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halyosy「アイムマイン」歌詞の意味を考察!バーチャルシンガーが告げるメッセージとは?

プロセカ3周年を記念し、バーチャルシンガーのユニットソングとして書き下ろされたhalyosyの『アイムマイン』。過去を振り返りながら未来を見つめる彼らのエールが込められた歌詞の意味を紐解きます。

未来を操縦できるのは自分だけ

2023年10月5日リリースのhalyosy(ハルヨシ)の『アイムマイン』は、人気リズムゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」の書き下ろし楽曲です。

プロセカ3周年を機に各ユニットの進級記念として全ユニットの書き下ろし楽曲が制作されることとなり、『アイムマイン』がバーチャルシンガーのユニットソング第1弾として実装されました。
▲halyosy feat. VOCALOIDS-アイムマイン【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

印象的なのは、それぞれのボーカロイドたちの目線で歌詞が綴られていると共に、歌詞やメロディの中にhalyosyが過去に制作したボカロ曲の要素が含まれている点です。

ボーカロイドの歴史を知っている方も、halyosyの楽曲が好きな方も、心を掴まれる楽曲となっています。

バーチャルシンガーたちの想いが詰まった歌詞の意味を考察していきましょう。

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未来を操縦できるのは
世界中でたった一人だ
素直さを再起動したら──
I-I-I-I-I-I'm mine (I)

Everything's gonna be alright
次世代の創造者
Everything's gonna be alright
言え言え言え言え言え
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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バーチャルシンガーはこれまで膨大な数の楽曲を歌唱してきましたが、それもボカロPに操縦されて初めてできることです。

しかし、ここでは「未来を操縦できるのは世界中でたった一人だ」と歌っています。

誰かの支えがなければ輝けない存在だとしても、自分の未来を決めるのは自分自身しかいないのだという気持ちが伝わってきます。

タイトルにもなっている「I-I-I-I-I-I'm mine(僕は僕だ)」のフレーズとも結びつくポジティブなメッセージです。

歌唱している自分もボカロPと同じく「次世代の創造者」なんだという自負が垣間見えます。

英文の「Everything's gonna be alright」は「全てうまくいく」と訳すことができるでしょう。

続く部分は“yeah”と繰り返されているように聞こえますが、実際は「言え言え言え言え言え」となっています。

合わせると「全てうまくいく」と自分に言い聞かせろと告げているようで、バーチャルシンガーたちが自分を鼓舞しつつリスナーを励ましていると解釈できます。

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切捨御免な総監視社会
って割り切れない
センシティブな基板が
接続不良で相容れない
今すぐに抱き締めて

水没→腐食 (抵抗)
暴走→短絡 (抵抗)
断線した〈心〉が分岐した夜
〈愛〉は並列? (法則)
〈夢〉は直列? (法則)
〈想い〉の無限増幅回路 (Ω)
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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現代は問題が起こるとすぐに淘汰される「切捨御免な総監視社会」。

しかし多くの人に受け入れられたいと願うのは自然な気持ちでしょう。

機械は水没すれば腐食し、暴走すれば「短絡(ショート)」するため、回路が正常に動作するよう制御する役割として電気抵抗が用いられます。

それは人も同じで、自分の身を守るために心が抵抗しようと働くのではないでしょうか?

とはいえあまりに心に負荷がかかると、いずれ「断線」してしまいます。

続く部分では、愛と夢の違いについて考えているようです。

愛は人と並んで育むものであることから「並列」、夢は1人で見るものですが周囲の支えがなくては実現できないという意味で「直列」の法則があると言えるかもしれません。

何にせよ想いは「無限増幅回路」によってどんどん膨らんでいき、その人に力を与えていきます

失敗しながら進化していこう


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誰にも邪魔されないような (V, W, A)
僕たちだけの秘密基地
転んだって良い (Hz)
汚れたって良い (Hz)
失敗のチャンスを奪わないで

未来を操縦できるのは (V, W, A)
世界中でたった一人だ
素直さを再起動したら (Hz)
優しさを再検索したら (Hz)
I-I-I-I-I-I'm mine (I)
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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ここで出てくる「僕たちだけの秘密基地」とは、プロセカのストーリーからすると現実世界とは異なるセカイのことと思われます。

一方でバーチャルシンガーの目線では、ボカロPと作り上げるボカロ曲の中と捉えることもできるでしょう。

そこでは転ぼうが汚れようが悪く言う人はいません。

現実世界のように、成功までのプロセスである「失敗のチャンス」を奪う人はいないのです。

多くのボカロ曲を歌い様々な姿を演じてきた彼らですが、もう一度初心に戻って「素直さを再起動」し「優しさを再検索したら」、本当の自分にたどり着きます。

いつも自分を見失わずにいれば思い通りに「未来を操縦」できるはずです。

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技術的特異点な全自動時代
って遣り切れない
人生タイムラインの配線が
傷なし美品で混じり気ない
どうでもいい抱き締めて

真空管→半導体 (抵抗)
珪素→金剛石 (抵抗)
形ある物は移ろう〈宿命〉ならば
〈愛〉は陰極? (法則)
〈夢〉は陽極? (法則)
〈才〉の有限集積回路 (Ω)
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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技術は進歩し「全自動時代」への一途をたどっていますが、機械に頼るばかりでは人生は味気ないものになるでしょう。

