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奏音69「クイーンオブハート」歌詞の意味を考察!官能的な童話の世界に誘われる

奏音69の代表曲『クイーンオブハート』は童話『不思議の国のアリス』をモチーフにした作品です。何も知らない無垢な少女が足を踏み入れた魅惑的な大人の世界を描く歌詞の意味を考察します。

「不思議の国のアリス」モチーフの人気曲に注目

作詞作曲からイラストや映像制作まで1人で行うクリエイター・奏音69の人気曲『クイーンオブハート』は、歌い手のluzが2014年にリリースした1stアルバム『tWoluz』への書き下ろし楽曲です。

巡音ルカを使用したボカロVer.や奏音69によるセルフカバーVer.も好評で、これまで多くの歌ってみた動画が投稿されてきました。

さらにluz、奏音69、RAHWIAの3人によるクリエイターユニット・Royal Scandal(ロイヤル・スキャンダル)のシリーズ楽曲のひとつとしても親しまれています。

▲Royal Scandal - 『クイーンオブハート』【OfficialMusicVideo】

“ハートの女王”を意味するタイトルからも分かる通り、この楽曲は童話『不思議の国のアリス』がモチーフとなっていますが、その内容は艶っぽく意味深なフレーズが多く登場します。

主人公は「アリス」という名の少女です。

そして少女の母親であり、多くの男たちを虜にして彼らの世界を牛耳る「クイーンオブハート」たる女性が出てきます。

無垢な少女が母親の本性を知ったことから展開する歌詞の意味を考察していきましょう。

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Welcome to the Wonderland ここでは誰モが淫猥ら
How are you doing, Miss?
But you're tempted by the moonlight
どウせ足掻いても無駄 死ぬまで還れない
≪クイーンオブハート 歌詞より抜粋≫
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アリスが足を踏み入れた場所は、母親が秘密にしておきたかったワンダーランド

「ここでは誰モが淫猥」で、少女が見てはいけない大人だけの世界が広がっています。

続く英語詞は「調子はどうだい、お嬢さん?でもあなたは月の光に誘惑されてしまう」と和訳できるでしょう。

今は何も知らずに正気でいてもこの狂った世界に足を踏み入れてしまえば、不思議な引力に導かれて少女もワンダーランドの住人になってしまうことを意味していると解釈できます。

一度住人になってしまえばいくら足掻こうと逃れることはできないというこの世界の狂気が綴られています。

覗いてしまっためくるめく官能の世界


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不気味な猫が黒の中で嗤う
「こんなにも濡れてるじゃアないか」
官能へ響く嬌声にそっと耳を欹て
まるで処女のように――
≪クイーンオブハート 歌詞より抜粋≫
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アリスはドアの向こうから聞こえる男女の官能的な声に聞き耳を立てます。

何も知らないからこそ純粋な好奇心に駆り立てられて、ドアを開けてしまいました。

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殺さぬように 絶頂さぬように 壊れるまで愛撫してあげる
快楽は媚薬なの どんな兵もやがて狗のように跪くわ
This love is so insane
≪クイーンオブハート 歌詞より抜粋≫
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この部分は男たちを侍らせて快楽にふける女の思考を表しているのでしょう。

「快楽は媚薬」のようで、少し与えればもっと多くのものを求めて「どんな兵もやがて狗のように跪く」と男たちの頂点にいる自分に酔いしれている様子が見て取れます。

「This love is so insane」は「この愛はとても狂っている」という意味です。

ハートは愛を表すマークなので、彼女は『不思議の国のアリス』のハートの女王のようにこの狂った愛の世界の女王として君臨していることが分かります。

「殺さぬように絶頂さぬように壊れるまで愛撫してあげる」というフレーズからも、彼女がその場を支配していることが窺えます。

ここでは彼女は母親ではなく、ただの女として色欲に溺れているのです。

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「そうこれは夢の中、童話の魔女が出てきた光景」
Birthday でもないのに御馳走
優しい仮面もスり落ちそうで
「ねぇいつものママはどこ?」 それも気づかずに
If I am dreaming Somebody wake me up
≪クイーンオブハート 歌詞より抜粋≫
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見たことのない狂ったような光景を目の当たりにし、アリスは「そうこれは夢の中、童話の魔女が出てきた光景」と自分に言い聞かせます。

誕生日でもないのに御馳走が並ぶ豪華なテーブル、普段の優しい顔が仮面のように落ちかけて女の顔を覗かせている母親。

現実を受け入れられない少女は「ねぇいつものママはどこ?」と問いかけます。

しかしそちらが母親の本当の姿であることに気づいていません。

英語詞の部分は「もし私が夢を見ているのなら誰かが起こしてくれる」と和訳できます。

母親の知らない一面を見た戸惑いや大好きな母親を奪われたかのような恐怖心から逃避しようとする気持ちが見えてきますね。

狂った愛の世界の頂点に座す女王


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Off with their heads! そしてメアリーアンは奔り
帽子屋ガまタ呵楽呵楽と詠う
誰も皆 嘘で嘘を塗り潰す時
「仮面の裏」が見える
≪クイーンオブハート 歌詞より抜粋≫
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アリスの声を聞いた母親は自分の世界に娘が侵入したことを知り、まさしくハートの女王のように「Off with their heads!(首を刎ねろ!)」と叫びました。

命令を受けて召使いのメアリーアンはアリスを追いかけ、帽子屋はその追いかけっこを見て笑っています。

本当の自分を隠そうとして「嘘で嘘を塗り潰す時」、人は素顔を隠す「仮面の裏」を見せてしまうものです。

良い母親を演じていた女は本性を隠そうとするあまりに娘を害そうとしていて、冷酷な一面を覗かせています

彼女が大切にしているこの世界がどれほど狂っているかが伝わってきます。

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犯さぬように 穢さぬように 色欲を咲かす花園
この蜜が欲しいなら 膝をつき地を舐め誠意を述ベ
さぁ心臓を捧げて頂戴
――Yes, your majesty
――I cut out my heart for you

殺さぬように 絶頂さぬように
この狂気の晩餐さえ美味わうほど
あタしは――The Queen of Hearts
≪クイーンオブハート 歌詞より抜粋≫
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私を求めるのなら屈辱的な命令にさえ従い、誠意という名の愛情を言葉で示し、心臓を捧げるかのように自分自身を全て私に捧げて頂戴。

母親は女王らしくそんな風に語っています。

そして彼女に心酔する男たちは、続く英語詞にあるように「はい、陛下」「私は心臓をあなたのために捧げます」と答え、彼女に愛を誓います。

そのようにしてこの「色欲を咲かす花園」は築かれていったのです。

娘がどうなるかを気にもせず晩餐を味わえる母親の姿はまさに狂気と言えます。

ちなみにハートのクイーンには「知的な女性」や「魅力的な女性」という意味もあるようです。

女のそうした面に男たちが惹かれたということなのでしょう。

多くのリスナーがこの曲を繰り返し聴きたくなるのも、彼女の魅力に当てられてしまっているからなのかもしれませんね。

奏音69が描く魅惑の世界を覗こう

奏音69の『クイーンオブハート』は童話の世界を独自の視点で魅惑的に描いた楽曲です。

危険に晒されたアリスですが、MVでは帽子屋に連れ去られて一時は難を逃れます。

その後のアリスの物語を描いたRoyal Scandalシリーズのほかの楽曲にも注目すると、さらに楽曲の世界観が広がるのでぜひ合わせてチェックしてみてください。

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