか。

胸を高鳴らせて夢に向かう若者たち


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南ぬ風吹く 若夏ぬぐとぅに
胸思いゆ 語話さな
海ん渡りてぃ 島ん巡りてぃ
わしたにせたの ちむやどんどん
てぃさじ めーうち 歌ゆ三線
てぃんとぅる
≪ダイナミック琉球 歌詞より抜粋≫
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この部分は口説(くどぅち)と呼ばれ、大和言葉の七五語調を基本に同じメロディを繰り返す詩形となっています。

言わばラップのような歯切れが良くノリやすいテンポ感が特徴です。

序盤の歌詞は「南の風が吹き出す春の頃のように胸の思いを語り話してみよう」と歌っています。

春に吹く南風の暖かく爽やかな空気と信頼できる仲間との居心地の良さを重ねて、素直に思いを語り合おうと言っていると解釈できます。

続く歌詞は「海を渡って島を巡って私たち若者の胸は高鳴る」と言い換えられるでしょう。

「ちむ」は漢字で「肝」と表記され、心のことを指す言葉です。

そして「どんどん」は「ドキドキ」という音の表現なので、旅をして新しい世界を見る若者たちの胸の高鳴りを表現していると思われます。

その後「お手拭きを鉢巻にして三線を弾いて歌おう」と気持ちを盛り上げます。

最後の「てぃんとぅる」は囃子言葉で特に意味のない言葉ですが、沖縄の楽曲らしさが感じられる掛け声ですよね。

ちなみに「胸」と「ちむ(肝)」はどちらも近い意味ではあるものの、あえて2つの言葉が用いられていることから別物として捉えることができるでしょう。

ここでの「胸」は思いと関連付けられているため思考によって動く心のことで、「ちむ(肝)」は内側から湧き出るような本能的な心情のことという差があると考えられます。

こうした情熱的な若者たちの心を映すフレーズが、夢を持って励む高校球児たちの想いと重なったために注目されたのかもしれませんね。

人の想いを受け止める美しい自然の風景


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星のコトノハ 波に浮かべて 夜空を渡る夢のサバニ
久遠 の空に流れ星ひとつ 波は想いを寄せて返す

名もなき民の 声なき歌を
道に立つ人よ 風に解き放て
≪ダイナミック琉球 歌詞より抜粋≫
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「サバニ」は古くから海人が使っていた漁船のことです。

夜空の星を水面に映した海を渡っていく船はさながら「夜空を渡る」かのよう。

永遠に渡り存在する空に流れ星が流れ、船が起こした波によって水面の星空が揺れています。

星といえば願いをかける象徴のイメージがありますし、人が亡くなると星になるという言い伝えも耳にしたことがあるでしょう。

そのように星は人の想いと密接に結びついたものと解釈できるので、船で星空を映した海を渡る時に長い時の中で生まれた人々の様々な想いを感じたことを表現していると考察しました。

どこを見ても星が輝く夜の海は心に迫るような圧巻の風景に違いありません。

後半の歌詞にあるように、きっとほとんどの人が「名もなき民」としてひっそりと生きています。

しかし、自身の気持ちを発信することは全ての人に認められています。

だから言葉では言い表せない想いを「声なき歌」に乗せ、風を受けて広く届くように高らかに歌おうというメッセージが込められているのではないでしょうか。

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宇宙よ燃える太陽の 命の息吹に夢
雄々しく広げた翼 天高く宙を舞う
≪ダイナミック琉球 歌詞より抜粋≫
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広大な宇宙に浮かぶ太陽が地上に命を芽吹かせ、人々に夢を与えます。

青く澄んだ空を雄々しく翼を広げ舞う鳥の姿に、人が夢に向かって飛躍する様子を重ねているのでしょう。

自由に伸び伸びと夢を追って生きたい、その人生を命を育んでくれたこの美しい自然にいつまでも見守っていてほしいと願う真っ直ぐな想いが伝わってきますね。

沖縄の美しさと力強さを感じる名曲!

ダイナミック琉球』は沖縄への郷土愛を感じるような熱い音楽と壮大な歌詞に引き込まれる楽曲です。

これまで成底ゆう子川畑アキラをはじめ多くのアーティストがカバーし、それぞれの表現で楽曲の魅力を彩ってきました。

どこに生まれようとどれほど歳を重ねようと心に留めておきたい大切な想いが綴られたこの曲は、きっとこれからも人生の応援歌として愛され続けることでしょう。

この特集へのレビュー

男性

くかが

2023/09/08 11:56

分かりやすかったです。‼️

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