約2年半ぶりのダブルAサイドシングル
映画やドラマ、バラエティー番組の出演を通して、圧倒的な人気を獲得し続けるSnow Man。そんな彼らが、2023年3月15日に8thシングル『タペストリー / W』をリリースしました。
Snow ManがダブルAサイドでシングルをリリースしたのは、2ndシングルの『KISSIN' MY LIPS / Stories』以来となります。
さらに8thシングルの表題曲は、どちらもタイアップソングという豪華ぶり。
『タペストリー』は目黒蓮単独初主演となった映画「わたしの幸せな結婚」の主題歌に起用され、もう一方の『W』は嵐の櫻井翔が主演を飾ったドラマ「大病院占拠」の主題歌として約2か月にわたって放送されていました。
今回取り上げる『タペストリー』は、疾走感あふれるメロディーにのせて純愛を美しく描いたラブソング。
ジャニーズ曲でお馴染み、天才凡人のMiNEとAtsushi Shimadaが作詞・作曲を手がけたほか、Snow Manの『Acrobatic』やSixTONESの『JAPONICA STYLE』を手がけたTakuya Haradaが作曲に参加しました。
公式MVでは、明治・大正期を彷彿とさせる映画の時代設定にちなみ、Snow Manが凛とした和装姿を披露。
また、スーツ姿のダンスシーンも贅沢に取り入れられ、歌詞で表現されている力強さと儚さを映像にも投影しました。
目黒蓮初の単独主演映画「わたしの幸せな結婚」
「わたしの幸せな結婚」は顎木あくみによる同名の小説が原作のラブストーリー。
異能の血をひきながら能力を持てなかった名家の長女・斎森美世(さいもりみよ)が、冷酷無情と噂されるエリート軍人・久堂清霞(くどうきよか)の元へ嫁ぐところから物語は始まります。
実母を早くに亡くした美世は実父に半ば見放され、継母や異母妹からも使用人同然の扱いを受ける過酷な環境で生活していました。
そんな彼女にとって清霞は、不器用ながらも初めて存在をありのまま受け入れてくれた人物でした。
実写映画で久堂清霞を演じるのは、Snow Manの目黒蓮。
後天的難聴を抱える青年を演じたドラマ「silent」や、朝ドラ「舞いあがれ!」といった話題作で好演を続ける目黒が、ついに本作で単独初主演を飾りました。
ヒロインの美世を演じるのは、今もっとも旬な俳優の1人である今田美桜です。
「わたしの幸せな結婚」は2023年3月17日に劇場公開されたばかり。
政略結婚から始まった2人の恋がどんな結末をたどるのか、ぜひその目で確かめてみてください。
「貴方」に恋い焦がれる主人公
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恋綴り 涙 風に揺れて
貴方を想って胸が鳴く
二人 永遠に 導いて
今すぐ隣へ…
≪タペストリー 歌詞より抜粋≫
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歌詞にある「恋綴り」とは、いわゆるラブレターを意味するのでしょう。
主人公は大切な人と一緒に過ごせる日を夢見ながら、溢れる想いをしたためていきます。
「貴方」を思って流す涙には、どれほどの愛情が込められているのでしょうか。
胸を締め付けるほど恋焦がれている様子が伝わってきます。
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晴れている空なのに 雨が今肩を叩くよ
居場所探す悲しみが 泣き出したせいかな
≪タペストリー 歌詞より抜粋≫
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晴れ間から唐突に零れ落ちた雨を涙に例える主人公。
それは「貴方」を求める自身の気持ちと重なるところがあるのかもしれません。
精神的に穏やかな時こそ、普段は見せないようにしている寂しさが込み上げるのではないでしょうか。
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瞳閉じれば (いつでも) 貴方の鼓動が響いてる
触れる指先 (頬伝って) 孤独を溶かしてゆく
≪タペストリー 歌詞より抜粋≫
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目を閉じると、好きな人のぬくもりをリアルに思い起こすことができます。
このフレーズからは、主人公が当たり前のようにいつも「貴方」に思いを馳せていることがわかります。
それだけにとどまらず、常に寄り添って力を与えてくれる大きな存在であることが容易に想像できます。
「タペストリー」に隠された愛情
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恋焦がれ 空を 儚く舞う
この想いが零れぬ様に
轍照らす 月明り
今 何処へ行こう
≪タペストリー 歌詞より抜粋≫
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心から大切に思える人とは、例えその瞬間一緒にいられなかったとしても、頭に想い浮かべると温かい気持ちになる存在のことではないでしょうか。
かけがえのない存在だからこそ、愛おしさから胸が締め付けられるのです。
「轍」とは、車が通った後に残る車輪の跡のこと。
目的地を見失ったとき、過去の経験が行き先を教えてくれることがあります。
主人公にとって貴方と過ごした時間が糧となり、目の前の「轍」のように進むべき方へと導いてくれているのではないでしょうか。
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永遠の愛と引き換えに
全てを投げ出してもいいから
孤独 終わらせに行こう
≪タペストリー 歌詞より抜粋≫
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この歌詞からは、永遠の愛を勝ち取るためにすべてを投げうってもいいという度胸が感じられます。
一見、行き当たりばったりに感じられますが、言い換えれば「貴方と一緒にいるためならばすべての責任を取る」と表明していることにもなるのです。
これは映画「私の幸せな結婚」における、清霞から美世に対する想いにも重なるのではないでしょうか。
彼は美世との結婚を通して、名家同士のしがらみに立ち向かうことになりました。
その他にも、当主としての責任や将来を見据えた自分のキャリア等、様々なことに気を配らなくてはなりません。
それらを理解したうえで、美世と一緒にいることを選んだ彼の覚悟は相当なもの。
それだけ彼女から与えてもらった感情は、清霞にとって尊いものだったのではないでしょうか。
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絡まる糸を解いて行く一人が二人に変わる
心の隙間は互いが埋めるから
涙の傘になろう…
≪タペストリー 歌詞より抜粋≫
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『タペストリー』とは室内装飾用に用いられる織物のことを指し、扱われるモチーフは風景画や人物画など多種多様な種類があります。
「絡まる糸を解いて行く」というフレーズからは、力を合わせて様々な問題を解決しようとする前向きな姿勢が感じられます。
つづく「一人が二人に変わる」という歌詞は、それぞれに自分は孤独だと思っていた清霞と美世が、共に生きていく中で唯一無二の関係性を築いていく様を象徴しているのではないでしょうか。
『タペストリー』を完成させるのに、一本の糸では難しくとも、二本の糸なら隙間を埋めあえるでしょう。
同時に何があっても守り抜くという強い意志も感じさせてくれます。
何気ない言葉一つ一つが、大切なことに気づかせてくれる本作。
Snow Manのアイドル性をまた一つ次のステップに押し上げた楽曲となりました。
Snow Manの歌声で紡ぐあたたかさ
今回は映画「わたしの幸せな結婚」から、主題歌『タペストリー』の歌詞の意味を考察しました。映画のストーリーともリンクした美しい歌詞は、何度も嚙み締めたくなる魅力にあふれています。
より一層磨かれたSnow Manの歌声は温かみを帯び、本作を通して安心感を与えてくれるでしょう。
YouTubeでは『タペストリー』のDance Practice動画も公開されました。
MVとはまた異なる雰囲気に圧倒されること間違いありません。
ぜひ、この機会にお楽しみください!