「ケセラセラ」のフレーズに込められた気持ちとは?
「ミセス」の愛称で親しまれるバンド・Mrs.GREEN APPLEが2023年4月25日にリリースした7作目の配信限定シングル『ケセラセラ』。この楽曲は、朝日放送テレビ・テレビ朝日系連続ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』の主題歌として書き下ろされました。
バンド初の連続テレビドラマ主題歌書き下ろしとなった本曲は、作品の脚本からあふれるイメージを楽曲に落とし込んで誕生したそうです。
その後、同年に行われたMV作品が表彰される音楽アワード「MTV VMAJ 2023」と第65回日本レコード大賞を受賞し、ミセスを代表する1曲となりました。
スペイン語で「なるようになる」という意味を持つタイトルにどのようなメッセージが込められているのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。
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ケセラセラ
今日も唱える
限界?上等。やってやろうか。
愛を捨てるほど暇じゃない いつも All right All right
ここを乗り越えたら 楽になるしかない
≪ケセラセラ 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞から、「ケセラセラ」は主人公が毎日自分に言い聞かせている言葉であることが分かります。
本当はもう限界を感じていますが、「上等。やってやろうか。」と目の前の壁に立ち向かおうとしている様子が見て取れるでしょう。
そして「ここを乗り越えたら楽になるしかない」とポジティブな見方をして、いつも「All right(大丈夫)」と自分を励ましながら進み続ける姿に力づけられますね。
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痛み止めを飲んでも
消えない胸のズキズキが
些細な誰かの優しさで
ちょっと和らいだりするんだよな
≪ケセラセラ 歌詞より抜粋≫
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心に受けた傷の痛みには、痛み止めは効きません。
しかし「些細な誰かの優しさ」でふと痛みが和らぐことがあります。
その傷は簡単には癒えませんが、人とのつながりや小さな優しさの積み重ねが人生を明るくしてくれることが伝わってきます。
私を愛せるのは私だけ。
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負けるな
今日も踏ん張って
固めた殻で身を守って
また諦める理由探すけど、
ケセラセラ
今日も唱える
限界、上等。妬ましさも全部
不幸の矢が抜けない日でも All right All right
食いしばってる
≪ケセラセラ 歌詞より抜粋≫
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現状に「負けるな」と自分を奮い立たせ、倒れそうになる体を何とか支えて踏ん張り、「固めた殻で身を守って」何とか生きている主人公。
もう頑張ることにも疲れていっそ全て投げ出したいと、何度も「諦める理由」を探しています。
しかし朝になればまた「ケセラセラ」と唱えて、もうひと踏ん張りしてみようとしている自分がいます。
「不幸の矢」が刺さっているかのように、悪いことばかりが降りかかってきていると感じる日もあるでしょう。
それでも歯を食いしばって頑張り続けているのは、その先にある未来への希望を信じているからじゃないのかと優しく問いかけられている気がします。
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でもね、
今日はちょっとだけご褒美を
わかっているけれど
私を愛せるのは私だけ。
生まれ変わるなら?
「また私だね。」
≪ケセラセラ 歌詞より抜粋≫
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ひたすら頑張り続けるのは苦しいから、時には自分にご褒美をあげる日も必要です。
「私を愛せるのは私だけ。」というフレーズからは、「あなたはよく頑張っているからもっと自分を愛してあげて」というメッセージを感じます。
どんなに気持ちを分かってほしくても、人の心を理解するのは難しいことです。
だからこそ全てを分かっている自分こそが、自分を愛し大切にしてあげるべきです。
そのように自分の大切さを忘れないでいれば、今がどれほど過酷な状況でもまた自分に生まれ変わりたいと思える人生を歩めるでしょう。
目の前にある障害を必ず乗り越え、強く生きようとする主人公の意志が垣間見えます。
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ひとりぼっちだと気付いても
繋がりは消えるわけじゃない
たまにがいい たまにでいい
ちゃんと大切だと思えるから
貴方の幸せを分けてほしい
悲劇の図鑑
私ってそう。
仕方ない程 自分よがり
≪ケセラセラ 歌詞より抜粋≫
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1人きりで過ごしていると、不意に「ひとりぼっちだ」という事実が心に押し寄せて孤独に打ちのめされそうになることがあるかもしれません。
