Laughing HickがデジタルEPをリリース!
ホリウチコウタ(Vo/Gt)、たいち(Dr)、あかり(Ba)の3名からなる2017年結成の山梨発ギターロックバンド・Laughing Hick(ラフィングヒック)。色気のあるエモーショナルな歌声とスキルの高さが窺える洗練されたロックサウンド、誰しもが抱える複雑な感情を切り取ったストレートな歌詞により“日常のリアルを共有するバンド”として、Z世代を中心に多くのファンを獲得しています。
2019年リリースの『カシスオレンジ』『愛してるって』がYouTubeやTikTokで注目される中、2023年には新曲『女だから』をはじめ続々と新曲をリリースし、ますますリスナーを楽しませてくれました。
彼らの勢いは2024年も止まらず、早くも2月21日にデジタルEP『カフェオレ』をリリースします。
本作では、さまざまな恋愛模様を描いた全4曲が収録されているのが特徴です。
タイトル曲の『カフェオレ』は、理想を求めて別れを選んだカップルが手放したものの尊さを想う切ないバラードです。
さらに、沸き立つピュアな恋心を描いた『今更になる前に』、後悔と未練に苦しむ気持ちを吐露する『恋にしがみついて』、秘密の男女関係を赤裸々に綴った淫靡な雰囲気が漂う『休憩と宿泊』を収録。
恋愛という1つのテーマでありながらその複雑な側面を繊細に取り上げており、リスナー1人1人がそれぞれの立場で、共感や気づきを得られる作品となっています。
リリース当日の22時より公開されているMVにもぜひご注目ください。
別れを選んだ二人の複雑な恋心を描く「カフェオレ」
ここからは今作のタイトル曲である『カフェオレ』の歌詞を考察していきましょう。----------------
マフラーの結び方はあなた譲り
灰色 粉雪 溶けて滲んだ
分かってはいたけど
会うんじゃなかったな
でも何より変わらず
楽しかったな
≪カフェオレ 歌詞より抜粋≫
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全体を通して、別れたカップルの女性側の視点で心情が綴られています。
1番の歌詞を見ると、別れてからしばらく経ち友人に戻った二人が再会した後の場面を描いていると解釈できます。
冒頭の「マフラーの結び方はあなた譲り」というフレーズから付き合っていた頃に彼がしていた結び方を主人公が今も変わらずしていることが分かり、彼女の日常に彼の存在が深く浸透している様子が見て取れるでしょう。
そして冬の雪道を歩きながら、再会を後悔しつつも関係が戻ったような楽しいひと時をじっくりと噛み締めています。
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したくないサヨナラを
しなきゃいけなかったのよ
このままじゃふたり 大人になれないから
今もあなたじゃなきゃダメだと
思ってるんでしょ
勘違いしないでもう進んでるよ
≪カフェオレ 歌詞より抜粋≫
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別れたからといって、誰もが相手への愛を完全に断ち切っているわけではありません。
愛しているからこそ、お互いの未来のために「したくないサヨナラ」を選択する人もいます。
主人公は「このままじゃふたり 大人になれない」ことに気づいていたので、別れることを決意したようです。
おそらく二人は、頼りがいのある彼と甘え上手な彼女で良いバランスが取れていたのでしょう。
だから彼が「今もあなたじゃなきゃダメだと思ってる」ことも何となく分かっています。
しかし彼女は「勘違いしないでもう進んでるよ」とはっきり言葉にし、もう彼に頼る必要がないほど自分は大人になったのだという気持ちを示しています。
とはいえその言葉は、もう別れたのだから強く進んで行かなければと自分に言い聞かせているようにも感じられ、切ない想いが伝わってきますね。
子供のままでいたいけど大人にならなきゃいけない
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今の人 優しくてちゃんと幸せだよ
今なら言えるよ「あなたも幸せにね」
チューニングはズレたままで
交わったカップ眺めて
もうちょっとあなたの腕の中で
もうちょっと子供のままで
≪カフェオレ 歌詞より抜粋≫
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この部分の歌詞から、彼女にはすでに別の恋人がいることが読み取れます。
ちゃんと幸せを感じ、彼の幸せも願うことができるようになっているところを見ると、彼女は確かに別れた時よりも大人になっていると言えるのではないでしょうか。
ズレたチューニングを調整しなくても楽器は弾けますが、良い音楽を奏でることはできません。
相手を好きな気持ちだけで交際を続け、その直らないズレを誤魔化し続けたくないという想いが彼女を別れへと突き動かしたのでしょう。
それでも一緒に時間を過ごせば、彼の元では自分が「子供のままで」いられる心地よさを感じます。
本当は「もうちょっとあなたの腕の中で」甘えていたかったという本音も顔を出します。
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先を見る私に甘いミルクは似合わないよ
まだコーヒー飲めないまま?
なんて大人気取りの私です
≪カフェオレ 歌詞より抜粋≫
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タイトルの「カフェオレ」をイメージさせるのがこの歌詞です。
彼はコーヒーが飲めず、飲む時はいつもカフェオレだったのでしょう。
彼女にとって彼は苦いコーヒーにたっぷり足された「甘いミルク」のような存在であり、苦い現実の中を強く生きていくためにはその甘さが自分を弱くするように思えます。
そうして、大人気取りで彼から離れてみても恋しさは否定できず、心を揺らしている様子に胸が締めつけられます。
何が正しい選択かは誰にも分かりませんが、苦しみながらもそれぞれの幸せを願って前へ進もうとする彼女の想いが報われるよう願わずにはいられません。
Laughing Hickが紡ぐリアルで尊い恋心が詰まった「カフェオレ」に注目!
Laughing HickのデジタルEP『カフェオレ』は、恋の難しさや愛情の示し方について様々なことを考えさせてくれます。上半期はバンドキャリア初となるワンマン公演を含むツアーが控えており、ワンマン公演においてはチケットソールドアウトにつき、追加公演の開催も決定しているなど2024年は彼らにとってさらなる飛躍の年となることでしょう。
人の感情を繊細に描き出すLaughing Hickが紡ぐ音楽の世界をもっと楽しんでくださいね。
誰しもが抱く素直な想いや心の葛藤をストレートな言葉で紡ぎ、日常のリアルを共有する3ピースギターロックバンド。 1stAL収録「カシスオレンジ」「愛してるって」が早耳リスナーの間で話題となり各配信サービスの人気プレイリストに選出、J-ROCKチャートではTOP50内に2曲がランクイン。 また、S···