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Kai「さよならプリンセス」歌詞の意味を考察!変われない「私」の光と陰

2022年にリリースされたKai feat. 初音ミク『さよならプリンセス』。翌年12月には大人気リズムゲーム・プロセカにも収録された話題曲です。キュートで意味深な『さよならプリンセス』の歌詞の意味を考察します。

「プロセカ」追加収録でも話題の人気曲を考察!

2021年に音楽活動をスタートさせたボカロP・Kai

作詞作曲はもちろん、動画制作やデザインもこなす気鋭の若手アーティストです。

ネット最大級のボカロ楽曲投稿祭・ボカコレでは、『ユニコーンガール』や『キューピット』がルーキーランキングに堂々のランクイン(それぞれ2022年秋3位、2023年夏6位)。

ポップな曲調とキュートかつ意味深な歌詞で、着々とリスナーを虜にしています。

今回考察するのは、そんなKaiが2022年1月にリリースした『さよならプリンセス』。

TikTokでも大流行した1曲で、翌年12月にはスマートフォンリズムゲーム・プロセカにも追加収録されて大きな話題を呼びました。

▲Kai feat. 初音ミク - 『さよならプリンセス』【OfficialMusicVideo】

『さよならプリンセス』の人気ぶりは凄まじく、YouTubeとニコニコ動画を合わせたMVの総再生回数は900万回を突破しています(2023年12月20日現在)。

そしてその歌詞は、悩み多き現代人にも通じる、家柄の厳しさや親からのプレッシャーなどに縛られたプリンセスをイメージして書かれたのだそうです。

そんな『さよならプリンセス』の歌詞の意味を、今回はじっくり考察していきましょう。

プリンセスと別れるハッピーエンド


今回の考察では、プリンセスを「主人公自身の甘さや弱さ、幼さの象徴」と解釈してみました。

冒頭の歌詞はこちらです。

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さよならプリンセス 宙に舞っている
眠り 沈む その姿は華やかな
魅惑のハッピーエンド
私とさよならだ
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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美しいプリンセスが崖から飛び降り、その人生を終わらせようとしているような情景が思い浮かびますね。

そしてプリンセスが永遠の眠りにつくことは、「私」自身が自分の甘さや弱さと決別することにつながりそうです。

そんな「魅惑のハッピーエンド」から始まる『さよならプリンセス』。

以下、1番の歌詞から順に解釈していきます。

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鏡の中独り縛られて
頭の中逃げ回る毎日です
ずっとずっと
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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独りで部屋に閉じこもり、ぐるぐる考え事をしているような描写ですね。

主人公は自分の外見を気にしたり、内面も含めて自分が人からどう見られているかに悩んだりしている様子です。

ずっとずっと悩み考える毎日。

次の歌詞では、その悩みが具体的に羅列されています

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だって私変われないし 夢もないし
口もないし つまらないし 可愛くもないし
分らないし 仕方ないし
不意に気づいたらまるで

指輪が首輪になっていたんだ
壊れた大人の愛情なんだ
期待を蹴った私のことなんて
気にしないでね
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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夢もなくて可愛くもない、つまらない「私」。

「口もない」は自分の意見を言えない、「分らない」は他人の気持ちが理解できないといった意味に解釈できます。

なにより、それらのネガティブな面を持ったまま「変われない」自分に「私」はあきらめ感すら抱いている様子です。

そんな中、不意に気づいたのは「指輪が首輪になっていた」ということ。

親が決めた婚約により自由を奪われたプリンセスさながら、納得できず反抗もできない社会のルールにも「私」は悩まされているようですね。

「指輪」が首輪なら「期待」は足かせでしょうか。

「期待を蹴った私のことなんて気にしないでね」というフレーズからは、主人公が不本意な期待や愛情を抱く「壊れた大人」の思いどおりにはならなかったことが読み取れます。

続くサビの歌詞はこちらです。

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さよならプリンセス 宙に舞っている
独り 浮かぶ その姿は華やかな
魅惑のハッピーエンド
私とさよならだ
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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冒頭では崖から落ちていく(=沈む)想像ができましたが、ここでは海の中で揺らめいているようなイメージが湧いてきます。

プリンセスが「私」の甘さや弱さの象徴なら、「私とさよなら」するというのは、主人公に何らかの心変わりが生じてたくましく成長することを暗示しているのかもしれません。

一方、サビの後半はプリンセスの視点で解釈することができそうです。

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間抜けたプリンセス 過去とバイバイだ
この際 何も 全てを燃やしてしまおう
このまま宙を泳いで あの星になれたら
私、 私とさよならだ
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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束縛に屈した過去にバイバイする「間抜けたプリンセス」。

