今までの2年半で作り上げた、きみとバンドの集大成のアルバム『kimiban』。
──ついに、「ROAD TO BUDOKAN~第一章~」が始まりましたね。清原梨央(以下、清原):幕開けました。あの日ステージに立った瞬間、「ついに、始まったな」という実感がありましたね。せり上がりを使って舞台に登場するときに心臓がバクバクしていたのも、いまだ鮮明に覚えています。
──舞台へ登場するとき、真依さんと理紗子さんはどんな気持ちでしたか?
大野真依(以下、大野):私は、クールな表情でライブを始めようと意気込んでいました。だけど、せりが上がるのに合わせてテンションがどんどん上がっていって、舞台に上がりきったときには感情が爆発しそうなくらいに高まっていましたね。
森田理紗子(以下、森田):私もスイッチが入ったというか、上がりきったとき「格好いいでしょ!!」と、すごいドヤ顔をしていた記憶があります。
──当日の公演では、配信リリースしたばかりのアルバム『kimiban』へ収録した曲たちをたっぷり届けてくれました。アルバムに収録しているのは、今までの日々の中で生まれた曲たちですよね。
清原:そうです。新曲も含め、ここへ至るまでに形にしてきた曲たちをほぼ詰め込みました。まさに、きみとバンドの集大成と言えるアルバムです。
──アルバム『kimiban』を発売するまでに費やした日々…どのくらいの期間になりますか?
大野:2020年8月15日が初めてのライブの日になるから、その日から数えると、ほぼ2年半になります。
清原:新体制になったのが2022年1月だから、このメンバーでは1年3か月ですけど。きみとバンドの歩みとして数えたら2年半ですね。正直、最初はこんなにも長く続くとは思っていませんでした。でも、意外とあっと言う間に感じていることにビックリしています。ここまで進んでこれたのは応援してくださるみなさんのおかげなので、感謝の気持ちも強く持っています。
──理紗子さんは途中加入ですけど、なにか印象に残っていることはありますか?
森田:加入当初は、「きみとバンドさんの楽曲」を歌っているという感覚があったんです。だけど、自分の歌声でレコーディングをした楽曲が増えていくに連れて、だんだん「自分たちの曲」になっていくのを実感しましたね。
3人で歌詞を作り上げた『あの場所へ』
──アルバムに収録した曲の中から、おすすめの楽曲を紹介していただいても良いですか。清原:私は、初めてラップに挑戦した『東温ラブストーリー』です。私の出身が愛媛県の東温市なんです。バンド活動をしていく中で以前から何かしら地元に貢献したい気持ちを持っていたんですけど、東温市のことを歌える日が来るとは思ってもいませんでした。
作詞に関しては、きみとバンドの音楽プロデューサー古城康行さんとの共作で、生まれ育った場所を題材にしているから、そんなに苦労なく作詞を終えました。もっともっと詰め込みたい題材があったけど、言葉数にも制限があるので選び抜いた形で表現をしています。
──中には、梨央さんのプライベートな心模様も記されていますよね。
清原:そうですね。『東温ラブストーリー』には街のことから、個人的な心情まで、いろいろ詰め込みました。私はライブで煽りを担当しているんですけど、この曲もラップを通して煽りながら、みんなのテンションもアゲていきたいなと思ってます。
大野:私がおすすめしたいのは、『スタートライン』です。私は、きみとバンドを結成する以前にも音楽ユニットを結成し、ライブ活動を行っていて。『スタートライン』『amulet』『rebirth』は、その当時から歌っていた楽曲でした。
今回のアルバムにずっと歌い続けてきたこの3曲を、きみとバンドの楽曲として収録できたのが本当に嬉しかったです。今までの私の歴史も、きみとバンドとして、今のメンバーで受け継ぎながら表現していけることがすごく嬉しくて…。とくに『スタートライン』は、音楽を始めたばかりの頃の気持ちを思い出させてくれる歌。気持ちが塞いだり落ち込んだときに『スタートライン』に触れると、自分の原点に戻れるんです。
森田:私は、アルバムの1曲目を飾る、バンド名を冠した『きみとバンド』が大好きです。初めは正式メンバーではなく、サポートヴォーカリストという形で、きみとバンドの活動へ関わりました。そのとき、最初にいただいた曲が『きみとバンド』でした。聴いた瞬間から、この曲にキラキラ眩しい輝きを感じたし、「これが、きみとバンドなんだ」というのもすぐに伝わってきました。
きみとバンドの名前につけた"きみ"は、バンドと一緒に歩んでくれるファンのみんなのこと。この曲を歌うたびに、みんなとの繋がりはもちろん。「応援してくれているみんなも含めて、きみとバンドだな」という気持ちになれます。
私が『きみとバンド』の中でとくに好きなのが、<きみが前を向く勇気をくれた>の歌詞。サポートのときもそうだけど、正式メンバーになってからも、「わたしで大丈夫かなぁ」「わたしがメンバーになったことで嫌な思いをする人も出たりするのかなぁ」と不安を覚えることも正直ありました。でも、ライブで<きみが前を向く勇気をくれた>の歌詞を歌うたびに、私自身に前を向く勇気をくれて、「ここにいていいんだ」という気持ちにもしてくれました。今は、きみとバンドを作り上げる大事な一人として、自信を胸に『きみとバンド』を歌っています。それくらい、私に前を向く力を与えてくれた曲が、『きみとバンド』です。
──『あの場所へ』は、日本武道館へ向けての思いを詰め込んだ曲にもなるのでしょうか?
