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尾崎豊「卒業」歌詞の意味を考察!過激なフレーズに込められた真のメッセージとは?

世間に衝撃を与えた伝説のシンガー・尾崎豊の名曲『卒業』は、思い切った歌詞が1980年代の若者たちに支持されました。学校を閉鎖的な社会と重ねて巧みに表現した歌詞の意味を考察します。

尾崎豊の名曲「卒業」の意味を徹底解説

1983年、のちに自身の代名詞と呼ばれるようになる『15の夜』でデビューしてから26歳の若さで亡くなるまでの短い音楽人生で熱狂的なファンを獲得し、今なお愛され続ける伝説のロック歌手・尾崎豊

1985年リリースの『卒業』は彼を10代のカリスマにまで押し上げた名曲であり、卒業ソングと言えばこの楽曲を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

▲尾崎豊-卒業【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

過激な歌詞が注目され反権力を歌っていると見られがちですが、歌詞を詳しく見ていくと若者の純粋な感情が込められていることが伝わってきます。

さっそく歌詞の意味を詳しく考察していきましょう。

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校舎の影 芝生の上
すいこまれる空
幻とリアルな気持
感じていた
チャイムが鳴り
教室のいつもの
席に座り
何に従い 従うべきか
考えていた
≪卒業 歌詞より抜粋≫
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主人公は校舎の影の見えないところで芝生の上に寝ころび、吸い込まれそうな青空を見上げています。

「幻とリアルな気持ち」というフレーズは、理想と現実と言い換えられます。

漠然とした“こうありたい”という理想とそうなれない現実の間で悩む気持ちを抱えていると解釈できるでしょう。

そうして休憩時間を過ごした後、チャイムが鳴ると教室の自分の席に座って「何に従い 従うべきか」考えています。

さぼることも不満を口にすることもなく自分の席で授業を受けていることから、彼がごく一般的な生徒であると分かります。

その点をふまえると「何に従い 従うべきか」考えているのも、ただ権力に反抗しようとして理由を探しているわけではなく、校則や教師の言い分が本当に従うに足る内容か考えているに過ぎないと考察できますね。

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ざわめく心
今 俺にあるもの
意味なく思えて
とまどっていた
放課後 街ふらつき
俺達は風の中
孤独 瞳にうかべ
寂しく歩いた
笑い声とため息の
飽和した店で
ピンボールのハイスコアー
競いあった
退屈な心
刺激さえあれば
何でも大げさに
しゃべり続けた
≪卒業 歌詞より抜粋≫
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相反する気持ちで「ざわめく心」を抱いている彼は、自分の中にあるものが全て意味を持たないもののように思えて戸惑っています。

これは学校とは関係なく、自分自身の未熟さや弱さといったマイナスな面が目について自己肯定感を失っている状態を指していると考えられるでしょう。

だから学校から自由になる放課後に友達と街を歩きながらも、孤独と寂しさを抱えているのだと思われます。

彼らがよく立ち寄る店を「笑い声とため息の飽和した店」と表現していることから、誰もが人と笑い合いながらも心には似たような疲れや諦めを抱えていることが読み取れます。

つまり主人公は、苦しんでいるのは若い自分だけでなく大人たちも同じであり、大人になったからといって逃れられるような簡単なものではないと理解しているのではないでしょうか。

その中で一瞬でも孤独を忘れようとして「ピンボールのハイスコアー競いあった」日々は、彼らにとって確かに青春だったと言えるでしょう。

退屈な心を慰めてくれるならどんな小さな刺激でも拾い集めて、大げさに話しては笑い合った時間の切なさが感じ取れます。

自由になりたくて願った卒業


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行儀よく まじめなんて
出来やしなかった
夜の校舎 窓ガラス
壊してまわった
逆らい続け
あがき続けた
早く自由になりたかった
信じられぬ大人との
争いの中で
許しあい いったい何
解りあえただろう
うんざりしながら
それでも過した
ひとつだけ
解っていたこと
この支配からの 卒業
≪卒業 歌詞より抜粋≫
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もどかしく揺れる気持ちに突き動かされ、決して不真面目ではなかった主人公は元の生き方から逸れていってしまいました。

