Eveとコラボした「きよねこっ」主題歌
YouTubeのチャンネル登録者数が400万人を超える大人気ゲーム実況者・キヨ。2022年12月から、マスコットキャラ「キヨ猫」と飼い主であるキヨ自身が登場するアニメ『きよねこっ』の配信がスタートしました。
今回考察する『有頂天猫』は、そんな『きよねこっ』の主題歌として制作された楽曲です。
作詞作曲を手がけたのは、キヨの「ただの友達」ことシンガーソングライターのEve。
2023年4月には、乃木坂46の賀喜遥香とキヨ本人が出演するMVも公開され、1ヶ月足らずで再生回数500万回を突破しました。
絶大な人気を誇るゲーム実況者と今をときめくシンガーソングライターがコラボした『有頂天猫』。
果たしてその歌詞には、どのような意味が込められているのでしょうか。
Eveとキヨの強固な絆
今回の考察では、『有頂天猫』を「Eveからキヨへの激励の歌」と解釈してみました。
それを踏まえ、まずは1番の歌詞から見ていきましょう。
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口癖は だるい 眠い めんどい
だけど本当は世話焼きでさ
寝ぼけ眼で 画面をみて
スイッチをオンにした
人が変わったような光差す眼差し
大声に勝る奴などいない
馬鹿にされては 指差されてさ
青い春を過ごした 気持ちさえ
日常に溶ける 彩りを掬いあげて
≪有頂天猫 歌詞より抜粋≫
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普段は面倒くさがりだけど、実は世話焼き。
そしてゲームをするときには眼差しが変わる。
これらはきっとキヨ自身を表す描写でしょう。
また、誰かに馬鹿にされたり後ろ指を差されたりといった暗い過去も垣間見えます。
長年の付き合いであるEveだからこそ語れるキヨの一面だといえそうです。
「日常に溶ける 彩りを掬いあげて」は、かつてのブルーな経験や気持ちでさえも活動の糧にしていこう!という励ましのように聴こえます。
続いて、サビの歌詞です。
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僕は単純なんだ 君さえ笑えれば
駆け上がれこの軌跡でさえも
心躍る模様 吐き出せぬほど
満たされない 日々を埋めて
君がいない夜は 考えられやしない
止まることもない それでも僕は
最後まで走りぬけるから まだ
お別れはとっといてくれよ
いつか答えが 繋がってゆけるから
もう少しだけ
またあした
≪有頂天猫 歌詞より抜粋≫
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ここでは「僕=Eve」、「君=キヨ」だと仮定してみましょう。
「駆け上がれ この軌跡でさえも心躍る模様」は、何だって冒険の一部なんだから一心に走っていこう!というEveからの激励のように感じられますね。
そして後半には「君がいない夜は考えられやしない」とあります。
2人の強い絆が伝わってくる一節です。
「活動領域こそ違えど、僕は自分の道を走り続けるからこれからも一緒に頑張ろうぜ」とEveは言いたいのかもしれません。
今まで頑張ってきたことが報われると信じて、2人はそれぞれの道を極めていくのでしょうね。
「またあした」という軽快な挨拶は、そんな2人がこれからも仲良くつるんでいくことを予感させます。
「残機」なき人生をともに駆ける
続いて、2番の歌詞を見ていきましょう。
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本当はやりたいこともなくて
のらりくらり毎日生きてさ
だけど その目に曇りなどなく
熱を帯びた声が伝う
何も変わったようなことなどはないけど
今見えてる景色は嘘じゃない
君と僕と知らない誰かにも
繋がっていることが全てだと
日常に燃ゆる 彩りを掬いあげて
≪有頂天猫 歌詞より抜粋≫
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曇りのない目と熱を帯びた声。
1番と同様、平坦な日常の中、自分らしくゲーム実況を続けるキヨの描写でしょうか。
やっていることは変わらずとも、できることが増えたりファンが増えたり。
変わらないように見えて、人気者の「景色」はゆっくりと変化するものなのかもしれません。
また「君と僕と知らない誰か」が繋がれるのは、ネットの世界を主戦場とする醍醐味だといえます。
多くの人と繋がりながら「日常に燃ゆる 彩り」を掬いあげる。
たくさんのファンの応援や熱狂を燃料として、実況者は今日もまた活動を続けるのでしょう。
続いてサビの歌詞です。
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もしも終わってしまう その時が来るまでは
笑いとばして 手を伸ばすから
まだ諦めない 残機などはない
何度だって立ち上がる姿をくれよ
遥か彼方へ 声を枯らすまで
まだ
≪有頂天猫 歌詞より抜粋≫
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前半部分は「この先くじけることがあっても僕が助けてやる」といったニュアンスだと考えられます。
現実はゲームとは違い、「残機」はありません。
己の身ひとつで何度でも立ち上がるのが人生というもの。
おそらく「僕」は、大切な「君」を支えながらも、その生き様に自分自身も支えられているのでしょう。
お互いを高め合える関係のまま、まだ見ぬ景色へ、行けるところまで行こうとしているようですね。
馬鹿やりながら「またあした」
ここからは終盤の歌詞を見ていきます。
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夜を超えていくんだ少年少女
ほら出番だ 想いは託してきた
喝采は止まない またくだらない話をしよう
いつか思い出にしよう 新しいこの時代にも
もう少し馬鹿やっていたいから それまではまだ
≪有頂天猫 歌詞より抜粋≫
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「少年少女」は、キヨの動画を楽しみに待っているファンたちだと仮定できそうです。
キヨへの想いを音楽に託したEveが、「あとはみんなの出番だから彼を拍手で迎えてくれ」と楽曲を送り出しているように読み取れます。
そうしてまた「君と僕と知らない誰か」で「くだらない話」をして盛り上がろう!と伝えたいのかもしれません。
また、お互い馬鹿やりながらも、ぞれぞれのフィールドで活躍し続けたいという願いも含まれていそうですね。
続く最後のサビは、1番と同様です。
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僕は単純なんだ 君さえ笑えれば
駆け上がれこの軌跡でさえも
心躍る模様 吐き出せぬほど
満たされない 日々を埋めて
君がいない夜は 考えられやしない
止まることもない それでも僕は
最後まで走りぬけるから まだ
お別れはとっといてくれよ
いつか答えが 繋がってゆけるから
もう少しだけ
またあした
≪有頂天猫 歌詞より抜粋≫
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誰にも吐露できない苦しい日々があっても「心躍る模様」で埋めていく。
ブルーな経験さえ糧に、熱い喝采は燃料に、ひたすら日々を駆け抜ける「軌跡」こそ充実した人生の証なのかもしれません。
最後の「またあした」からは、キヨとEveの友情と同じように、2人の仕事上のコラボレーションもずっと続いていきそうな期待が膨らんできます。
友情の軌跡たる「有頂天猫」
今回は、キヨ『有頂天猫』の歌詞の意味を考察しました。Eveからキヨへの熱いメッセージが感じられる、疾走感のある爽快な歌詞でしたね。
長い間キヨを応援している人にとっては込み上げてくる描写も多かったことと思います。
最後に、忘れてはならないのが曲名『有頂天猫』にある「猫」。
Eveと同様、トレードマークの「キヨ猫」もまたキヨの努力をそばで見守ってきたはずです。
音楽でキヨとコラボできたEveは、アニメ化されて「有頂天」になった「キヨ猫」に自身を投影して歌詞を書いたのかもしれません。
『有頂天猫』は、キヨとEve、そしてキヨとキヨ猫の「友情の軌跡」だといえそうです。