星になろうと宙を泳いで何もかも焼き尽くそうとする姿は、まるで『よだかの星』の “よだか” のようですね。

「私、私とさよならだ」のひと言は、弱く幼いプリンセス(=1つ目の“私”)が主人公自身(=2つ目の“私”)の中から消え去ろうとしているかのように聴こえます。

主人公の体から解離したプリンセスは居場所を失うわけなので、それこそ「間抜けた(=大事なものが抜け落ちた)プリンセス」だといえそうです。

魅惑の「アナタ」と間抜けなエンド


ここからは後半の歌詞を考察していきましょう。

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心の穴 妬み 渦巻いた 体の中
空回る毎日です
ずっとずっと
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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プリンセスがいなくなって空いた「心の穴」。

それを埋めるかのように「妬み」の感情が主人公の体内で延々と渦巻いている様子

続く歌詞からは、そのような体になった理由がプリンセスとの別れだけではないことがわかります。

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だってアナタ頭良いし 変わらないし 足長いし
面白いし 顔も可愛いし
さり気ないし 仕方ないし
溢れるオーラはまるで

キラキラ輝く安定剤ね
メロメロ私は面目無いね
古い昨日の私のことなんて
探さないでね。
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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「足長いし 面白いし 顔も可愛い」という新たな登場人物「アナタ」

「変わらない」ことをポジティブにとらえていることから、この「アナタ」は外の世界で久々に会った幼馴染のような存在だと仮定してみましょう。

知的で気遣いもできる「アナタ」のオーラに、主人公は癒され、すっかりメロメロです。

「古い昨日の私」とは、自分(とプリンセス)だけの世界に閉じこもっていた過去の「私」のことでしょうか。

変われない自分から少しばかり成長した今の「私」は、かつての自分をどこか恥じているようですね。

一見すると「アナタ」にゾッコンな主人公ですが、本当のところは自分との格差を突きつけられて妬ましく感じているのかもしれません。

続くサビの歌詞はこちら。

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さよならプリンセス 愛に酔っている
独り 浮かぶ その姿は鮮やかな
理想のハッピーエンド
私とさよならだ
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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ここでの「プリンセス」は、主人公にとって理想的すぎる「アナタ」のことだと仮定してみましょう。

家に帰って独りでいるときにも鮮明に思い浮かぶ「アナタ」の姿。

その愛らしさに酔っている主人公にとって、「アナタ」のように生きることは人生の目標(=理想のハッピーエンド)にさえなり得ます。

ただ、そのためには今の自分自身に「さよなら」しなければなりません。

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さよならプリンセス 全てバイバイだ
巡り 廻る 幸せに絡まる程
間抜けなハッピーエンド
可愛くなれたかな
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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「私」の中のプリンセスとも「私」の外のプリンセスともバイバイした主人公。

「巡り 廻(めぐ)る 幸せに絡まる」という歌詞からは、現世の縁や来世の幸せにがんじがらめになるようなイメージが湧いてきます。

絡みつく期待や幸福を振り払うことは、はたから見ると自暴自棄です。

そんな「間抜けな(=愚かな)ハッピーエンド」に近づいている「私」。

はたして彼女は、キュートで理想的なプリンセスのように「可愛くなれた」のでしょうか。

最後の歌詞はこちらです。

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私、 私は既に分かっていたんだ
この世とさよならか?
≪さよならプリンセス 歌詞より抜粋≫
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「私、私は既に分かっていたんだ」と、たどたどしく独白する主人公。

可愛くなることも上手に話すことも、はなから無理な話だと悟っていた様子です。

本質的に何ひとつ変われない現状に、「この世とさよならか?」と悪い考えが頭をよぎります。

そんな「私」がいつか「自分はありのままでいい」と思い至り、内外の「プリンセス」を受け入れられる日がくることを願ってやみません。

「さよならプリンセス」の解釈は無限大!

今回は、Kai feat. 初音ミク『さよならプリンセス』の歌詞の意味を考察しました。

ポップ&キュートでありながら、じっくり考えてみると深い葛藤や深層心理なども読み取れる歌詞でしたね。

ここでは独特な仮定で考察しましたが、好きな人を思い浮かべてラブソングとして聴いたり、文字どおり「プリンセス」の物語として聴いたりすることもできるでしょう

リスナーそれぞれが独自のストーリーを思い描くことができるのも、『さよならプリンセス』が絶大な人気を博している要因なのかもしれません。

気鋭のボカロP・Kaiによる、歌詞にこだわった音楽制作。

これからも期待や注目が高まっていくでしょうが、それらが首輪や足かせにならないよう温かく見守っていきたいですね。

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