清原:昨年8月にZepp Hanedaのライブが決まったとき、そこへ向けての思いを3人で作ろうとなって生まれたのが『あの場所へ』です。作詞は、きみとバンド。つまり、3人で歌詞を書きました。今では、日本武道館公演へ向けての歌として、私たち自身も受け止めています。
──歌詞は、一緒に顔を見合せながら書いたのでしょうか。
大野:いただいた音源をそれぞれが持ち帰り、一人一人が丸々1曲分の歌詞を書き上げたうえで持ち寄り、そこから3人で「ここの歌詞は、この言葉がいいよね」と、あれこれ会話をしながら。細かい言葉の言い回しへのこだわりも含めて組み立てました。
清原:3人の書いた歌詞が本当にバラバラで。でも3人とも、根底にあった思いは同じだったんです。3人が自分の個性や思いを持って書くと、こんなにも異なるんだというのは、私たち自身も嬉しい発見でした。
──ということは、それぞれの『あの場所へ』のソロバージョンがあるということだ。
清原:あっ、ありますね(笑)。
日本武道館に立つため、今できることを積極的にしていく必要がある
──みなさんが目標に掲げている、日本武道館へ到達したい日時まで、あと2年ちょっとになるんですね。清原:けっこう期間が短いですよね。
──焦りはあったりしますか?
清原:私自身が生き急ぐ性格だからか、焦りを覚えることはあります。でも、2人がいつも物事を冷静に見てくれるから、わたしの焦る気持ちを2人が静めてくれています。
大野:私は梨央とは正反対の、とてもマイペースな性格。言われないとなかなか動かないから、逆に梨央のような人がいてくれることで助かる面は大きいです。日本武道館公演に関しても、「あと何年何か月で頑張らないと、目標を達成できないよ」と、いろんな動きや期限を具体的に提示してもらって、そこへ向けて動いていくほうが私自身はやりやすいですね。
──でも、決まったハードスケジュールを次々といただくたびに、「えっ?!」となりません??
大野:私に関しては、いろいろと事前に提示されたほうが、気持ちが奮い立ち、そこへ向かって頑張る意識になるんです。目標に達成するように動くほうが向いていますね。
森田:私も、どちらかと言えば梨央ちゃん寄りなんです。梨央ちゃんは、自分の思いを表だった表情や発言、行動に出すタイプ。私は逆に、本当はめちゃめちゃ焦っているのに、それを表情や言葉には出さない人。だから、梨央ちゃんが気持ちのままに発言や行動する姿は、すごく羨ましいです。
──ライブ中の理紗子さんの表情も、とても豊かですよね。
森田:プライベートも含め、舞台の上以外の私の表情を知っている方からしたら、ステージの上ではとても表情豊かに見えるそうです。ずっと写真を撮っていただいているカメラマンの方にも、「舞台の上で歌っているときは、あんなにも表情が豊かなのに、ステージを降りると表情が3つくらいになっちゃうよね」と言われます。ちなみにその3つは、「真顔」「微笑み」「うつむき」だそうです。
清原:「うつむき」って、表情が見えてないから(笑)。
森田:自分でも、普段はあまり表情が豊かでないのは実感していますし、ステージの上では本当に表情豊かになるのも自分でわかります。それはきっと、歌っているときが一番素直な自分でいれるからなのかなと思ってます。
──理紗子さんは、自分たちで期限を決めた日本武道館まで、あと2年ちょいという期間のことを、どんな風に受け止めていますか?
