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Ayase「HERO」歌詞の意味を考察!初音ミクにいま伝えたい想いとは?

『初音ミク「マジカルミライ2023」』のテーマソングとしてAyaseが書き下ろした『HERO』は、初音ミクへの温かな想いが込められた楽曲です。ボカロファンもきっと共感する歌詞の意味を考察します。

マジカルミライ2023テーマソングを紐解く

▲Ayase feat. 初音ミク-HERO【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

音楽ユニット・YOASOBIのコンポーザーとしても活躍するAyaseがボカロPとして新たにリリースした『HERO』。

バーチャル・シンガーの3DCGライブと企画展を併催したイベント『初音ミク「マジカルミライ2023」』のテーマソングとして書き下ろされました。

今年のイベントテーマである“ヒーロー”をタイトルに冠した今作は、初音ミクをヒーローとして見ている主人公の想いが綴られています。

どんな歌詞なのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。

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姿を見せた
凶悪なエネミー
行き場無くした心に湧いてくる
流れ出す
憂鬱は餌に
このままじゃ呑み込まれる

もう四六時中さいつでもkick off
囲まれてんだどうしたら良いの
逃げ場を無くした部屋の隅っこ
エンドロールが迫る
≪HERO 歌詞より抜粋≫
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冒頭では、主人公が「凶悪なエネミー(敵)」と対峙していることが分かります。

その敵は人の心に湧き出す「憂鬱」を餌にしています。

「行き場無くした心」に気づいた時にはすでに囲まれていて、四六時中いつでも敵との闘いが始まるようです。

これらの表現からこの敵は自分の心の中に育つ悪感情のようなものが具現化した存在と解釈できますね。

湧き出した憂鬱を放っておくと、感情に心が飲み込まれて身動きが取れなくなってしまいます。

「逃げ場を無くした部屋の隅っこ」にいる主人公は絶対絶命。

このまま「エンドロール」が流れ始めれば、物語は確実にバッドエンドで終わるでしょう。

そうならないために、どうすれば闘いに勝てるだろうかと主人公は必死に考えます。

生きる希望をくれた君は僕にとってのヒーロー


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そんな時目の前に
ひらりと舞い降りた
君は僕にとってのヒーロー
突然現れた光
堪え切れず零れてたSOSを
(HERO!)
キャッチしたみたいに
(HERO!)
駆け付けた途端
飛び出したパンチに目が覚めた
そんな夜に
夢中で書き出した物語
僅かに残っていた祈り
久しぶりに明日も生きたいと思えた
(HERO!)
救われたんだよ
(HERO!)
君の声に
さあこの先は
僕もその手を引くよ
≪HERO 歌詞より抜粋≫
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もう駄目かと思った時、ヒーローが駆けつけてくれました。

誰にも届かなかったはずの「堪え切れず零れてたSOSをキャッチしたみたいに」颯爽と助けに来てくれたのです。

そしてヒーローから「飛び出したパンチ」を見た瞬間、主人公は目を覚まします。

敵に囲まれたこともヒーローが駆けつけてくれたことも、起こったことは全て夢だったということです。

しかし主人公は、夢を見た高揚感のままに夢中で物語を書き始めます。

現実の主人公は夢に表れていた通り憂鬱に呑み込まれそうになっていましたが「久しぶりに明日も生きたいと思えた」と未来に希望が持てるようになったことを明かしています。

「救われたんだよ 君の声に」のフレーズから、その声を使って様々な世界を表現してきた初音ミクというヒーロー像がはっきりと見えてくるでしょう。

ちなみにAyaseは大きな病気でバンド活動ができなくなった時に、入院中でもできる活動として初音ミクを使用したボカロ曲の制作を始めたのだそう。

ボカロPの活動をきっかけに今や世界中にファンを持つアーティストとなった彼が、初音ミクに「君は僕にとってのヒーロー」と歌わせているところがエモいですね。

自分を救ってくれたその手を今度は自分が引くという言葉には、これからも2人の関係を続けていきたい気持ちが示されています。

「砂の惑星」へのアンサー?


