SNSで話題!マルシィのラブバラードを考察
SNSの口コミから人気に火がつき、Z世代の女性を中心に続々とファンを増やしているマルシィ。吉田右京(Vo/Gt)、shuji(Gt)、フジイタクミ(Ba)で構成される、福岡発の若手スリーピースバンドです。
TikTokやInstagramのリール動画は海外のリスナーからの反響も大きく、なかでも2022年にリリースされた『未来図』のライブ映像は格段にファン層を拡大させました。
そんな今注目のマルシィが2023年9月27日に配信リリースした楽曲が、今回考察する『ラブソング』です。
同年10月には、モデルで女優の鈴木ゆうかが出演する、愛情いっぱいのドライブデートを描いたMVも解禁されました。
その温かな世界観は多くのリスナーを魅了し、公開からわずか1ヶ月足らずで再生回数は140万回を突破しています。
ストレートな表現で優しい愛がつづられた『ラブソング』には、果たしてどのような想いが込められているのでしょうか。
その歌詞の意味を、じっくりと考えていきましょう。
愛を誓い合った「僕」と「君」
まずは1番の歌詞から見ていきます。
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もしも僕が君に
一目惚れしてなかったら
眠れないくらい不安に
心配性にならなかったかな
君と過ごすうちに
変わっていく僕の性格や常識
今となっては馴染んできたよ
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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「君」に一目惚れさえしなければ眠れないほどの不安には襲われなかった。
これは裏を返せば、「君」に惚れてしまったことで「僕」は心配性な性格になったということでしょう。
一緒に過ごすうちに性格や常識が変わるのは、恋愛ではよくある変化や成長ですよね。
それほどに多くの時間や経験を共有してきたカップルが、『ラブソング』の主人公のようです。
次の歌詞も見てみましょう。
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2人の価値観を擦り合わせて
擦れる日常を互いに癒して
たわいないやり取りに焦がれたい
言葉にして君にちゃんと渡したい
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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一方が他方に合わせるのではなく、二人の価値観を調整する。
二人のお互いに対する優しさが伝わってきますね。
「擦 (す)れる日常を互いに癒して」という歌詞からは、ときにけんかをしたり気持ちがすれ違ったりしても互いに歩み寄る温かい恋愛関係を意味しているのでしょう。
価値観の擦り合わせや日常で起こる摩擦。
それらに身を焦がす「たわいないやり取り」こそが「僕」にとっての最高の幸せなのかもしれません。
そして「僕」は、そんな幸せを言葉にして「君」へと届けます。
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愛しているよ
愛を誓ったり将来を語り合ったり
僕らはきっと運命だってそう決めようよ
どんなさ難題も一緒に解こう
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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「愛しているよ」に始まり、プロポーズを連想させるような言葉が並んでいますね。
愛を誓うことや、将来を語り合うこと。
どちらも二人の想いが本物だからこそできるのでしょう。
続く「僕らはきっと運命だってそう決めようよ どんなさ難題も一緒に解こう」という言葉からは、一生一緒にいたいという「僕」の気持ちの強さや愛らしさが伝わってきます。
そして続く歌詞は、愛しい「君」からの返答です。
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「歳をとってもよそ見しないでね」
「浮気もしないで可愛い大好きって言ってね」
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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もはや考察不要のストレートなお願いですね。
「僕」と同じように不安を抱えている「君」ですが、一途な「僕」はそれを癒すように応答します。
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君はそう言うけれど心配ないよ
しつこいくらいに
伝えるから
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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しつこいくらいに愛を伝えるから大丈夫。
そう答える「僕」は、きっと「可愛い」も「大好き」も「愛してる」も、どれだけの月日が経っても当たり前のように伝え続けるのでしょう。
二人の幸せはいつまでも
ここからは、2番以降の歌詞を見ていきます。
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休日昼下がりの部屋を暗くして
2人して二度寝して
起きて幸せ 身体寄せ合って
昨日の映画の続きを
隣にいれればなんでもいいよ
平凡も特別になってく
2人繋いだ手は離さないで
擦れる日常も彩ろう
思い出を溢れさせて
頼りないこんな僕だけど君のことを
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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2番では、愛を誓い合った二人が一緒に暮らし始めた様子が描写されているようです。
休日の二度寝や、モゾモゾと起きて続きから見る映画。
ありふれた日常も「僕」と「君」が一緒なら「特別」になります。
そしてひとたび繋いだ手は、決して離さない。
「擦れる日常も彩ろう 思い出を溢れさせて」という歌詞は、「付き合いたての新鮮さが薄れてきても、思い出や言葉を重ねて日々を輝かせよう」を意味してそうです。
自分自身を「頼りない」と評価する「僕」ですが、愛する「君」の不安を少しでもなくそうと言葉をかける姿勢はとても素敵ですね。
続くサビの歌詞はこちら。
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愛しているよ
愛を誓ったり将来を語り合ったり
僕らはきっと運命だってそう決めようよ
どんなさ未来も君となら
間違いないから
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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どんな未来でも、君となら間違いない。
価値観を擦り合わせ、どんな難題も一緒に解こうと誓い合った「僕」と「君」。
そんな二人なら、お互いにとっての正解をいつだって導けるように思えます。
次の歌詞も見てみましょう。
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サプライズだらけの君との日々
しわしわになってもお出掛けしたい
僕で良かったといつか言わせたい
この世で一番大切な人に
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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どれだけ長く一緒にいても、知らない一面に出会うことはよくありますよね。
「サプライズだらけの君との日々」は、平凡な毎日のなかでふと出会う、そんな小さな新発見をイメージさせます。
長く連れ添うほど互いを深く知っていけるなら「しわしわになってもお出掛けしたい」というのも共感できますね。
そしてそんな将来を夢想する「僕」の一番の願いは、この世で最も大切な「君」に自分を選んでよかったと言ってもらうこと。
心から互いを想い合う二人であれば、その未来は実現しそうです。
最後の歌詞はこちら。
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居なくなったら
困るどころじゃない
路頭に迷って見つかるまで
僕はきっと君を探してしまうよ
君みたいな人は他にいない
これからずっと
愛を伝えるよ
笑ったり泣いたりする君の一部始終を
隣で眺めさせて
守らせてくれないかな
君の毎日を
≪ラブソング 歌詞より抜粋≫
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すっかり二人で一つになった「僕」と「君」。
性格や常識、価値観でさえ二人の色になった今、「僕」にとって「君」以上に大切な存在はありません。
そんな何より大切な「君」と笑ったり泣いたりする日常を、いつまでも噛み締めていたい。
そのためにも「僕」は「君」にこれからも愛を伝え続けるのでしょう。
最後のひと言「守らせてくれないかな 君の毎日を」からは、頼りなかった「僕」がまた1つ成長したような印象を受けます。
助手席にいる「君」の寝顔を見守るような細やかな幸せが、いつまでも二人を包み込んでくれるといいですね。
2ndアルバム「Candle」も要チェック!
今回は、マルシィ『ラブソング』の歌詞の意味を考察しました。ストレートな言葉で丹念に愛を育んでいくような、優しく温かい歌詞でしたね。
今まさに自分の隣にパートナーがいる人にとっては、その愛しさや大切さを再認識できる楽曲だったのではないでしょうか。
当たり前の日常を当たり前に愛せる、そんな関係でずっといられたら素敵ですね。
なお、2023年11月29日には『ラブソング』を含む全10曲が収録された2ndアルバム『Candle』がリリースされます。
『ラブソング』の世界観に浸ったのを機に、マルシィの “優しいアルバム” にも耳を傾けてみてはいかがでしょうか。