今季注目度No.1のドラマ主題歌
「星降る夜に」は、2023年1月17日からテレビ朝日系で絶賛放送中の連続ドラマです。吉高由里子や北村匠海をはじめ、豪華出演陣が織りなすピュア・ラブストーリーが話題を呼び、放送開始から高い人気を集めました。
このドラマでは、産婦人科医・雪宮鈴と耳の聞こえない遺品整理士・柊一星の出会い、過去のトラウマや人生観の変化と向き合っていきます。
人生の始まりと終わりに立ち会う2人の対極的な立場や、10歳という歳の差が斬新な設定としてストーリーを引き立てています。
そんなドラマの主題歌を飾るのが、由薫(ゆうか)の『星月夜』(ほしづきよ)です。
2023年2月8日に配信リリースが開始されると、初週のダウンロード数が1万5千を突破し、オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングにて自身初となる第1位を獲得しました。
優しく語りかけるような由薫の歌声は、『星月夜』に描かれた美しい情景を純度そのままに届けてくれます。
隠された言葉から読み取れるもの
----------------
子供の頃見上げた
夜の空に思った
あの一つ一つに誰かの願いがこもっている
≪星月夜 歌詞より抜粋≫
----------------
タイトルの「星月夜」とは、月が出ずに星だけが明るく輝いている夜を意味します。
よく聞くと、冒頭の歌詞の中で「星」という言葉は登場していません。
しかし「あの一つ一つに」という歌詞が、夜空に瞬く星を鮮明に想起させるのです。
さらに「私」は、星には人々の願いが宿ると考えているようです。
これは、流れ星に願掛けをする風習に由来しているのではないでしょうか。
また由薫はこの部分について、幼少期に感じていた「死への恐怖」を描いたと語っています。
生あるものは天寿を全うすると空の星になるという、古来の考え方が影響しているのかもしれません。
----------------
その一つがあなたで
すぐ隣で笑ってて
ねえ時を止めれるなら
この1秒を切り取って
≪星月夜 歌詞より抜粋≫
----------------
ここからは「あなた」と出会ってから芽生えた「私」の感情が歌われています。
「その一つがあなたで」という歌詞から、1つの可能性として「私」と「あなた」は2人で夜空を見上げながら星に願い事をしている様子が浮かび上がります。
隣で無邪気に笑う「あなた」を愛おしく思う「私」。
最後のフレーズは、まさしく「私」の願い事そのものを表しているのでしょう。
「名前」にまつわる由薫の過去を投影
----------------
星降る夜に
ただあなたに会いたい
あなたの名前を祈るようにそっと
何度も
≪星月夜 歌詞より抜粋≫
----------------
サビにはドラマのタイトルでもある「星降る夜に」という歌詞が登場します。
詩的で落ち着いたトーンのAメロと比べ、抑えてた感情が溢れ出すように歌い上げられているのも印象的です。
「ただあなたに会いたい」というシンプルな愛情表現は、聴き手を惹きつけます。
----------------
抱きしめているよ
高鳴る鼓動で
裸足のまま駆けていく
私の名前を特別にしてくれたの
あなたが
照らし続けてる
星降る夜に
≪星月夜 歌詞より抜粋≫
----------------
この楽曲でキーワードになっているのが「名前」です。
これには、自分の名前が好きではなかった由薫自身の過去が影響していると考えられます。
幼少期を海外で過ごしていた彼女は、帰国した当時どこにいっても同名の別人が存在する環境に馴染まなくてはならず、「ゆうか」という名前にアイデンティティを見出せない時期が続いていました。
しかし、活動を重ねるうちに音楽が彼女に自信を与えてくれたのでしょう。
気づけば「由薫」という名前に愛着が湧き、自分らしさを感じられるようになりました。
また本楽曲の制作にあたり、ドラマの登場人物の名前の美しさからインスピレーションを受けたとも語っています。
『星月夜』では「私」が「あなた」の名前を祈るように、何度も繰り返しています。
同じように「あなた」も「私」の名前を何度も愛をこめて呼んでくれたのではないでしょうか。
好きな人が愛してくれることで、「私」が蔑ろにしていた自分自身を愛せるようになった過程が伝わってきます。
2023年に初のワンマンツアー決定!
今回は由薫の最新曲『星月夜』を歌詞の意味から考察しました。穏やかで美しい世界観には、繰り返し浸りたくなるような深い魅力があります。
ドラマ「星降る夜に」も佳境に入り、ストーリーからますます目が離せません。
主題歌『星月夜』と合わせて楽しんでいきましょう。
さらに、2023年5、6月には由薫にとって初となるワンマンツアー「由薫1st TOUR 2023」の開催が決定。
大阪、東京、名古屋の3都市を巡る本ツアーで、生のパフォーマンスを堪能してみてはいかがでしょうか。