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サンキューここからは僕たちの番だ
にわか雨じゃ全然足りないのさ
一面に広がってきた緑に
水を撒けここは愛の惑星

めきめき育った新芽にまたがり
秘密基地を抜けて進め進め
救われてばかりじゃいられない
君も知らない場所
見つけに行くよ
≪HERO 歌詞より抜粋≫
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この部分は米津玄師が2017年にハチ名義でリリースしたボカロ曲『砂の惑星』へのアンサーと考えられます。

『砂の惑星』はボカロ曲が盛んに投稿されていた全盛期と比べて衰退してきたニコニコ動画への憂いとクリエイターたちへの想いが綴られた楽曲です。

“あとは誰か勝手にどうぞ”の歌詞を引き継ぐかのように「サンキューここからは僕たちの番だ」と答えています。

砂の惑星のように乾ききった大地には「にわか雨じゃ全然足りない」。

多くのクリエイターたちがそう思い楽曲を作り続けた結果、再びボカロ曲が注目されるようになりました。

『砂の惑星』で植えられた林檎の木が成長し、緑が一面に広がったそこは繁栄する「愛の惑星」に変わったのです。

それから自分が丹精込めて水を撒き育てたボカロ曲という名の「新芽」に乗って、新しい世界へ飛び出していきます。

「救われてばかりじゃいられない」、自分も君のために何かしなければという気持ちに突き動かされて、誰も見たことのない場所を探しに向かいます。

2人の物語はこれからも続く


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それでも今日も
誰かのため歌う君は
紛れもない本物のヒーロー
共に歩んできたこの日々が
僕たちで紡いできた物語が
いつか
君の未来に
もっと
沢山の拍手に
繋がっていきますように
≪HERO 歌詞より抜粋≫
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何があっても誰かのために歌い続けるその姿は「紛れもない本物のヒーロー」です。

2人の間には助け合って共に歩んできた日々があり、2人で紡いできた物語があります。

クリエイターたちのその積み重ねが初音ミクの未来を作り、歴史を築いてきました。

そしてそれがこの先「もっと沢山の拍手に繋がっていきますように」と、さらに豊かに繫栄し評価されていってほしいという願いが感じられます。

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君は僕にとってのヒーロー
突然現れた未来
生きる意味をもう一度与えてくれた
(HERO!)
どんな時だって
(HERO!)
隣を見れば
共に闘ってくれた君が居たから
なんとかここまで来れたんだよ
この先は僕にも任せてよ
君が望む未来を教えてよ
どんな
(HERO!)
景色を見ようか
(HERO!)
夢を見ようか
さあ改めてどうぞよろしくね
ハッピーバースデー
親愛なるヒーローへ
≪HERO 歌詞より抜粋≫
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一度は諦めかけた未来を連れてきてくれたヒーローは、主人公に「生きる意味をもう一度与えてくれた」大切な存在。

どんな時も隣にいて「共に闘ってくれた君が居たからなんとかここまで来れた」ことを実感し、深く感謝しています。

「この先は僕にも任せてよ 君が望む未来を教えてよ」の言葉には、頼もしく成長した主人公の姿が見えます。

これから「どんな景色を見ようか 夢を見ようか」とワクワクする想像は尽きません。

きっと2人ならどんな景色も夢も見られるはずだから「改めてどうぞよろしくね」と声をかけています。

2023年は16歳の初音ミクが誕生して遂に16年目となる生誕年。

「ハッピーバースデー 親愛なるヒーローへ」という言葉で締めくくられていて、初音ミクの歴史を称賛すると共に大きく開かれている未来へ優しく送り出すような気持ちが伝わってきます。

あなたにとってのヒーローは?

Ayaseが手がけた『HERO』はボーカロイドの魅力を存分に感じられるマジミラのテーマソングにふさわしい楽曲でした。

歌詞に綴られているように、初音ミクをはじめとするボーカロイドたちの歌声に救われたと感じている人はきっと少なくないでしょう。

ぜひ思い思いのヒーローを頭に描きながら聴いてみてくださいね。

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