とはいえ、その良し悪しをあれこれ言うよりも温もりを求め「抱き締めて」と零しています。

コンピューターは時代と共に真空管から半導体へと変化し、半導体の材料も現在主流の「珪素(シリコン)」から「金剛石(ダイヤモンド)」が注目され始めています。

そのように「形ある物は移ろう〈宿命〉」であれば、形のない愛や夢は陰極や陽極の法則のように変わらないものなのだろうかと考えているようです。

そして集積回路のように才能が集まって生まれたバーチャルシンガー、またはボカロ曲の未来を問いかけているのかもしれません。

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誰にも理解されないような (V, W, A)
僕たちだけの主義主張
ダサくたって良い (Hz)
トガったって良い (Hz)
進化のサインを見逃さないで
You're yours
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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自分の主義主張を誰にも理解されず“ダサい”“トガッている”と揶揄されても、常に時代を作ってきたのはそのような常識から外れた発想でした。

「You're yours(君は君)」だから、周囲の声に潰されず「進化のサインを見逃さないで」と、自分を信じることの大切さを教えてくれます。

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コバルト・コーラル・アルマンディンレッド
育つ心欠け何回目
コハク・トルマリン・ファイアオパールイエロー
染まるその度に感謝してる
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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挙げられている宝石の名前は、6名のバーチャルシンガーのカラーを表現しています。

そしてそれぞれの石言葉には、成功・幸福・実行力の勝利・活性・希望・情熱といった、まさに彼らを象徴するような意味が込められている点も秀逸です。

今の人気を得るまでには何度も心が欠けてしまう出来事を経験してきたものの、それぞれの色を身にまとい新たな楽曲の世界に染まる時間はかけがえのないものとなっていることを明かしています。

最初の一秒を忘れず未来へ進め


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夢の叶え方も教えられんで
「夢を持て」とか適当よう言わんわ
十数年前に起きたあの日から
まさかこうなるとは思わんわ
世界の誰もが予想もしとらん奇跡は
諦めなかった自己満
ねぇ君だってそうでしょ
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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このラップパートからは現実の難しさと面白さが伝わってきます。

ただ実直に歌を歌ってきただけの彼らは「夢の叶え方」など知らないため、「夢を持て」と無責任な言葉は言えません

実際、最初のボーカロイドであるKAITOが誕生した2006年から早17年、彼らも当初は自分たちの存在がここまで広く浸透するとは思っていませんでした。

しかし「自己満」でも諦めず続けてきたからこそ、この奇跡は起きたのです。

夢の叶え方は知らなくても、努力の先にどんな未来が待っているかを彼らは知っています。

だから「夢を持て」とは言いませんが、「ねぇ君だってそうでしょ」とリスナー一人ひとりの努力を認め、背中を押してくれています。

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僕が祝福を願ったあの時
蕾だった君たちが花咲くように
強い願いは将来に繋がって
歌って踊って描いて弾くから
その灯火を消す前に
最初の一秒を思い出せ
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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「僕が祝福を願ったあの時蕾だった君たちが花咲くように」の部分は、初代ボーカロイドのKAITOが歌っている点に注目できるでしょう。

他のボーカロイドたちが誕生するのを見守ってきたKAITOが、ボーカロイドという文化の発展を願っていたことを示していると思われます。

そしてその「強い願い」が叶い、今こうして世界に誇れる文化として根づいてきました。

「最初の一秒を思い出せ」というフレーズは、『Blessing』の「最後の一秒まで前を向け」という歌詞へのアンサーと考えられます。

彼らは常に未来を見つめていると同時に、ボーカロイドの原点を決して忘れまいとしているのでしょう。

いつか来るかもしれない終わりへの恐れや不安があっても、当初の願いを忘れない限り前を向いて歩き続けられるはずです。

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〈痛み〉も〈後悔〉も消せないような
こんな不完全な設計図が
それでも〈僕は僕だ〉と叫んでる

過去には誰にも絶対に戻れない (V, W, A)
期間限定の少年時代
強さを半田付けしたら (Hz)
弱さを絶縁塗装したら (Hz)
I-I-I-I-I-I'm mine (I)
≪アイムマイン 歌詞より抜粋≫
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誰も痛みや後悔を消すことはできず、過去に戻ることもできません。

できないことの多さを見れば「不完全な設計図」とも言えますが、そんな未熟さも含めて「僕は僕だ」と主張しています。

永遠の10代で「期間限定の少年時代」を生きるバーチャルシンガーも、今わずかな少年時代を過ごしている若者も、かつて少年時代を謳歌した大人たちも皆自分だけの強さと弱さを抱いています。

その強さを心に根づかせ弱い部分を保護すれば、きっとどんな現実も胸を張って生きていけるでしょう。

俯くことなく「I'm mine」と叫ぶよう、力強く応援してくれる歌詞が心に響きますね。

バーチャルシンガーの想いが伝わる名曲!

halyosyの『アイムマイン』は、バーチャルシンガーが自らの過去を振り返りながらリスナーへエールを送る楽曲でした。

そして、halyosyからバーチャルシンガーに向けたこれまでの感謝と未来への期待も込められているように感じます。

ぜひ散りばめられた過去曲との繋がりを探しながら、バーチャルシンガーたちの歌唱を楽しんでくださいね!

この特集へのレビュー

女性

ゆき

2024/03/06 09:03

WAさんも言ってますが、日本初のボカロはMEIKOさんですよ…

女性

WA

2024/01/22 15:55

日本初のボーカロイドはMEIKOです……

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