自分の道理に反したものとぶつかってしまえば「行儀よくまじめなんて出来やしなかった」、だから「夜の校舎 窓ガラス壊してまわった」と告白しています。

「早く自由になりたかった」という言葉から、学校をこの閉鎖的な世界と重ね、そこに風穴を開け自由を得たいという思いが窓ガラスを割る行為に繋がったと考えられます。

教師や親、または世間の「大人との争い」を繰り返し、許し合ってもなお互いの思いを分かり合うことはできませんでした。

そんな現実にうんざりしながらも世界を変える力はないので、それからも彼は同じような日々を過ごしていきます。

その中で唯一理解していたのは、「この支配からの卒業」をしなくてはいつまでも状況が変わらないという事実です。

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誰かの喧嘩の話に
みんな熱くなり
自分がどれだけ強いか
知りたかった
力だけが必要だと
頑なに信じて
従うとは負けることと
言いきかした
友達にさえ
強がって見せた
時には誰かを
傷つけても
≪卒業 歌詞より抜粋≫
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やがて彼らは腕力に頼るようになります。

誰かの喧嘩の話を聞くだけで熱くなり、自分はどれほどの力があるのか知りたいと思い始めました。

自分が自由になるために必要なのは力だけだと信じ、権力に抵抗してやると牙を剥きます。

とはいえ「頑なに信じて」や「言いきかした」という表現を見ると、そうでなくてはならないと自分自身に縛りつけているようにも思えますね。

本心から行っていることではないため融通が利かず、友達に対しても強がってしまいます。

そのせいで大切な友達を傷つけることがあると分かってはいても、自分を止められずにいるようです。

大人になっても支配は続く


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やがて誰も恋に落ちて
愛の言葉と
理想の愛 それだけに
心奪われた
生きる為に
計算高くなれと言うが
人を愛す まっすぐさを
強く信じた
大切なのは何
愛することと
生きる為にすることの
区別迷った
≪卒業 歌詞より抜粋≫
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さらに成長すると、重視するものが力から愛に変わっていきました。

恋に落ち、湧き出てくる「愛の言葉」とその人と築き上げたい「理想の愛」に心を奪われます。

周囲の大人たちは「生きる為に計算高くなれ」と言いますが、主人公は人を愛する時の心や感情のまっすぐさの方が魅力的に感じます。

それでも人生は愛だけでは成り立ちません。

だから「愛することと生きる為にすることの区別迷った」とあるように、本当に大切にすべきなのはどちらか悩んでしまっています

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卒業して いったい何
解ると言うのか
想い出のほかに
何が残るというのか
人は誰も縛られた
かよわき小羊ならば
先生あなたは
かよわき大人の
代弁者なのか
俺達の怒り
どこへ向うべきなのか
これからは 何が俺を
縛りつけるだろう
あと何度 自分自身
卒業すれば
本当の自分に
たどりつけるだろう Ah ah

仕組まれた自由に
誰も気づかずに
あがいた日々も終る
この支配からの 卒業
闘いからの 卒業
≪卒業 歌詞より抜粋≫
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学校の卒業は大人へとステップアップするために踏む段階というイメージがありますが、卒業したからといって自動的に世界が理解できるようになるわけではありません。

課程を滞りなく修了しても、残るのは思い出だけのように感じます。

そう思うと、ぶつかり合っていた教師の立場が少し理解できるようになります。

「先生あなたはかよわき大人の代弁者なのか」と問いかけているため、目の敵にしていた目の前の人も大人や教師という立場に縛られているだけの存在である事実に思い至ったのでしょう。

その人が大人や教師の義務として生徒に自由を与えないようにしているのであれば「俺達の怒り どこへ向うべきなのか」と、再び現実に悩み始めます。

そして卒業して学校や教師には縛られなくなっても、今度は会社をはじめ社会の様々なものに縛られてしまい、結局自由を得られないことに気づきます。

では何度「卒業」を繰り返せば「本当の自分」にたどり着けるのでしょうか?

これまで教師に言いたいことを言ったり力で反抗したりしてこられたのも「仕組まれた自由」の中にいたからです。

大人たちも本人でさえ自由に生きていると勘違いしていますが、実際は様々なものに縛られていることに気づいていないだけです。

真の自由を得て本当の自分で生きたいのであれば、あらゆる支配から卒業しなくてはなりません。

そうしてやっと他者や社会との闘い、また自分自身との闘いから解放されます。

いつ訪れるか分からないその未来を期待しながら、今日もまた支配の中で生きることへの悲哀が歌われているように思えます。

生き方を問いかける青春の名曲!

尾崎豊の『卒業』は青春時代に感じるフレストレーションや葛藤を音楽にした作品です。

多かれ少なかれ誰もが心に秘めている気持ちをはっきりと言葉にしているからこそ、同じ思いを持つ若者たちの共感を呼んだのでしょう。

人間として生まれた以上、本当の意味で自由を得るのは難しいですが、社会の常識に身を任せず自分なりに向き合って従うものを選択する自由はあります。

学校からの卒業という節目に、この楽曲がどのように人生を送るか真剣に考えるためのヒントを与えてくれるかもしれません。

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