森田:その目標を口にし出した頃は、このまま一生懸命に頑張っていれば、きっと立てる場所だと信じていました。ただ、浅草公会堂までの準備期間や、当日のライブを経験したことで、ただ頑張れば立てる場所ではない現実や、私たちが掲げた目標までの期日の中で現実するためには、いかに険しい道なのかも実感しています。だからと言って諦めるのではなく、日本武道館に立つという目標のため、これまでやってこなかったことにも積極的に挑戦しなきゃという意識に変わりました。確かに一筋縄ではいかないですが、決して立てなくはないと信じています。
大野:本当に、そう。日本武道館という舞台は、あと2年では間に合わないけど、あと5年なら立てる。という訳でもなくて。立てないときはどんなに頑張っても、どれくらい時間をかけても立てない場所だと私たちは受け止めています。逆に、力を持っていたら、その目標を短期間で達成できる。
目標の5年6か月を過ぎてもいい。私たちは「立てる」と思ったからこそ目標として日本武道館での単独公演を掲げたわけですから、今も絶対に立てると信じています。そのうえで、理紗子が言ったように、達成するためにもやれることをもっともっとやっていく必要があるとメンバーみんな感じています。
清原:さすがリーダー、いいこと言ってくれるよね。うちのリーダーは、何があってもどんな状況下でも、決して気持ちがぶれないんですね。だから、私たちもリーダーの言葉を信じ、安心して前へ進めているんだなと、常日頃から感じています。
待ちに待った、みんなと一緒に歌えるライブ
──春からは、全国ツアーがスタートします。先日の浅草公会堂でのライブも、マスク越しながら声出し可能だったように、だいぶ規制も緩和されているので、また楽しみ方も違ってくるんじゃないですか。清原:お客さんたちが声を出せる環境は本当に嬉しいです。私たちは、コロナ禍の中で活動を始めたバンド。声を聞けないのが当たり前の環境から始めているからこそ、みんなの声が聞けるのが本当に嬉しくって。
私たちが、「47都道府県ツアー」へ挑戦したときは、お客さんたちはマスクをしたうえにフェイスシールドをつけ、さらに手袋もつけてという状態。もちろん声出しができないから、「いけますかー」と言っても、腕は上がっても声が聞こえない「シーン」とした状態でした。
大野:『レリビ☆』とか、まさにコール&レスポンスがあってこそ成立する楽曲だから、あの当時は、レスポンスを求めるたびに…。
清原:私が一人で声を返していました(笑)。
大野:だから曲によっては、今のような環境が戻るまでライブで演奏するのを抑え目にしていた曲たちもありました。でも、春からのツアーでは、そういうことも気にせずにセットリストを組めるから、それも楽しみです。
清原:そう、それまではずーっと「みんなも心の中で歌って」と言ってた曲たちも、春のツアーからは「みんなも歌って」と言えますからね。本当に、待ちに待った環境でのツアーになりそうです。
森田:私は、以前にシンガーソングライターとして活動をしていたから、そもそもコール&レスポンスを求めるスタイルではなく、聴いてもらう形が主でした。だから、バンド活動を始めてから、声を交わしあう楽しさを知りました。きみとバンドの一員として歌い始めたばかりの頃は、みんなの声を聴けない状況下でしたけど。徐々に一緒に歌えるライブを体験するたびに、その楽しさを実感できるようになりました。だから、私も春のツアーを楽しみにしています。
清原:そういう厳しい中で経験を重ねてきたからこそ、どんな環境の中でも乗りこえていける。そういう心の強さも、私たちは身につけてこれたからね。
日本武道館に立つ夢をきみとバンドで叶えたい
──最後に、改めてアルバム『kimiban』と、春からの全国ツアーやこれからの未来へ向けての思いを語っていただけますか。清原:アルバム『kimiban』は、ここへ至るまでの活動をまとめあげた、まさに、今のきみとバンドの集大成となる作品です。そのアルバムを手にツアーを行います。最近は、関東周辺でライブを行うことが多かったから、久しぶりにいろんな地域の方に会いに行けるのが楽しみです。初めて見る方に楽しんでいただくのはもちろん。久しぶりに見る方にも、私たちの成長を感じてもらえるライブになると思います。
「ROAD TO BUDOKAN~第一章~」というシリーズがスタートもしました。きみとバンドが日本武道館に立つことは、このバンドを応援してくれているファンの人たちの夢にもなっていると思います。そのためにも、これから仲間になってくれる人たちを増やしながら、みんなで日本武道館に立つ夢を叶えたいです。よろしくお願いします!
大野:ツアーを行う場合、新曲を詰め込んだ作品を手にして回ることが多いと思いますけど。春からのツアーは、これまでのきみとバンドの歩みを詰め込みました。いろんな人たちに、ライブを通してきみとバンドの歩みを感じてもらえると思います。個人的に嬉しかったのが、アルバムのボーナストラックとして『amulet 真依ver.』を収録できたこと。そういうことをさせてくれる今の環境が私は大好きです。でもライブで歌う予定はないので、このバージョンは音源だけで楽しんでください。
森田:アルバムに収録した新曲の中で、梨央ちゃんが『東温ラブストーリー』を通して聴かせたラップや、真依ちゃんが『amulet 真依ver.』で聴かせた歌声など、それぞれの個性を楽しめたことが、自分で聴いていても嬉しかったし、新鮮でした。さらに新曲の『さよならリフレイン』では、「今後のきみとバンドは、こうです」という、これからの道筋を提示しているから、そこに込めた思いも感じてほしいですね。
そんな、「これが今のきみとバンドです」という姿を詰め込んだアルバムを手にしての全国ツアーだからこそ、ライブを通しても、「これがきみとバンドです」という姿をしっかり伝えたいし、それを感じてくれたら嬉しいです。みなさん、お待ちしております。
TEXT 長澤智典
PHOTO Kei Sakuhara
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