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とた「紡ぐ」歌詞の意味は?ノスタルジックで雄大なラブソングを徹底考察!

2023年2月にリリースされたとた『紡ぐ』。SNSで絶大な人気を集め、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でも披露された話題曲です。ノスタルジックな雰囲気をまとう『紡ぐ』の歌詞には、一体どのような意味があるのでしょうか。

SNSで話題を呼んだ「とた」の人気曲

TikTokやInstagramなど、SNSを中心に人気を集めているシンガーソングライター・とた

美しい比喩や言葉遊びが織り込まれた歌詞や耳に馴染む透き通った歌声が魅力の、今をときめくベッドルームアーティスト(SNSで作品を発表し、自室で音楽活動を完結させるアーティスト)です。

そんな「とた」の楽曲の中でも特に大きなヒットを記録したのが、今回考察する『紡ぐ』。

2023年2月1日にリリースされた楽曲で、MVの再生回数は700万回を突破しています(2023年10月4日現在)。
▲とた-紡ぐ【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

また『紡ぐ』は、一発撮りの音楽YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でも歌唱され、「とた」初の顔出しパフォーマンスということもあり大きな話題を呼びました

▲とた-紡ぐ【THE FIRST TAKE】

ノスタルジックで繊細な雰囲気をまとった『紡ぐ』の歌詞には、果たしてどのような意味が込められているのでしょうか。

空が泣くあなたが笑えるように


今回の考察では「大切な人を亡くした主人公」を想定して歌詞を解釈したいと思います。

まずは前半の歌詞から見ていきましょう。

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水溜まりに一粒落ちた雫で
世界は波打ち歪んで見えた
大事なものすら曇り空
影隠されて下を向く
≪紡ぐ 歌詞より抜粋≫
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たった一粒の雫(しずく)によって水溜まりに映る世界が歪む。

「大切な人の死」という1つの出来事が主人公の見ている世界を一変させたことに通ずる描写ですね。

雨続きの曇り空が隠すのは、太陽とその光に伴う影だといえます。

そして太陽は「亡くなった大切な人」、影は自分自身の比喩だとも解釈できそうです。

大事な人を失い、自分自身も見失い、悲しみに暮れている様子の主人公。

「下を向く」は「うつむいている」という意味に取れますが、もしかしたら消える影にハッとして主人公は空を見上げた(=水溜まりに映る自分が下を向いた)のかもしれません。

次の歌詞も見てみましょう。

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いつかは摘まれてしまうのにね
綺麗に花は咲いていて
枯れてしまわぬように
この歌が流れたら
≪紡ぐ 歌詞より抜粋≫
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いつかは摘まれたり枯れてしまったりする花。

これは、不慮の事故に遭ったり寿命が尽きたりといった人の一生の儚さをたとえた表現だと考えられます。

美しい人生にもいつか終わりが来ますが、主人公はそれを歌にして永遠にしようと考えている様子です。

続くサビの歌詞も見てみましょう。

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空が泣くあなたが笑えるように
風が歌うあなたに聞こえるように
雲は揺れる私の心のように
淡く、脆く、それでも強く
今は歌うただ、ただ
あなたに届くように
虹がかかりそして繋がる
≪紡ぐ 歌詞より抜粋≫
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よく「やまない雨はない」と言われるように、どれだけ雨が降り続いても太陽は再び顔を出します。

「空が泣くあなたが笑えるように」というフレーズは、今は雨でも、それは太陽が輝く(=あなたが笑う)ための先触れに過ぎないという意味なのではないでしょうか。

また「風が歌うあなたに聞こえるように」は、自分の歌声を風が天国まで運んでくれるという意味に読み取れます。

そしてゆっくりと形を変える「雲」は主人公の「心」のよう。

感度が高まった繊細な心は淡く脆(もろ)いものですが、それでも「私」は凛として歌います。

大切な「あなた」に声を届けるため、そして心と心で繋がるために。

虹がかかりそして繋がる


続いて、後半の歌詞を見ていきましょう。

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さよならの前に振り返り言うの
お空で幸せに暮らしますって
見上げて涙を流すのは
ここで生きたいの
あなたとの幸せを諦めてないから
≪紡ぐ 歌詞より抜粋≫
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「お空で幸せに暮らします」。

