1. 歌詞検索UtaTen
  2. コラム&特集
  3. バンド
  4. KANA-BOON

KANA-BOON「ソングオブザデッド」の歌詞の意味は?TVアニメ「ゾン100」の主題歌を考察!

人気ロックバンド・KANA-BOONが2023年7月9日より先行配信していた19枚目のシングル『ソングオブザデッド』を9月20日にリリース。アニメ『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』の主題歌に起用された楽曲の歌詞を考察!

「ゾン100」のOPテーマに起用

▲KANA-BOON-ソングオブザデッド【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

KANA-BOONの『ソングオブザデッド』は、Vo./Gt.谷口鮪が作詞作曲を手がけ、TVアニメ『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』の主題歌に起用されている楽曲です。

歌詞を考察するにあたり、まずは『ゾン100』のあらすじをご紹介します。

主人公はブラック企業で身も心もすり減らす、入社3年目の天道輝(テンドウアキラ)。

ある⽇突然、街でゾンビ・パンデミックが発⽣し、社会が混乱に陥る中、アキラは今日から会社に行かなくても良いのだと気づきます。

ゾンビ・パンデミックをきっかけに、ブラックな人生から抜け出し、やりたいことをやろうと動き出す姿を描く、青春ゾンビ活劇です。

「ゾン100」の世界観とリンクする歌詞


アニメ『ゾン100』のあらすじを踏まえ、冒頭の歌詞から見ていきましょう。

----------------
ディストピア to ソング・オブ・ザ・デッド!!
振り出し BAN! 番狂わせ
クラシックな暮らしにメタモルフォーゼ
昔々 そのまた昔
ただ人類は食って眠って踊り笑った
≪ソングオブザデッド 歌詞より抜粋≫
----------------

「ディストピア」とは、理想的な社会(ユートピア)の対義語で、個人の自由が抑圧された暗黒世界を意味する言葉です。

「ソング・オブ・ザ・デッド」は日本語訳すると「死者の歌」で、「~オブ・ザ・デッド」という表現は、ゾンビ映画のタイトル等でよく使われています。

これらの意味を合わせると、1行目の歌詞は、アニメ『ゾン100』におけるゾンビ・パンデミックが発生した、地獄のような世界を表現していると捉えられるでしょう。

3行目の歌詞にある「クラシック」は古典的、「メタモルフォーゼ」は変化を意味する言葉です。

大昔は会社などは無く、人類は狩猟や採集で食料を調達していたわけですが、ゾンビ・パンデミックによって、そのような古典的な暮らしに変化したことを表現した歌詞だと考察できそうです。

ゾンビ・パンデミックを、社会が振り出しに戻るような番狂わせな出来事だと捉えれば、アニメの世界観と歌詞がぴったりと重なるでしょう。

苦しい日々からの解放を表現した歌詞


続きの歌詞を見ていきます。

----------------
キリのない苦痛 ギリギリの社会圧
それが普通って映ってる朝のニュース
また目が覚め強制ルーティン
朝食にバーガー 超常現象で現状一変
なんて夢見るオレ馬鹿?
≪ソングオブザデッド 歌詞より抜粋≫
----------------

「ニュース」や「バーガー」などの言葉が出てくることから、この歌詞は現代社会を描写しているのだと分かります。

『ゾン100』の主人公がブラック企業に勤めていることを踏まえると、「強制ルーティン」という言葉は、会社での労働を指すのでしょう。

ブラック企業で働く日々を苦痛に思うあまり、ゾンビ・パンデミックという誰もが恐れる超常現象を、むしろ夢見てしまう主人公の心情を表現した歌詞だと考察できそうです。

----------------
ソング・オブ・ザ・デッド!!
I wanna!!
ダンシングダンシング
ローリングローリング
オンリーワン マイライフ
やがて人生だって終わってしまうぜ
虚しさだけじゃ足りないだろう?
≪ソングオブザデッド 歌詞より抜粋≫
----------------

サビは一気に目の前が開けるような、中毒性のある明るいメロディとなっています。

歌詞にも、たった一つの自分の人生を、虚しさだけで終わらせるのではなく踊ったり(ダンシング)、揺れたり(ローリング)したいことをしよう!という前向きなメッセージが表現されています。

ゾンビ・パンデミックをきっかけにブラックな人生から抜け出すという『ゾン100』のあらすじに重ねて聴くのはもちろん、自分自身の日常生活や人生に重ねて聴いても、心に迫るものがありそうですね。

ゾンビのように、人としての尊厳を放棄して、意味のないことを繰り返すだけの生き方になっていないか。

自分が本当にやりたいことは何なのか。

自分の生き方を問い直すきっかけにもなる楽曲だと言えるでしょう。

「ソングオブザデッド」の遊び心


最後に、同曲の歌詞に見られる遊び心について考察します。

----------------
限りあるこのリアルを食い潰すなら
一回足止め食ったっていいから脳内クリーニング
君の人生はファストフードじゃないぜ
≪ソングオブザデッド 歌詞より抜粋≫
----------------

この歌詞は、「君の人生はファストフードじゃないぜ」というフレーズが印象的ですね。

冒頭の「朝食にバーガー」という歌詞にかけながら、“君の人生は手軽に消費するものではなく、もっと楽しんでいい、じっくりと味わっていい”というメッセージを伝える秀逸な表現だと捉えられます。

「食い潰す」や「足止め食ったって」など、「食」を使った表現を重ねている点にも、遊び心を感じます。

続く歌詞には、他の食べ物も登場します。

----------------
トゥインキー食って生き残る?
雰囲気飲んで生き終える?
≪ソングオブザデッド 歌詞より抜粋≫
----------------

「トゥインキー」は、アメリカではメジャーなお菓子ですが、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんね。

実はこのお菓子には、“何年も腐らない”という都市伝説があります。

腐った死体のまま歩き回るゾンビとの対比として、このお菓子を歌詞に取り入れたのだと考察すると、その遊び心に思わず笑みがこぼれます。

「雰囲気を飲む」ように同調圧力に屈することなく、身も心も腐らせずに、自分のやりたいことをやりながら生きていこうというメッセージを、遊び心のある歌詞の中に忍ばせたのではないでしょうか。

19枚目のシングル『ソングオブザデッド』には、「ソングオブザデッド 2」「ソングオブザデッド 3」といったナンバリング違いのカップリング2曲が収録されているほか、100人ののんが躍動するMVなど、歌詞以外の部分にも遊び心が詰まっています。

“やりたいことをやる”、そんな熱意と強さを、歌詞・メロディ・MV等、様々なアプローチで明るく表現した音楽だと言えるでしょう。

大阪・堺出身のロックバンド。2013年9月メジャーデビュー。 翌年8月、地元大阪にて、初の野外ワンマンを開催し16, 320人を動員するなど、瞬く間にトップバンドの仲間入りを果たす。2018年~2019年にかけ、メジャーデビュー5周年イヤー企画として、リリース&ライブ企画を精力的に展開。 初の···

この特集へのレビュー

この特集へのレビューを書いてみませんか?

この特集へのレビューを投稿

  • ※レビューは全角500文字以内で入力してください。
  • ※誹謗中傷はご遠慮ください。
  • ※ひとつの特集に1回のみ投稿できます。
  • ※投稿の編集・削除はできません。
UtaTenはreCAPTCHAで保護されています
プライバシー - 利用契約