しかしここでは、今は1人きりでも大切な家族や友人たちとの「繋がりは消えるわけじゃない」と優しく諭しています。
そしてずっと一緒にいれば大切さを忘れてしまうから、会えるのは「たまにがいい たまにでいい」と語ります。
そのようにしてなるべく前向きでいようと努力している主人公ですが、誰かの幸せそうな姿を見て「貴方の幸せを分けてほしい」と考えてしまうこともあるようです。
身に降りかかる出来事や心情を「悲劇の図鑑」と称し、他人の幸せを素直に喜んであげられない「仕方ない程 自分よがり」な自分に飽き飽きしています。
自分自身の心さえコントロールするのが難しく、うまくいかない日々に悩む主人公に共感する人も多いでしょう。
「つづきから」の毎日を進んでいこう
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バイバイ 幼き愛の日々
いいよもう 願うは「はじめから」
ベイベー 大人になんかなるもんじゃないぞ
ツァラトゥストラ
≪ケセラセラ 歌詞より抜粋≫
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歳を重ねる度、無邪気に日々を楽しめていた「幼き愛の日々」は遠くなっていきます。
苦しい日々が続くと、「はじめから」やり直せたらと願ってしまうのも無理はないでしょう。
「ツァラトゥストラ」はニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』のことを指していると思われます。
この作品は、全てが繰り返されてもそれらを肯定できるような態度であろうとする永劫回帰の思想に基づいています。
歌詞では「大人になんかなるもんじゃないぞ」の後に続いているため、ツァラトゥストラがこう言ったということを表しているのでしょう。
いつまでも子どものような無垢な心を忘れず、人生に起こる全てのことを肯定しながら楽しんでいこうという思いが感じられます。
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ケセラセラ
今日も唱える
何のせい?誰のせい?
勝てなくたっていい
負けない強さを持ちたい そうさ All right All right
乗り切ってみせる
ケセラセラ
今日も言い聞かせる
不幸の矢が抜けない日でも All right All right
止まらないで居よう。
だから、今日は
ちょっとだけご褒美を
笑える日は来るから。
私を愛せるのは私だけ
生まれ変わるなら?
「また私だね。」
≪ケセラセラ 歌詞より抜粋≫
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自分が今こんな状況なのは「何のせい?誰のせい?」と問いかけても不毛です。
大切なのは、勝ち負けの結果ではなく「負けない強さ」を持ち倒れそうになっても挑み続けること。
どんな時も自分を奮い立たせながら止まらず走り続けていれば「笑える日は来る」はずです。
そう信じて苦難を乗り越える時、自分が誇れる自分になれるのではないでしょうか。
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バイバイ 無頓着な愛の日々
ファンファーレ 喜劇的な「つづきから」
ベイベー 大人になんかなるもんじゃないけど
ケセラセラ
バイバイ 空っぽ器にヒビ
ファンファーレ 明日も「つづきから」
ベイベー 大人になんかなるもんじゃないけど
ケセラセラ
なるようになるのさ
ケセラセラ
≪ケセラセラ 歌詞より抜粋≫
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鳴り響くファンファーレで幕を開けるのは「喜劇的な「つづきから」」のストーリーです。
自分が四苦八苦している姿は、きっと他人からみれば喜劇のようにおかしな光景でしょう。
ヒビの入った器に入れた水がこぼれ落ちてしまうように、やること全てが無駄に思えることもあります。
でも誰に笑われても、毎日「つづきから」の今日を力一杯生きていくしかありません。
しかしそれはつらいことばかりではないはずです。
「大人になんかなるもんじゃないけど」子どものままではいられないから、「ケセラセラ」と唱えていつも新しい気持ちで進んでいこうと励ましてくれています。
ミセスの応援歌が心に沁みる!
Mrs.GREEN APPLEの『ケセラセラ』は、頑張り続ける全ての人に向けた力強い応援歌です。MVでは様々な立場で懸命に生きる人たちの姿が映し出されており、自分自身の境遇を重ねて一緒に涙した方もいるのではないでしょうか?
落ち込んで立ち止まりたくなる時にも、『ケセラセラ』の明るく爽やかな音楽とストレートに紡がれるポジティブなメッセージが背中を押してくれるはずです。
【Mrs. GREEN APPLE PROFILE】 大森元貴 (Vo/Gt) 若井滉斗 (Gt) 藤澤涼架 (Key) 2013年結成。2015年EMI Recordsからミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。 以来、毎年1枚のオリジナルアルバムリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー「エデ···