これは、天国へ旅立った「あなた」の言葉のイメージだと推測できます。

天に昇る「あなた」を見上げ、涙を流す主人公。

「お空」ではなく「ここ」で、純粋に「あなたと」幸せになりたいという望みはもはや叶いようがありません。

こちら側の世界で生き続けることと、「あなた」との幸せを諦めないこと。

主人公の涙は、これらの両立しない望みがぶつかり合う葛藤によってもたらされたものなのでしょうね。

続くサビの歌詞はこちらです。

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空が泣くあなたが笑えるように
風が歌うあなたに聞こえるように
雲は揺れる私の心のように
儚く、脆く
≪紡ぐ 歌詞より抜粋≫
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ほぼ1番と同様の歌詞ですが、先ほどの「涙」を踏まえると少し感じ方も変わってきます。

「空が泣く」は自分自身の目が潤んでいる様子で、「あなた」の天国での幸せを優先させる決意をしたかのようです。

そして「風が歌う」は、心のどこかで「恋しさや悲しみの声もあの人に届けてほしい」と願う主人公の本音の表れかもしれません。

儚く、脆く、動揺を隠せない心。

そんな悲痛さえ感じ取れたところで、最後のサビに入ります。

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空が泣くあなたが笑えるように
風が歌うあなたに聞こえるように
雲は揺れる私の心のように
淀んだ空気も 澄みきる星空に
今は願うただ、ただ
明日がくるように
もう一度その手を握れる日がくるまで
虹がかかりそして繋がる
≪紡ぐ 歌詞より抜粋≫
----------------

「淀(よど)んだ空気も澄みきる星空に」からは、悲しみがいくらか和らぎ、主人公が爽やかな心持ちになった印象を受けますね。

シャボン玉が映されるMVも踏まえると「空が泣く」というのは天国の「あなた」へ向けてシャボン玉を飛ばす行為だったとも考えられそうです。

冒頭に登場した「水溜まり」から世界を見れば、舞い上がるシャボン玉はきっと空の涙に見えます。

ただただ「明日がくるように」と願う主人公は、いつか空で「あなた」に会えるまでは自分の人生をまっとうしようと決意したのかもしれません。

飛んでいく虹色のシャボン玉に乗せて、歌声を届けてくれる「風」に乗せて、紡がれた「私」の想いはきっと「あなた」に繋がることでしょう。

自然に想いを託すラブソング

今回は、とた『紡ぐ』の歌詞の意味を考察しました。

やさしく繊細な歌詞でありながら、曲のイメージが豊かに広がっていくラブソングでしたね。

主人公の「あなた」への気持ちも切なく、心に染みるものがあったのではないでしょうか。

また、空や風、花など、歌詞に登場したのは誰にとっても馴染みがある自然の風物でした。

日常で目にする雄大な自然に想いを託した歌だからこそ『紡ぐ』は多くの人の共感や感動を呼び、イマジネーションをかき立てるのかもしれません。

これを機にちょっと外へ出て、あなたも目に映る自然の風景と心を通わせてみてはいかがでしょうか。

この特集へのレビュー

女性

凪紗

2024/05/01 19:05

三月、私の姉が亡くなってしまい、絶望の中にいた時この歌に出会いました
お姉ちゃんがいなくなって寂しいですが、この歌詞の通りお姉ちゃんが天国で笑えるように私も幸せになりたいなって思いました

女性

平野桜

2023/12/07 12:41

とても私もこの曲を気に入っています!私は歌手になろうとなろうと小1から思っており、こんな曲を作れたら、こんな曲を発送できたらと思っています!!!!!

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