Vaundy提供の「めざましテレビ」新テーマソングを解説
2023年5月9日に配信リリースされたAdoの新曲「いばら」は、フジテレビ系情報番組『めざましテレビ』の新テーマソングとしてVaundyが作詞作曲を手がけた提供曲です。『逆光』以来二度目のコラボとなる今作は、疾走感あふれる音楽とAdoのパワフルな歌声が魅力のエモーショナルなロックナンバー。
Vaundyは「1日の始まりに背中を押してくれる、毎朝のスイッチをいれるきっかけになるような楽曲になれば」との思いと、Adoへのエールとしてこの楽曲を制作したそうです。
またAdoは「自分を信じて生きれば、いつかあなたの朝が見える日も近いよ」という思いで歌ったとコメントしています。
どんなメッセージが綴られているのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。
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そのいばらで
願いを一つ叶えてくれよ
もう
この甘ったれた
浅い眠りに傷をつけてさ
期待を超えるその魅惑の痛みで
きっと
今よりずっと朝が見えるはず
≪いばら 歌詞より抜粋≫
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「いばら」といえばバラのイメージで、Adoのシンボルである青いバラを彷彿とさせます。
このサビの歌詞から、主人公がいばらの棘が刺さる痛みによって目覚めさせてもらおうとする様子が読み取れます。
「甘ったれた浅い眠り」はおそらく夢を見ている状態のことで、現実から目を逸らして望む景色を夢想していることを示していると解釈できます。
また、できれば避けたい痛みを「期待を超えるその魅惑の痛み」と描写しているのも印象的です。
これは毎日同じことを繰り返すだけの平凡な日々から目覚めて、まだ見たことのない新たな世界へ行きたいという願いなのではないでしょうか。
毎日見ているはずなのに「今よりずっと朝が見えるはず」と歌われていることからも、自分だけの輝かしい朝を見つけたいという意思が感じられます。
胸が痛むようなニュースばかりの暗い世の中に光を照らすような力強い歌詞ですね。
誰の心にもいばらは芽生える
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反論などいらない
願ってしまったあなたの負けさ
長い眠りの旅の始まりだ
つまりそう
生の尽きる果てに
震えてしまったあなたの負けさ
それはすでにあなたに芽生えてる
≪いばら 歌詞より抜粋≫
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実際のいばらが茂って広がるように、この楽曲でいう比喩的ないばらも人々のそれぞれの心に広がっていくもののようです。
主人公と同じ願いを持った時、また今の生き方を続けることを恐れた時にはもういばらは芽生えています。
「浅い眠り」と対照的な「長い眠りの旅」は、自分の未来の夢を明確に描くことを象徴していると考察しました。
眠りから覚める時が夢を叶える時です。
「反論などいらない」という言葉は、自分の心の底にある想いに抗う必要はないというメッセージなのかもしれません。
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それはね、しってる?
あなたのその眠りから生まれる
バクも吐き出す
鋭い希望
≪いばら 歌詞より抜粋≫
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「バク(獏)」は人が睡眠中に見る夢を食べてくれるとされる中国の幻獣です。
悪夢を見た後に「この夢をバクにあげます」と3回唱えると二度と悪夢を見なくて済むと言われています。
そんなバクが吐き出すということは、その夢は悪夢の要素が全くなく希望に満ちていることが伝わってきます。
「鋭い希望」というフレーズから希望が心に深く突き刺さっているようなイメージを感じ取れます。
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謙遜などいらない
願ってしまったあなたのためさ
傲慢だ
なんて、すでに遅い
つまりそう
見えないその先に
震えてしまったあなたの負けさ
それは天真爛漫武者震
≪いばら 歌詞より抜粋≫
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「願ってしまったあなたのため」にいばらは動き出す。
今更謙遜したり「傲慢だ」と自分や周囲に喚き散らしたりしても芽生えたいばらの成長は止まらず、やがてそんなネガティブな思考さえ壊してくれるはずです。
その結果がどうなるか分からないと不安になることもあるでしょう。
しかしその震えが不安によるものではなく、天真爛漫に未来を期待する武者震いであることを主人公は見抜いています。
痛みを乗り越えた先にあなただけの朝が来る
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だからね、きいてて
あなたのその寝言はさ
きっと、怪我人が出るほど力を持ってる
だからね、目を開けて
あなたが覚める頃には
きっと傷は癒えている
準備はいいか
≪いばら 歌詞より抜粋≫
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ここでいう「寝言」は、心の中に溜め込んでいる想いのことと解釈できます。
無意識に出る寝言のように、想いが心からあふれている様子を見事に捉えていますよね。
その想いは十人十色ですが、全てが世界を変えるほど周囲に大きな影響を及ぼす力を持っています。
目覚めた時には負っていた傷は癒えているはずです。
だから自分の想いに自信を持ち、発信することを恐れるなと鼓舞しているのではないでしょうか。
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そうだね、しってる。
あなたのその痛みには
きっと耐えられぬほど辛いこともあったろう
でもね、目を開けて
もうすぐ朝が来るから
すでに勝機で満ちている
準備はできた
≪いばら 歌詞より抜粋≫
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いばらが刺さる痛みは「耐えられぬほど辛い」かもしれません。
おそらく主人公自身がそのような経験をしたために「あなた」の苦しみが分かるのでしょう。
しかし主人公はその痛みを乗り越えて美しい朝を迎えることができました。
だから「あなた」にももうすぐ来る自分だけの朝を「目を開けて」見つめてほしいと願っています。
これまで積み重ねてきた努力によって「すでに勝機で満ちている」ため、結果が失敗に終わることはあり得ません。
覚悟を決めたなら今眠りから目覚めて共に世界を変えようと招いているような歌詞に力がもらえます。
『いばら』は朝の憂鬱を吹き飛ばす応援歌！
『いばら』はVaundyからAdoへ、Adoからリスナーと向けられた力強いエールに心を揺さぶられる応援歌です。夢を追いかけたり自分の殻を破ったりする時には痛みを伴うことがありますが、痛みを乗り越えた先に必ず素晴らしい結果が待っている、あなたなら乗り越えられるはずだと語りかけてくれるような温かさが感じられます。
朝目覚めたらぜひ『いばら』を聴いて素敵な1日を始めましょう！
